星の子の紹介:2020年日本映画。「むらさきのスカートの女」で芥川賞を受賞した作家・今村夏子の同名小説を「MOTHER マザー」「日日是好日」などの大森立嗣監督が映画化したヒューマンドラマです。主演に芦田愛菜を迎え、病弱な我が子を救いたいあまり新興宗教に入信した一家の顛末を娘の視点から描きます。
監督:大森立嗣 出演者:芦田愛菜(林ちひろ)、永瀬正敏(ちひろの父)、原田知世(ちひろの母)、岡田将生(南先生)、大友康平(雄三おじさん)、高良健吾(海路さん)、黒木華(昇子さん)、蒔田彩珠(まーちゃん)、新音(なべちゃん)、田村飛呂人(新村くん)、池内万作(落合さん)、大谷麻衣(麻美先生)ほか
映画「星の子」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「星の子」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
星の子の予告編 動画
映画「星の子」解説
この解説記事には映画「星の子」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
星の子のネタバレあらすじ:起
15年前。林ちひろは未熟児として生を受けました。父(永瀬正敏)と母(原田知世)は病弱なちひろのためにあらゆる療法を尽くしましたが、何一つ効果はありませんでした。そんなある時、一家は知人の落合さん(池内万作)から不思議な生命力が宿っているとの触れ込みの水「金星のめぐみ」を勧められ、藁にもすがる思いで水を使ってみました。するとちひろの病状はみるみるうちに回復していき、それをきっかけにちひろの一家は「金星のめぐみ」を売る怪しげな新興宗教団体「ひかりの星」に入信しました。一家は水を沁み込ませたタオルを頭に乗せて暮らすのが日課になっていきました。
そして現在。成長したちひろ(芦田愛菜)は高校受験を控えた中学3年生になっていました。未だに教団に心酔している両親は「金星のめぐみ」はおろか「ひかりの星」のグッズを山のように買い揃えていました。ちひろの5歳上の姉・まーちゃん(蒔田彩珠)は常にちひろのことを可愛がっていましたが、一家でもまーちゃんだけは両親と「ひかりの星」の異常さに気付いていました。
ちひろは小学校時代からの親友・なべちゃん(新音)、なべちゃんに恋をする新村くん(田村飛呂人)と仲良くしていました。絵を描くのが大好きなちひろは若い数学教師の南先生(岡田将生)にほのかな憧れを抱いており、南先生の似顔絵を描くのが日課になっていました。しかし、ちひろは自分が高校を受験すれば南先生と離れ離れになってしまうことに気付いていました。
星の子のネタバレあらすじ:承
ちひろは卒業式の際に、南先生に似顔絵をプレゼントしようと思いつきました。なべちゃんはそんなちひろに、南先生は自身が顧問を務めるテニス部の生徒に手を出しているとの噂があることを伝えました。
帰宅したちひろは、数年前に家出したまま戻ってこないまーちゃんとの思い出に浸っていました。ちひろ(幼少期:粟野咲莉)がまだ小学5年生だった頃、まーちゃんはこの頃から度々両親と衝突し、家出を繰り返していました。ちひろの家ではコーヒーを飲むことは禁じられていたのですが、まーちゃんはこっそりとちひとにコーヒーを飲ませてくれました。その際、ちひろはまーちゃんに交際相手がいることを知りました。翌朝、まーちゃんは「もう帰りません、バイバイ」との書き置きを残して家を去り、二度と戻って来ることはありませんでした…。
…ちひろが南先生に恋をしていることを知った父は、南先生に会いたいと言い出しました。しかし、ちひろは常に頭に「金星のめぐみ」を浸したタオルを乗せ、常に同じジャージを着ている両親と南先生を会わせることにためらいを感じていました。
ちひろは同じ「ひかりの星」に入信している同級生の春ちゃん(赤澤巴菜乃)から、「ひかりの星」の幹部である海路さん(高良健吾)と昇子さん(黒木華)にはきな臭い噂が絶えないとの話を聞きました。噂によると海路さんは勧誘したい人を自宅マンションに監禁して強制的に入信させており、昇子さんは催眠術で信者を洗脳しているとのことです。二人とも噂を払拭するのに必死だということでした。
星の子のネタバレあらすじ:転
ちひろの両親は叔父(ちひろの母の兄)の雄一おじさん(大友康平)にも「金星のめぐみ」を勧めていました。ちひろが小学生の頃、雄一おじさんとまーちゃんは両親の洗脳を解こうと思い立ち、「金星のめぐみ」の中身を公園の水とすり替えておきました。両親は公園の水とも知らずに愛飲していたのですが、ネタ晴らしをされると激怒し、結局洗脳を解くには至りませんでした…。
冬のある日、ちひろは新村くんと共に卒業文集の制作委員を務めるなべちゃんを手伝っていました。作業は放課後まで続き、ちひろたちは南先生に車で自宅まで送ってもらうことになりました。なべちゃんと新村くんが気を利かせ、助手席に座ったちひろは夢のようなひと時を過ごしていましたが、たまたまちひろの自宅近くの公園に通りかかった南先生は、そこで頭にタオルを乗せたまま水を掛け合うジャージ姿のちひろの両親の姿を目撃しました。南先生は「不審者がいる。完全に狂ってるな」と言い放ち、その言葉に強いショックを受けたちひろはたまらずその場から逃げるように去っていきました。
ちひろは両親と食卓を囲みましたが、ショックのあまり食欲も失われていました。心配した両親はちひろの頭にタオルを乗せようとしましたが、ちひろは思わず「助けて」と言い放つとタオルをはねのけました。
両親を「ひかりの星」に勧誘した落合さんには息子のひろゆきがいます。ひろゆきは病気なのか言葉を発することができず、自宅に引き籠っているのですが、実はひろゆきは普通に言葉を話すことができ、ちひろと普通に会話を交わしました。ひろゆきは「ひかりの星」の集会に出たくないあまり喋れないフリをしているだけでしたが、ちひろはその事実を両親に打ち明けられずにいました。
星の子の結末
南先生がちひろを車に乗せたことは学校中に良からぬ噂として広まっていました。翌日、ちひろは南先生に公園にいた不審人物が自分の両親であることを打ち明けましたが、すぐに否定しました。
ちひろの両親は雄一おじさんら親戚とは距離を置いており、「ひかりの星」に疑念を抱く雄一おじさんはちひろを心配して高校に進学したらうちから通わないかと持ちかけました。他の親戚たちもちひろに両親と距離を置くべきだと進言しましたが、ちひろは厚意を感じながらも「私は今のままでいい」と断りました。
ちひろの担任が体調不良になったことから、南先生が代わりにホームルームの時間を受け持つことになりました。南先生はちひろとの噂に加えて、言うことを聞いてくれない生徒たちに対しても明らかに苛立っていました。南先生は苛立ちをちひろにぶつけてしまい、ちひろに似顔絵を描くなと強い口調で迫ると、ちひろが持ち歩いている「金星のめぐみ」も胡散臭いと切り捨てました。なべちゃんと新村くんは泣き出したちひろを慰め、公園の不審者がちひろの両親だと知っても友情は変わりませんでした。
「ひかりの星」の集会の日、ちひろは両親にひろゆきが喋れることを打ち明けました。両親もどうやらそのことに気付いていたようでしたが、うつむいたまま何も語りませんでした。
ある日、ちひろは両親と共に「ひかりの星」の合宿に参加することになりました。ちひろは年の近い子供たちと行動を共にし、別行動となった両親とはすれ違いが生じていました。その日の夜、ちひろは遅い時間にようやく両親と合流し、三人で散歩をすることにしました。ちひろは両親からまーちゃんが子供を出産したことを知らされ、嬉しさのあまり涙を流しました。そしてちひろと両親は三人揃って流れ星を見るべく、いつまでも夜空を見上げ続けていました。
以上、映画「星の子」のあらすじと結末でした。
「星の子」感想・レビュー
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ありがとうございました。
娘が映画を見ていて、芦田愛菜さんの教師から責められてるシーンしか(そこから最後迄の笑)見てないんですけれど、その他シーンの芦田愛菜さんの演技(仕事)が頭に残り、何を題材とした映画なんだろう?と思い気になっていたのですが、観る時間取れず評判とされている芦田愛菜さんの演技力が沿っているものか知りたかったのですが、ネタバレ解説のお陰様で想像出来ました。だからナニ?ってのも有るでしょうが笑
ありがとうございましたm(_ _)m。。。。を。
このご時世特に宗教と聞くだけで悪い物というのに結びつけがちだけど、この映画を観て改めて考えてみると、この信者達はきっと幸せなんだなと。献金や水の購入などかなりのお金つぎ込んでると思われるがその本人達はとても幸せそうだった。心はきっと信仰する事でみたされてるのだろうなと。宗教自体今までもこれからも自分は縁のない事かもしれないけどこの映画を観たら今まで否定に近い思いをしていた宗教の信者に対しては気持ちが少し変わった。あくまでも二世側し視点をあてた作品だったろうけど、信者の人達の思いや人なりを感じられた作品だった。主人公ちひろが南先生にキツく拒絶されたシーンの芦田愛菜さんの演技が素晴らしくて泣けた。