いつまた、君と ~何日君再来(ホーリージュンザイライ)~の紹介:2017年日本映画。向井理が祖母・芦村朋子の手記を「ゲゲゲの女房」の脚本家・山本むつみと再びタッグを組んで映画化したヒューマンドラマです。戦後の混乱期、貧しくとも深い絆と愛で結ばれた夫婦の物語を、現代の妻と孫(向井理自身がモデル)による回想として描いています。
監督:深川栄洋 出演者(過去編):尾野真千子(芦村朋子)、向井理(芦村吾郎)、駿河太郎(高杉幹夫)、イッセー尾形(芦村忠)ほか 出演者(現代編):野際陽子(芦村朋子)、成田偉心(芦村理)、岸本加世子(芦村真美)
映画「いつまた、君と 何日君再来」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「いつまた、君と 何日君再来」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
いつまた、君と ~何日君再来~の予告編 動画
映画「いつまた、君と 何日君再来」解説
この解説記事には映画「いつまた、君と 何日君再来」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
いつまた、君と ~何日君再来~のネタバレあらすじ:起
大学生となり、母・真美(岸本加世子)の元を離れて一人暮らしを始めた芦村理(成田偉心)は、81歳になる祖母・朋子(野際陽子)からおつかいを頼まれました。しかし、理が家に戻ると、朋子は脳梗塞を発症して倒れ込んでしまっており、即入院することになりました。家の整理をしていた理は、パソコンの中に『何日君再来』と題された手記らしきものを見つけ、祖母の代わりにその手記をまとめることにしました。手記の中には、祖母が亡き祖父と共に歩んだ、戦前から戦後の混乱期にかけての二人の愛の軌跡が綴られていました…。
いつまた、君と ~何日君再来~のネタバレあらすじ:承
芦村朋子(尾野真千子)が吾郎(向井理)と出会ったのは太平洋戦争開戦前の1940年夏のことでした。中国・南京から一時帰国した吾郎と初めての喫茶店デートに臨んだ朋子は、店で当時中国で流行していた「何日君再来」の歌を聴いていました。吾郎に一目惚れしていた朋子は結婚を決意、吾郎に付き添って南京に渡りました。しかし、戦局が悪化するにつれ、青年会に属していた吾郎の活動も先細りし、吾郎は上海にいる知人の高杉幹夫(駿河太郎)を頼って石油会社での仕事を得ました。しかし、日本は程なく終戦を迎え、混乱の最中の1946年、吾郎と朋子は2人の子供を連れて日本に引き揚げ、愛媛で農業を営む朋子の父・忠(イッセー尾形)を頼りました。しかし、元から吾郎を快く思っていなかった忠は吾郎に冷たく当たり、吾郎も婿養子という立場や慣れない農作業に肩身の狭い思いを強いられていました。1年後、こつこつと貯めた金で車を買った吾郎ら一家は忠の元を離れて茨城県へ移住、小さな運送屋を始めましたが車の故障により廃業せざるを得ませんでした。その後も吾郎は職を転々とし、一家は貧しい暮らしを強いられていましたが、この頃に3人目の子・真美が産まれ、一家は幸せな時を過ごしていました。
いつまた、君と ~何日君再来~のネタバレあらすじ:転
かつての恩人から寒天を贈られたことをきっかけに、ところてん屋を始めた吾郎は何とか一家全員を養えるだけの金を稼げるようになっていましたが、やがて競合店が出始めたことから客足は鈍り始め、遂には廃業に追い込まれてしまいました。その後も中々定職にありつけなかった吾郎はついつい朋子に八つ当たりをして口論となり、その後仲直りの証としてその場で積んだ野ばらを朋子に差し出しました。朋子はその野ばらを押し花にして大切に持ち続けました。1952年、中国時代にお世話になった高杉の紹介で、吾郎は大阪のガソリンスタンドに職を得ました。やがてその働きぶりが認められた吾郎は完成間近の油槽所の所長に抜擢されましたが、折しも関西で猛威を振るった大型台風により油槽所は倒壊、吾郎はまたしても仕事を失ってしまいました。それでも吾郎はいつか朋子と一緒に行きたい場所などについて語り合い、それらの光景を一冊のスケッチブックに描いていきました。しかし、無理がたたった吾郎は突然体調を崩し、医師の診断の結果は重度の腫瘍でした。日に日に体調の悪化した吾郎は入院からわずか3ヶ月後に息を引き取りました。朋子は途方に暮れながらも我が子を守るために高杉に頼んで石油会社で働くことになり、まだ幼い真美にスケッチブックを託すと愛媛の実家へ預けました…。
いつまた、君と ~何日君再来~の結末
現代。理がとりまとめた母の手記「何日君再来」を読んだ真美は母の真意と苦悩、そして深い愛情を知り、入院中の朋子を見舞いに訪れました。二人は吾郎が遺したスケッチブックに愛おしそうに目を通し、すっかり色あせた野ばらの押し花に目をやりました。朋子は今でも40年前に亡くなった吾郎への想いは変わらず、初めて二人が出会った喫茶店での出来事に想いを馳せていました。
向井理発案で、向井さんの祖父母の人生を描いた作品です。戦後の苦労の人生を描いたとあって、重みのある作品を期待していましたが、思ったよりさらりと描かれていて見やすい作品です。苦労苦労の中にも明るく楽しさを見出して生きた家族の姿が温かかったと思います。個人的に、何日君再来の歌が好きなので、音楽の面でも楽しめました。