ヘヴンズ ストーリーの紹介:2010年日本映画。復讐を誓う人間に憧れ続けた少女、事故により人を殺めてしまった警察官とその息子、未成年犯罪歴のある青年、殺人被害者遺族の男性、ヒステリックなギタリストなどの運命が複雑に絡み合う。21世紀の罪と罰をテーマに、『感染列島』や『64-ロクヨン-』などで知られる瀬々敬久監督が人間の復讐と人生について描いた作品。撮影期間1年、上映時間4時間38分という超大作で、映画芸術2010年日本映画ベストテンでは第1位と高く評価された。
監督:瀬々敬久 出演:寉岡萌希(サト)、長谷川朝晴(トモキ)、忍成修吾(ミツオ)、村上淳(カイジマ)、山崎ハコ(響子)、菜葉菜(タエ)、栗原堅一(ハルキ)、江口のりこ(カナ)、大島葉子(直子)、吹越満(サトの父)、片岡礼子(サトの母)、嶋田久作(弁護士)、菅田俊(鈴木)、光石研(シオヤ)、津田寛治(黒田)、根岸季衣(チホ)、渡辺真起子(美奈)、長澤奈央(女医)、本多叶奈(サト / 8歳)、佐藤浩市(波田)、柄本明(ソウイチ)、ほか
映画「ヘヴンズストーリー」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ヘヴンズストーリー」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ヘヴンズストーリーの予告編 動画
映画「ヘヴンズストーリー」解説
この解説記事には映画「ヘヴンズストーリー」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ヘヴンズストーリーのネタバレあらすじ:起
両親と姉を殺害された被害者遺児の少女・サトは、祖父に引き取られ島へ引越すことになります。家族を殺した犯人は自殺しているので、サトは心に一生癒えることのない傷を負った気分でした。引越しの道中で見たテレビで、同じく家族を殺された知己が「犯人は殺します」と言っているのを見て、復讐を果たそうとする姿に憧れを抱くようになります。
サトが島で出会った少年・ハルキは、彼女と同じく引越してきた過去がありました。二人は自然と話すようになり、セミの抜け殻を集めたり自転車の貸し借りをするような仲になります。そのハルキの父親である海島は、ある理由から警察官の本業に加え、アルバイトをしていました。
一方、人形作家の独身女性・恭子は、友己が会見をした事件の加害者に興味を持つようになります。どうにか彼とコンタクトをとりたい、そう願ううちに彼女は若年性アルツハイマーとの診断を受けます。
ヘヴンズストーリーのネタバレあらすじ:承
サトが島で暮らすようになって数年、憧れ続けていた知己が同じ島に引越してきました。あまりの嬉しさからストーカー行為に走るサトですが、それにより、知己には妻と子供がいることを知ります。またかつて会見で犯人への復讐を誓った面影がなくなったことに落胆し、復讐心を取り戻させようと知己に近づきます。
海島には誤発砲により犯人を殺めてしまった過去がありました。その犯人家族に今でも仕送りを続けている為に金銭的余裕が無いのです。海島は少しでも金を作ろうと、息子のハルキにはアルバイトだと偽って復讐代行業を営んでいました。警察官としてのノウハウを活かし、金と引き換えに殺人を犯していきます。そんなことを知る由もないハルキには、年齢を重ねるにつれ島を出たいという感情が芽生えます。考えた結果、金欲しさから非行に走るようになりました。
恭子は願い叶って、ミツオと手紙のやり取りをするようになります。ついには面会も果たしますが、病は容赦なく彼女を蝕んでいきます。
ヘヴンズストーリーのネタバレあらすじ:転
サトは知己に何度も語りかけ、復讐をするように訴えます。自分の家族を守ることを重視していましたが、ある日、おもちゃ屋で一人の青年を見かけます。それはかつて、自分の元妻と娘を殺害し復讐を誓った犯人のミツオでした。知己は思わず犯人を捕まえますが、「忙しくて謝りに行けなかった」という一言に激高し復讐心が再び芽生えます。その頃ミツオはアルツハイマーが進行した恭子の介護をしながら働いていたので、他人のことを気に掛ける余裕もなかったのです。
相変わらず本業と復讐代行業で家を空けがちな海島ですが、クリスマスの日に語り合ったことでハルキは落ち着きます。非行は辞め、家で大人しくするようになりますが、ある日妊娠中の女性が家に入り込みます。金目当ての女は、海島が仕送りを続ける犯人家族の娘・カナでした。出産費用をせびろうと押し入った彼女は、ひょんなことから拳銃を見つけます。
ヘヴンズストーリーの結末
カナは拳銃を片手に近所を徘徊します。そこで目を付けた車を探りますが、その車の持ち主であるミツオに発見され拳銃を奪われます。カナはショックで産気づき、病院に搬送されました。
ミツオは恭子の生まれた地に行き、そこで暮らすことを決意します。復讐に燃える知己とサトは2人の居場所を突き止め、植物状態の恭子にビニール袋を被せます。恭子にはサトが付き添い、知己はミツオを本能のままに追い回します。2人が殺し合いを始めた頃、サトは恭子が息をしていないことに気が付き叫びます。ミツオは恭子を失ったことで知己への復讐心を宿すのです。
再び追いかけ合いになり、ミツオはカナから奪った拳銃を発砲します。知己も負けじとナイフで応戦し、お互いが復讐を果たして死を迎えました。残されたサトは知己の亡骸にいつまでもすがっていました。
カナは無事出産し、島に戻ります。奇しくも同じころ、知己の後妻であったタエとその娘も島に戻ることになります。
以上、映画「ヘヴンズ ストーリー」のあらすじと結末でした。
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