光の紹介:2017年日本映画。2015年公開の映画『あん』の監督・河瀨直美と主演・永瀬正敏が再びタッグを組んだヒューマンドラマです。目の病により失明寸前の天才カメラマンと、視覚障がい者向けの映画用音声ガイドの原稿を手掛ける若き女性との出会い、そして出会いを機に何かが変わっていく女性の心境を描きます。
監督:河瀨直美 出演者:永瀬正敏(中森雅哉)、水崎綾女(尾崎美佐子)、神野三鈴(智子)、小市慢太郎(明俊)、白川和子(美佐子の母)、藤竜也(北林監督)、樹木希林(音声ガイダンスの声)ほか
映画「光(河瀬直美監督)」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「光(河瀬直美監督)」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
光の予告編 動画
映画「光(河瀬直美監督)」解説
この解説記事には映画「光(河瀬直美監督)」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
光のネタバレあらすじ:起
視覚障がい者が映画を楽しめるようにするための音声ガイダンスを手掛ける会社で原稿を担当する尾崎美佐子(水崎綾女)は、大ベテランの映画監督・北林(藤竜也)が手掛けた新作映画に音声ガイダンスをつける作業をしていました。試写会には美佐子の上司であり映画にも女優として出演している智子(神野三鈴)の夫で自らも視覚障がい者である明俊(小市慢太郎)を始め数名の視覚障がい者がモニターとして参加、誰もが皆優しい感想を寄せるなか、一人だけ美佐子の原稿に「情報が多過ぎる、主観が入り過ぎている」とダメ出しした男がいました。男の名は中森雅哉(永瀬正敏)、一流の天才カメラマンとして活動しながらも、目の病から弱視を患っており、いずれ視力を失っていくという過酷な運命を背負っていました。
光のネタバレあらすじ:承
雅哉の無愛想な態度に苛立った美佐子は、智子からダメ出ししてくれるのは貴重なことだとたしなめられます。雅哉もまた視力を失うことを受け入れられず、自暴自棄な毎日を過ごしていました。そんな美佐子も、雅哉の家に拡大読書器を届けに行き、写真集を見せてもらったり食事をごちそうになったりしているうちに、亡き父と一緒に撮った夕陽の写真と雅哉の写真集の中の夕陽が似ていることに気が付きました。美佐子は映画に“重三”という役名で出演もしている北林監督と打ち合わせをしましたが、監督は自分の意図せぬ主観をガイダンスに入れたがる美佐子に呆れた様子でした。2回目の試写会、ダメ出しをくらったラスト部分のガイダンスを削除した美佐子は「皆さんの想像力に委ねます」と発言、「逃げるのか」と問う雅哉と口論となってしまいました。
光のネタバレあらすじ:転
雅哉は半年ぶりに、カメラマン仲間の山田(大西信満)らと居酒屋で飲んでいました。山田は専ら女優のグラビア写真を撮る仕事をメインにしており、すっかり目の弱った雅哉に対して内容を説明しました。酔い潰れた雅哉は帰ろうとした時に転倒してしまい、その際に持っていた、命よりも大切なカメラを山田に持ち去られてしまいました。美佐子は偶然にも山田からカメラを取り戻したばかりの雅哉と遭遇、雅哉の苦悩と葛藤を知った美佐子は雅哉との距離を縮めていきました。美佐子は雅哉に写真集の中の夕陽の写真を撮った場所へ連れて行ってもらい、雅哉は大事なカメラを投げ捨てました。美佐子はそんな雅哉にキスをしました。
光の結末
ある日、実家で一人暮らしをしている美佐子の母(白川和子)のかねてから患っていた認知症が悪化、美佐子の母は忽然と姿を消してしまいます。やがて美佐子の母は、かつて夫や美佐子と共に夕陽の写真を撮った場所で発見、保護されました。やがて映画のガイダンスも完成、樹木希林(本人)の声で上映される運びとなりました。映画の内容は、北林監督が演じる“重三”と認知症を患った妻の夫婦愛を描いた作品で、映画のラストは人生に疲れ切った様子の重三夫婦が海辺で“光”を見るというものでした。ラストのガイダンスは「佇む重三の視線の先には一筋の光が見える」との文言で締めくくられました。
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