ISOLA 多重人格少女の紹介:2000年日本映画。阪神淡路大震災のボランティアに参加した由香里は、心理カウンセラーの浩子から、13人の人格を持った千尋を紹介されます。千尋は狂暴な人格も出てくることがあり、それが13人目の磯良に関していると思い調べ始めます。阪神淡路大震災後の神戸を舞台に、多重人格症の女子高生の恐怖を描いたホラー作品です。「ISOLA」のタイトルでホラー小説大賞を受賞した作品の映画化です。
監督:水谷俊之 出演者:木村佳乃(加茂由香里)、黒澤優(森谷千尋)、手塚理美(野村浩子)、石黒賢(真部和彦)、 渡辺真起子(高野弥生)、寺島進(前園勝美)、室田日出男(老人)ほか
映画「ISOLA 多重人格少女」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ISOLA 多重人格少女」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「ISOLA 多重人格少女」解説
この解説記事には映画「ISOLA 多重人格少女」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ISOLA 多重人格少女のネタバレあらすじ:起
阪神淡路大震災が発生し、由香里は被災地のボランティアに向います。雨の中、犬に追いかけられる女子高生を見つけます。後を追っていくと、犬が傘で刺されて殺されています。女子高生は見つからず、由香里は被災者センターにつきます。中には被災者たちがたくさんいて、スタッフやボランティアが対応に追われています。
由香里には、人の心が声として聞こえる特殊な能力があります。センターに入るや否や、皆の声があちこちから聞こえます。一人の老人が、スタッフの持ってきたお茶を叩き落として暴れ出します。由香里は老人の心の声を聞き話をすると、老人は納得しておとなしくなります。この様子を見ていた、心理カウンセラーの野村浩子が由香里に関心を持ちます。
浩子は仮眠していた由香里に、13枚の絵を見せます。「これは一人の多重人格症の女子高生が描いたものなの」と言います。翌朝、あの老人が自殺していました。被災者たちは、心の中で「由香里のせいだ」と言っている声が聞こえ、由香里は薬を飲み被災者センターから出て行きます。
自衛隊のバスで高校に向かう由香里は、乗り合わせた被災者や自衛隊員の心の言葉が聞こえ、慌てて薬を取り出そうとして落としてしまいます。横に座った男性が拾ってくれますが、男性は薬の名前を見て驚きます。
ISOLA 多重人格少女のネタバレあらすじ:承
学校に着くと、校庭であの女子高生を見かけます。「犬に追いかけられていたのはあなたよね」と聞きますが、女子高生は「違う」と言います。そこへ浩子がやってくると、「来てたの。この娘が絵を描いた千尋よ」と紹介します。
その夜、焚火の前にいた千尋を見つけた由香里が声をかけると、昼間とは別人の様相です。千尋は由香里に見せるようにリストカットをし始めます。由香里は千尋を抱え部屋に寝かせます。目覚めた千尋は自分の事を”ひとみちゃん”と名乗り「お父さんとお母さんは事故で死んだ」と言いながら、絵を描きはじめます。そこへ浩子もやってきて話しはじめます。千尋はすべての人格を紙に書きはじめます。13人目の”ISORA・磯良”という名を見た浩子は「雨月物語に出てくる名前よ」と教えます。
その後、由香里は千尋の名前を全て調べます。すると、一つ一つの名前に、千尋が起こしたことに関係していることがわかります。次に雨月物語を見た由香里は、磯良が夫を殺すシーンを見て不吉な予感を感じます。
しばらく授業に出ていなかった千尋に、担任の前園が注意します。しかし千尋が前園を馬鹿にしたことで、怒った前園が平手打ちを食らわして倒れ込んでしまいます。同級生たちは「先生呪われるぞ」と言って逃げ出します。その夜、焼き鳥を食べていた前園は、焼き鳥の串で自分の首を突き刺して自殺してしまいます。
ISOLA 多重人格少女のネタバレあらすじ:転
病院にいる千尋を、父親の竜郎が引き取りにやって来ます。由香里が話をすると、「お前、幽体離脱かなんかやっていた西宮大学の高野弥生の仲間だろう。娘を実験台にしやがって」と言って帰ります。
由香里が西宮大学に聞きに行くと「高野弥生は被害に遭った旧校舎で亡くなった」と言います。旧校舎に向かった由香里は、真部教授の部屋で”ISORA”と書かれたタンクを見つけます。その中に入れられた硫酸マグネシウムに浸かる高野弥生の幻影を見つけます。そこへ真部がやって来ます。あの自衛隊の車で薬を拾った男でした。真部は「ここは立ち入り禁止だ」と言って由香里を追い出します。
竜郎に会いに行った由香里は、竜郎の心を聞き取り、千尋を遺産目当てで引き取り、性的虐待を与えていることを知ります。このことを竜郎に問い詰めると、怒った達郎は由香里を暴行し始めます。そこへ真部が入って来て、由香里を助けます。
真部は、研究室で幽体離脱の実験を弥生を使ってやっていたことを話しはじめます。弥生が幽体離脱したとしか思えない状態になった時、阪神大震災が起こったのです。真部は弥生を残し、大学から逃げてしまいます。残された弥生は、そのまま死んでしまいます。話を聞いた由香里は、「幽体離脱した弥生が戻る体がなくなり千尋に宿ったのだ」と言います。
そのころ竜郎は千尋を殺そうと画策しています。すると、竜郎は見えない力で、ネクタイで首つり自殺したのです。弥生がすべての元凶だと分かった由香里は千尋に、この話をします。しかし千尋の人格が弥生になっていて由香里に暴言を吐いていなくなります。
ISOLA 多重人格少女の結末
由香里は、真部の研究所に行き「弥生は、自分に悪い事をしようとする相手を殺している、あなたの命も狙われている。ここを出た方がいい」と言います。夜、車に乗ろうとした真部を見えない弥生が襲いかかります。その時、1台の車が通りかかりライトで照らされると弥生が消えています。弥生が光に弱い事がわかった事から、真部と由香里は、照明のある場所で一夜を明かします。
翌朝、真部は「千尋に幽体離脱をさせない薬を与えたらいい」と言って、車から離れます。その時、千尋がやって来て、車を壊しはじめます。弥生は幽体離脱せず、千尋の体で襲ってきたのです。
いなくなった千尋を探す二人は研究室に戻ります。千尋はタンクの中にいました。真部が注射をし、「もう大丈夫だ」と言ったものの、目覚めた千尋がタンクの扉を閉めます。弥生が幽体離脱したのです。弥生は二人を襲います。由香里にシャープペンを持たせ、眼をついて自殺させようとします。
真部は弥生に「僕の体を君に捧げる」と叫びます。弥生が由香里から離れると、真部は自分自身に薬を注射します。そして真部は弥生を受け入れます。弥生が真部の体に宿ると、真部は窓へと向かいます。止める由香里でしたが、真部は弥生もろとも飛び降り自殺をしました。
回復した千尋は病院に中庭で犬と遊んでいます。そこへ浩子がやってくると、由香里に「千尋には新しい人格のショウコができているの」と話しました。
以上、映画「ISOLA 多重人格少女」のあらすじと結末でした。
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