縄文号とパクール号の航海の紹介:2014年日本作品。グレートジャーニーで有名な冒険家、関野吉晴さんが挑戦した、新たな冒険のドキュメンタリー映画。島影と風だけを頼りに、インドネシアから日本への三年の旅の軌跡。
監督:水本博之 キャスト:関野吉晴、渡部純一郎、佐藤洋平ほか
映画「縄文号とパクール号の航海」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「縄文号とパクール号の航海」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
縄文号とパクール号の航海の予告編 動画
映画「縄文号とパクール号の航海」解説
この解説記事には映画「縄文号とパクール号の航海」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
縄文号とパクール号の航海のネタバレあらすじ:馬鹿げた事を通して見えて来る物もある
120kgの砂鉄、54mの大木、268日間の造船。コンパスも持たず、島影と風だけが頼り。風がないと時速2kmしか進まぬ船。インドネシアから日本まで3年を掛け、この縄文式の帆船で4700kmの航海をする。関野吉晴さんがグレートジャーニーを行い、数年が経って次に計画したのは海のグレートジャーニーだった。映画監督が「まだやってたの?」と言う位時間がかかったこの企画。とりあえず自分達で出来る事からする。そしてルールとして、基本的に自分達で作ったものしか使わないと言うルールで旅は進められて行く。
縄文号とパクール号の航海のネタバレあらすじ:冒険の始まりは何とも地味だ
木を切り倒すには斧が必要だ。さて斧は何で出来ているだろう?鉄だ。鉄を集めるにはまず砂鉄から、、、と言う訳でまずは海岸での砂鉄集めから映画が始まる。何とも地味なスタートだ。さてその斧を持ってインドネシアへ。大木を切り、それで船を作る。インドネシアに住む伝統航海術を持つ、マンダールの人達と日本人クルーが共に船の上で生活し、島影と星だけで旅をする旅が始まった。当初計画していた船。2年がかりの計画で船は進む予定だったが、あっという間に時間が過ぎて行く。それもそのはず、この船、そもそも進まない時がとてつもなく遅い。3分の1は停滞。そして漕ぐ。そして進む。進まない日は10km以下の距離しか進まない。歩いた方が早い。
縄文号とパクール号の航海のネタバレあらすじ:そして、日本にあの日が来る
4ヶ月間航海した後、半分しか進めず、海峡にさしかかる。初年度はここで台風のシーズンとかちあってしまった為断念。2年目。コロンからスタート。ここは戦争中に日本の軍艦が沢山沈んだ場所としても有名だ。そこから北へ。フィリピンの端から端までを走破。そして・・・2011年3月11日に乗っていたインドネシアのマンダール人の船長が海で行方不明になった。「新幹線に乗りたい」と言うのが日本に着いた時にやりたい事だった彼。その日は日本にとっても忘れられない日で、津波が来て、震災が発生した。「ここは河原じゃないんだよ」と言うほど津波で押し流された陸前高田市。関野さんは医者である。医者でボランティア活動を続けて行く内、とあるおじいさんに出会う。そのおじいさんが復興の為に土地を耕し芋をうえ、夜に焚き火を焚きながら言う。
「今まで気付かなかったことがあるんだ。夜ってこんなに星が綺麗だったんだなあって」
縄文号とパクール号の航海の結末:決して後退ではない
日本に到着した船。最後の台湾から石垣までは一気に進む。黒潮があるこの台湾~石垣の海峡は、油断すると流されてしまうが、日本の島影が見えたとき、本当に感動した。自然と、自分達の生活、そして目標、生きる事。そんな事を問いかけてくれる映画だった。見に行って良かった。予定の2年目が過ぎた時に、若いクルーに言った関野さんの言葉が良かった。2年かかって終わらないなあ・・・どうすればいいのかなあ、俺達、こんな事していて良いんだろうか」と言う言葉に対しての関野さんの言葉が良かった。「少しづつ進んでいるから、決して後退している訳じゃないからね…」待つって言う事は時間に命を与える事なのかもしれない、と思う。と同時にそう言った事を大きく言える大人が少ない現代だからこそ、見るべき映画のように思う。最後に糸井重里さんのこの映画に対する言葉。「関野さんは読書している様な目で冒険をやってくれる。今度の旅は、海と人間に聴診器をあてている様な顔だった」
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