蜩ノ記(ひぐらしのき)の紹介:2013年日本映画。葉室麟の同名小説の映画化作品です。江戸時代、ある事件で10年後の切腹と家譜の編纂を命じられた男が、若い侍との出会いを機に事件の真相に迫る時代劇です。
監督:小泉堯史 出演者:役所広司(戸田秋谷)、岡田准一(壇野庄三郎)、堀北真希(戸田薫)、原田美枝子(戸田織江)、寺島しのぶ(松吟院)ほか
映画「蜩ノ記(ひぐらしのき)」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「蜩ノ記(ひぐらしのき)」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
蜩ノ記の予告編 動画
映画「蜩ノ記(ひぐらしのき)」解説
この解説記事には映画「蜩ノ記(ひぐらしのき)」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
蜩ノ記のネタバレあらすじ:起
豊後羽根藩。藩士の壇野庄三郎(岡田准一)は城内で友人の水上信吾(青木崇高)と些細ないざこざから刃傷沙汰に及び、切腹こそ免れたものの、家老・中根兵右衛門(串田和美)の命で向村に幽閉されている元郡奉行の戸田秋谷(役所広司)の監視を命じられます。秋谷は7年前、江戸において先代藩主の側室と不義密通を犯したとされ、10年後の切腹と共に家譜の編纂を命じられており、切腹まであと3年でした。しかし、庄三郎が見たものは、のどかで自然豊かな村で素朴な人々から慕われる、清廉で真摯な秋谷と、健気に生きる秋谷の妻・織江(原田美枝子)、娘の薫(堀北真希)、息子・郁太郎(吉田晴登)の姿でした。
蜩ノ記のネタバレあらすじ:承
身体の弱い織江は薫の支えを受けながら村の人々に内職を教え、郁太郎は父のような立派な侍を目指していました。庄三郎は次第に秋谷の人柄に惹かれていきます。秋谷は村の農民とも身分の違いを超えて分け隔てなく接し、郁太郎は百姓の息子・源吉(中野澪)と友情を育んでいました。庄三郎は秋谷の事件に疑問を抱き、彼を何としてでも切腹から救おうと調査に乗り出します。実は秋谷は不義密通など起こしてはおらず、家老・中根も絡んだお家騒動に巻き込まれていたのです。
蜩ノ記のネタバレあらすじ:転
小役人だった中根は、高利貸しの播磨屋吉左衛門(石丸謙二郎)とつるんで家老の地位まで上り詰め、その見返りとして播磨屋の娘を福岡藩の武家の娘・お美代の方(川上麻衣子)に仕立てて先代藩主の側室に据えていたのです。この事に気付いた先代藩主はの殿様は寵愛していた側室・お由の方(寺島しのぶ)の子を世継ぎにしようとしていましたが、お家騒動が起きてお由の方の子は暗殺され、彼女も命を狙われますが、その危機を救ったのがお由の方の幼馴染であった秋谷だったのです。先代藩主は秋谷に家譜の編纂を命じて死んでいきましたが、家譜の中に自らの悪行の証拠が記されることを恐れた中根は、家譜の編纂を阻止し、事件の真相を知る秋谷を監視亡き者にするため庄三郎を送り込んだのでした。
蜩ノ記の結末
事件の真相発覚を恐れた中根は、秋谷が百姓とつるんで一揆を企てているなどと言い掛かりをつけ、その結果源吉は捕らえられ、拷問を受けて死んでしまいます。復讐に燃える郁太郎は庄三郎と共に中根の屋敷に向かい、一泡吹かせるも捕らえられてしまいます。この事を知った秋谷は単身中根の屋敷に乗り込み、お美代の方の家系図を渡すという条件で二人を開放させますが、実は家系図の複製は中根の手の届かない所に隠していました。しかし、秋谷は自らの助命を求めず、命と引き換えに村民たちの一揆を押さえようとします。そして、庄三郎と薫の祝言を見届けると、秋谷は織江に「良き夫婦だった」と言い残して、切腹の場へ向かいました。庄三郎はいつの日か中根を超えるため、義弟となった郁太郎への協力を誓いました。
以上、映画「蜩ノ記」のあらすじと結末でした。
この映画の感想を投稿する