この世界の(さらにいくつもの)片隅にの紹介:2019年日本映画。2016年に公開された「この世界の片隅に」。この作品のヒットを受けて、当初資金繰りが理由でカットせざるを得なかった遊郭のリンとすずのエピソードなど、40分程のシーンを追加して、本当に描きたかった本作が完全版と言えます。2時間48分に渡る本編により、さらに話に濃厚さが出て、まるで違う作品のような体験ができる仕上がりになっています。
監督:片渕須直 声優:のん(北條(浦野)すず)、細谷佳正(北條周作)、稲葉菜月(黒村晴美)、尾身美詞(黒村径子)、小野大輔(水原哲)、潘めぐみ(浦野すみ)、岩井七世(白木リン)、花澤香菜(テル)、ほか
映画「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」の予告編 動画
映画「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」解説
この解説記事には映画「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」のネタバレあらすじ:起
昭和8年、広島に住む浦野すず(のん)は、明るく素直で少しドジな所もある女の子でした。彼女は絵を描くのが上手く、いじめっこの水原の代わりに描いた絵がコンクールに受賞してしまうこともありました。
そんなすずも18歳になり、広島は呉にある北條家に嫁ぐことになりました。初めは何も分からずに夫 周作(細谷佳正)の姉、小姑の径子(尾身美詞)にいびられながらも、持ち前の明るさで乗り越えていきます。
ある日、貴重な砂糖を水かめに水没させてしまったことで、闇市へ砂糖を買いに向かったすずは、遊郭が立ち並ぶ少し危険な場所に迷いこんでしまいます。そこで遊女であるリン(岩井七世)に助けられたすずは、リンと意気投合し仲良くなります。
ある日、妊娠したかもしれないと喜んで向かった病院で、ただの栄養不足と診断されたすずは落ち込み、リンに会いに行きます。そこでリンから、良いお客さんからもらい大切にしてるという名前と住所の書かれたメモを見せてもらいます。そのメモがやがて火種の元となりました。
「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」のネタバレあらすじ:承
周作はすずよりも先に遊郭でリンと出会っており、入れ込んだ末に身請けすると言い出し、周りから大反対を食らったため諦めた後に、すずと結婚するに至った…。メモはその当時のものだったとすずが知ることになります。動揺したすずは子供が出来ないという辛さも相まって、周作の誘いも拒否してしまいました。
そんな中、戦争に出征していた幼なじみの水原(小野大輔)が、北條家のすずを訪ねてきました。周作は、普段自分に見せる事のない表情を水原に見せるすずに複雑な思いでいましたが、リンの一件もあり何も言うことが出来ず、納屋で眠る水原の元にすずを使いに出し、そのまま母屋の鍵を閉めてしまいます。
水原はすずに本当の気持ちを伝えますが、すずの周作を思う気持ちを知り、何もせず朝を迎え、早朝に出ていきます。
「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」のネタバレあらすじ:転
覚悟を決めたすずはリンに会いに行きますが、門前払いされて困っている所に同じ遊女のテル(花澤香菜)に出会います。テルは風邪をひいたと言い病床に伏せていました。南の島に憧れると話すテルのために、すずは南の島の絵を描いて励ますのでした。
後日、家族で花見に出掛けたすずは偶然リンに出会います。周作がリンに会ったらどうしようと心配します。リンはすずに、テルがその後亡くなってしまった事を伝え、テルから渡されていた遺品である紅を、すずに渡します。戻っていくリンの前に周作が現れますが、二人は会釈だけしてそのまま離れていきました。
空襲も日に日に激しくなっている中、怪我をした義父のお見舞いのため、径子の娘である晴美を連れて出たすずは、途中で空襲に遭ってしまいます。どうにか難を逃れ安心していると、近くにあった不発弾が爆発。
それによって晴美は死に、すずの右手も失われてしまいます。径子からは人殺しと責められ、すずも左手側に晴美の手を繋いでいれば、晴美は死ななかったと自らを責めます。
「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」の結末
戦況はさらに悪化の一途をたどります。すず達北條家にも危険が迫り、それでもなんとか暮らしていたその頃、広島に原爆が落とされました。そして8月15日戦争が終わりを迎えます。
終戦により軍で働く事のなくなった周作達が家に帰ってきます。怪我をしていたすずがようやく草津にいる妹のすみを見舞うことができました。原爆が落ちたあの日から母は行方知れず、父は病死していまい、すみは放射能の影響で苦しんでいたのです。すずは懸命にすみを励ましました。
その帰り、まだ戦争のダメージの残る広島の町で周作と待ち合わせしたすずは、この世界の片隅にいた自分を見つけてくれた周作に感謝の言葉を告げました。
町のベンチに座り、周作とおにぎりを食べていると、ヨーコという小さな女の子がすり寄ってきます。戦争で母を亡くし一人きりのヨーコに、すずはおにぎりをやると、「家に帰ろう」と声をかけます。子供のいないすず達に新しい家族が加わり、一緒に家路につくのでした。
以上、映画「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」のあらすじと結末でした。
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