ただ、君を愛してるの紹介:2006年日本映画。「いま、会いにゆきます」の市川拓司の原作『恋愛寫眞 もうひとつの物語』を、玉木宏と宮崎あおい主演で映画化した切ない恋愛物語「ただ、君を愛してる」。2003年に公開した「恋愛寫眞 Collage of Our Life」のアナザーストーリーで企画当初は仮題「天国の森で君を想う」だったが、主題歌である「恋愛写真」の歌詞をヒントに「ただ、君を愛してる」という題名となった。
監督: 新城 毅彦 出演: 玉木宏(瀬川誠人)、宮崎あおい(里中静流)、黒木メイサ(富山みゆき)、小出恵介(関口恭平)、上原美佐(井上早樹)、青木崇高(白浜亮)、大西麻恵(矢口由香)ほか
映画「ただ、君を愛してる」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ただ、君を愛してる」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
「ただ、君を愛してる」の予告編 動画
映画「ただ、君を愛してる」解説
この解説記事には映画「ただ、君を愛してる」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
「ただ、君を愛してる」のネタバレあらすじ:起
静流(宮崎あおい)が横断歩道を渡ろうとしているのを見て、誠人(玉木宏)は声をかける。それが2人のストーリーの始まりでした。誠人と静流はともに大学の新入生で、信号のない横断歩道を渡ろうとする静流でしたが、そこは交通量の多い道路でした。誠人は別の場所にある、信号機のついた横断歩道を使うことを勧めますが、静流はそれでも「親切な人がいるかどうか確かめてみたい」と、手を挙げてその横断歩道を渡ろうとするのでした。誠人はそんな静流に唖然としながら、思わずその姿を写真におさめていました。
誠人は昔から腹部に皮膚の病気を抱えており、日ごろから塗り薬を塗っていたため「自分は薬臭い」というコンプレックスがありました。そのため人ごみや人に近づかれると気になってしまい、普段から人との交わりを拒み、ひとりで学生生活を送っていました。
誠人が学食でご飯を食べていると「ここ、空いてますか?」と声をかけられ、見るとそこに静流が立っていました。誠人はビスケットしか食べない静流を不思議に思いながら、やはり横断歩道を渡ることができなかったという静流に、誠人は「簡単に渡れるよ」と、早朝の横断歩道に連れて行きます。その後、立ち入り禁止と書かれた道の奥に、幻想的な森や池を見つけ、誠人はそこで写真を撮り、静流との距離を縮めていくのでした。
「ただ、君を愛してる」のネタバレあらすじ:承
誠人には思いを寄せる人がいました。それは同学年で同じ授業を受けている富山みゆき(黒木メイサ)で、学校に馴染めない誠人とは対照的に、みゆきはクラスの友だちといつも一緒にいました。みゆきはいつも一人で昼食をとっている誠人に「一緒にどう?」と声をかけて、仲間達の中に入れてくれます。気の良い仲間たちと打ち解けることができるようになっていく誠人ですが、静流はそんな誠人を寂しそうに見つめているのでした。
あるとき、仲間達が誠人と静流が一緒にいるところを目撃したことで、誠人が静流と付き合っているのでは?と勘繰られてしまいます。しかし静流はクラスでも変わっている生徒として噂になっており、たまたまその場に居合わせた静流は変人女扱いをされて、その場から走り去ってしまいます。追いかけてくる誠人に静流は「変人女扱いをされたことよりも、それをかばってくれなかったことが悲しい」と話すのでした。誠人は旅行先で買ってきた彼女の好きなビスケットを渡します。
そして自分の趣味である写真に興味を持っていた静流と一緒に写真を撮影し、自宅に招いて現像作業まで教えるのでした。静流はみゆきに直接会いに行き、身に着けていたアクセサリーに興味を惹かれたことで、仲良くなってしまいます。それを見て怪訝な顔をする誠人ですが、そんな誠人に静流は「好きな人が好きな人を好きになりたかっただけ」と告げるのでした。
「ただ、君を愛してる」のネタバレあらすじ:転
そんな微妙な三角関係が続いていたある日、誠人は静流が家出をして学校に泊まろうとしていたところを目撃します。家出をして来たと言う彼女の様子を見て、誠人が「うちに泊まれば?」と声をかけ、友人同士としての同棲生活が始まるのでした。誠人とみゆきの関係を壊したくないと、初めは遠慮をしていた静流でしたが、同棲生活を通じて次第に距離が近づいていくのを感じていました。
あるとき写真コンクールに作品を送ろうという話になり、テーマを探す二人。静流は誠人に誕生日プレゼントをねだり、それは「私とキスして」という願いでした。その姿を写真におさめ、コンクールに送りたいと言う静流に誠人は、写真のためならと承諾するのでした。二人は一緒に写真を撮りに行った立ち入り禁止の森へと行き、初めてのキスをします。誠人はそれが始まりのキスであると感じていましたが、静流はそれを「生涯でただ一度のキス、ただ一度の恋」だと知っていたのでした。
写真撮影が終わり二人は別々に別れ、家へと戻りますが、そこに静流の姿はありませんでした。「さよなら。今までありがとう」と書かれたメモを残し、静流は大学を辞め、誠人の前からも姿を消してしまうのでした。静流が居なくなり必死にその足取りを探す誠人ですが、どこを探しても見つけることはできません。そのうちに誠人は寝込んでしまい、仲間たちによって病院へと運ばれます。みゆきら大学の仲間たちにも探してもらったものの、静流の足取りをつかむことはできませんでした。
それから仲間も誠人もそれぞれ大学を卒業していき、誠人はカメラマンを目指して生活を送っていました。ある日、誠人のもとに一通の手紙が届きます。それは静流からのもので、その手紙には「ニューヨークで個展を開くことになりました」と書かれているのでした。
「ただ、君を愛してる」の結末
すぐさま誠人は静流に会いに、ニューヨークへと向かいます。しかし、そこへ迎えに来ていたのはみゆきでした。みゆきは半年ほど前に静流と再会し、一緒に住んでいると話します。そして静流に急な仕事が入ってしまったため、今回は会えなくなってしまったのだと誠人に告げるのでした。仕方なくニューヨークで写真を撮りながら、みゆきの家に戻った誠人は、静流の父からかかってきた留守番電話を聞いてしまいます。
留守番電話には静流がすでに亡くなっているという内容が吹き込まれており、誠人はみゆきに真相を問うのでした。静流は生まれつきの病気を持っており、成長することで病気も進行してしまう体であったと誠人は知らされます。そして自身の病気の存在を、誠人には打ち明けないで欲しいと頼まれていたのでした。たとえ嘘でも誠人の中で生き続けたいと願う静流は、入院中に誠人宛の手紙をたくさん書いていました。
静流の個展へと足を運んだ誠人は、そこに写るたくさんの人の笑顔とともに、大人になった静流の写真や、誠人とキスをしたあの頃の写真も展示されているのを見つけて涙を流します。誠人はみゆきに、静流が書いた残りの手紙も送ってほしいと頼み、アメリカから帰るのでした。ある朝、郵便受けを開けると、静流からアメリカでの近況を知らせる手紙が届いていました。誠人はそれを眺めながら、しばらく静流の嘘に付き合うことにするのでした。
以上、映画「ただ、君を愛してる」のあらすじと結末でした。
「ただ、君を愛してる」感想・レビュー
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「ただ、君を愛してる」は映像がとにかくキレイです。音楽も良いです。主演の玉木君がカッコイイし、宮崎あおいちゃんが、ひたすら愛らしい。悲恋なのに、心があったかくなる話です。恋のつらさと、残酷さ、でも、乗り越えたときに見つける、「愛」の素晴らしさが心を洗ってくれます。愛する人がそばにいることは、どれだけの奇跡なのか。愛する人が笑顔でいてくれるなら、たとえ自分を好きじゃなくてもかまわない。”好きなひとが、好きなひとを、好きになる” その愛に打たれた人が、たくさんの愛で引き合う。たとえ肉体が無くなってしまっても、魂は生きていて、いつも貴方の傍にいる。「ただ、君を愛してる」はスピリチュアルの根源を、見事に描ききった作品です。
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なんとなく恋愛映画って観ないでいたんですが今回初めて観てみようと思って選んだのがこの作品でした。大切と好きと愛しているとは似ていても全て違うのだと改めて教えてもらうようなお話でした。でもこの作品にはすべてが詰まっていると私は受け取りました。感受性を豊かにしてくれる美しさを観る人に与えてくれる。そんな作品を最初の恋愛映画として観れて良かった。
宮崎あおいさん演じる静流(しずる)は、凄くストレートで純粋で、とても好感がもてます。
写真を共通項にして、玉木宏さん演じる誠人(まこと)との距離がどんどん縮まっていくのですが…。恋愛に不器用な2人を見ていると、こちらまでもどかしくなります。笑
印象的なのは、最後に出てくる静流の全身写真。
めちゃくちゃ綺麗です。
全体を通じて、とても素敵な映画だと思います。
私もこんな大学生活を送りたかったなあ…。