K SEVEN STORIES Episode 2 「SIDE:BLUE ~天狼の如く~」の紹介:2018年日本映画。異能力者達の凄絶なバトルを描くテレビアニメ「K」シリーズの新作劇場版。6作連続公開される内、本作は第2作目となる。先代《青の王》羽張が先代《赤の王》迦具都の《王権暴発(ダモクレス・ダウン)》によって死亡してから十数年後。羽張のクランズマンだった善条は、新しく覚醒した《青の王》宗像から頼みごとをされる。それは青のクラン《セプター4》の新人隊員、楠原に稽古をつけることだった。
監督:鈴木信吾 声優:杉田智和(宗像礼司)、津田健次郎(善条剛毅)、土屋神葉(楠原剛)、神谷浩史(羽張迅)、前野智昭(塩津元)ほか
映画「K SEVEN STORIES Episode2「SIDE:BLUE 天狼の如く」」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「K SEVEN STORIES Episode2「SIDE:BLUE 天狼の如く」」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
K SEVEN STORIES Episode2「SIDE:BLUE 天狼の如く」の予告編 動画
映画「K SEVEN STORIES Episode2「SIDE:BLUE 天狼の如く」」解説
この解説記事には映画「K SEVEN STORIES Episode2「SIDE:BLUE 天狼の如く」」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
K SEVEN STORIES Episode 2 「SIDE:BLUE ~天狼の如く~」のネタバレあらすじ:惨劇の後
舞台は戦後史実と異なる歴史を歩んだ仮想日本。人間に異能力を与える神秘の遺物《ドレスデン石盤》によって、7人の《王権者》が選ばれていました。《青の王》羽張迅は、青のクラン《セプター4》を率いて緊急出動します。《赤の王》迦具都玄示と、赤のクラン《煉獄舎》が異能力を使って街に被害を出しているのです。羽張のクランズマンで「鬼の善条」の異名を取る善条剛毅は、繰り出される迦具都の攻撃を一刀両断しました。善条は羽張に絶対の信頼を寄せ、彼を護ることが自分の役割だと信じています。《セプター4》が向かう先には、後に王権暴発事例「迦具都事件」と呼ばれることになる惨劇が待ち構えていました。その様子を謎の少年が見つめています。――十数年後、2012年。対能力者組織《セプター4》は、屯所の道場で合同稽古を行っていました。《セプター4》は羽張の死以降解散状態にありましたが、新たに覚醒した《青の王》宗像礼司によって再建されました。隊員達が各々剣術を磨く中、鋭く檄を飛ばすのは《セプター4》の副長淡島世理です。彼女は道場内に座っている男性の前に正座しました。彼女が教えを請おうとしている人物こそ、「迦具都事件」を生き残った善条です。彼は事件の最中に王と左腕を失い、現在は前線を離れ庶務課資料室で隠遁生活を送っていました。そのため善条は指導する立場にないとお茶を濁そうとしますが、生真面目な性格の淡島には通用しません。困り果てた様子の善条に助け舟を出したのは、新人隊員楠原剛でした。彼は淡島に一本勝負を申し込みます。しかし相手は《セプター4》随一の戦闘力を持つ淡島。楠原はすぐにフェイントに引っ掛かり、呆気なく負けてしまうのでした。
K SEVEN STORIES Episode 2 「SIDE:BLUE ~天狼の如く~」のネタバレあらすじ:「鬼」を受け継ぐ者
楠原は同じ部隊で仲の良い日高暁らと一緒に風呂に向かいます。そこで最近急増している「ベータ・ケース」と呼ばれる異能力者絡みの事件について話しました。宗像は異能者事件に対応するため、選抜実戦部隊「特務隊」を新たに編成する考えを持っているそうです。各部隊の隊長クラスを揃え、より戦闘的な部隊を作り上げるのが目的でした。楠原が夜の道場へ向かうと、宗像と善条の話し声が聞こえます。宗像は何度も実戦部隊に入るよう誘っていましたが、善条は隠遁生活が気に入っていると言って断り続けていました。羽張と違い、心の底を見せない宗像に善条は拭いきれない不信感を抱いています。後日、ついに特務隊の選抜メンバーが発表されました。日高達が選ばれる中、楠原は庶務課資料室に配属されます。楠原は自身の実力から判断されたと考えましたが、夜の道場で会った宗像はそれを否定しました。宗像は善条に「私の《セプター4》に、鬼の血を残していただきたい」と言います。宗像は善条の技術、要素を受け継ぐ者として楠原を選びました。善条は戸惑いますが、結局楠原に剣術稽古をつけることを承諾します。
K SEVEN STORIES Episode 2 「SIDE:BLUE ~天狼の如く~」のネタバレあらすじ:才能の開花
それから楠原は、昼は善条と一緒に資料室で仕事をこなし、夜は道場で稽古をつけて貰う日々を送ります。善条は並外れた直感の持ち主なので、決まった剣術の型は無いそうです。そこで楠原は善条の一挙手一投足に注目し、その動作を自分の型に融合させてみることにしました。少しずつ剣の腕は上がっているものの、合同稽古では毎回淡島に勝てず連敗記録が続いています。それを知った宗像は、夜の道場に現れ楠原に条件を出しました。1週間後の合同稽古で淡島から一本取れなければ、《セプター4》を解雇すると言い出したのです。困惑する楠原に、善条はいつも通りの稽古をするよう言いました。そして大太刀の鞘を楠原の体に当て、型を少しずつ矯正していきます。ところが合同稽古前夜、善条は何故か楠原の足の甲を鞘で強く突きました。そのため楠原は足を引きずりながら一本勝負に臨むことになります。淡島と向き合った楠原は、いつものようにフェイントに引っ掛かりそうになりますが、足の痛みでバランスを崩し前のめりになりました。反射的に引いた淡島に対し、咄嗟に竹刀を突き上げた楠原。竹刀の先が淡島の胸に当たり、見事勝利を掴みます。無意識の反応。これこそが楠原の資質であり、才能でした。反応が鋭いためフェイントにも引っ掛かってしまうのです。そのために善条はわざと彼の足を負傷させたのでした。楠原は無事特務隊に配属されます。そして初出動の日、楠原は命を落としました。
K SEVEN STORIES Episode 2 「SIDE:BLUE ~天狼の如く~」のネタバレあらすじ:弔い合戦
善条は宗像の執務室で、彼の胸倉を掴み上げました。激しい怒りを見せる善条に対し、宗像は少しの動揺も見せません。室内には新しく特務隊に入った情報課の伏見猿比古がいて、怒り狂う善条を面白そうに見ています。宗像は楠原の死について説明し始めました。ベータ・ケースの対応に当たっていた際、取り押さえた異能力者が宗像に向けて発砲。それに真っ先に気付いた楠原が飛び出し、宗像の身代わりとなって死亡したのです。宗像はこの事件を機会に、《セプター4》の在り方を変えると宣言しました。受動的ではなく、能動的に異能力者事件を誘導している黒幕に迫ることにしたのです。伏見はあらゆる手段を使って情報収集にかかり、異能力者がアジトにしている雑居ビルを割り出しました。そしてついに《セプター4》が襲撃をかけます。異能力と剣術を駆使して進んでいく《セプター4》。その中にあって、異様な強さを見せるのは善条でした。大型のサーベルを抜刀することもなく、淡々と敵を薙ぎ払っていきます。奥の応接室から何者かが指示を出していることを突き止めた宗像は、善条に随伴を命じ2人だけで奥に進みます。しかし応接室に黒幕の姿はなく、ただ猫が1匹いるだけでした。猫の首輪には中継装置が取り付けてあり、黒幕はこれを通して指示を出していたようです。緑色に光る機械を見て、気に入らない色だと呟く宗像。そして善条に対し、「迦具都事件」当夜の真実について言及しました。あの夜、善条は自らの王である羽張を殺害したのです。
K SEVEN STORIES Episode 2 「SIDE:BLUE ~天狼の如く~」の結末:正義の在り処
十数年前、迦具都事件当夜。迦具都が《王権暴発(ダモクレス・ダウン)》を引き起こし、関東南部は火の海に包まれようとしていました。《ダモクレス・ダウン》とは、王の遥か頭上に出現する剣状のエネルギー体《ダモクレスの剣》が地上に落下したことを指します。王が力の制御を失った時落ちる剣は地上に大災害をもたらしました。更に羽張の《ダモクレスの剣》もまた、迦具都の《ダモクレス・ダウン》に影響され制御を失おうとしています。同じ場所でふたつの剣が落ちれば他の王達にも影響が及び、《ダモクレス・ダウン》が連鎖的に発生してしまいます。それを阻止する方法を、羽張は知っていました。そして「ためらうなよ、善条」と告げます。善条は意味が分からず困惑しますが、羽張の《ダモクレスの剣》に決定的な亀裂が入った瞬間、善条は無意識に羽張を斬り殺していました。善条の直感は本人の意思すら無視して、「正しい選択」として羽張を斬ったのです。羽張が死亡したことで彼の《ダモクレスの剣》は消滅。惨劇は未然に防がれました。一般には知られていないこの歴史を、新たな《青の王》宗像は当然知っています。善条の特性を挑発するように称賛する宗像に、怒りに震える善条はサーベルを振り下ろしました。しかし善条の剣が叩き落としたのは宗像の首ではなく、彼を狙った銃弾でした。善条自身も驚く中、続く銃撃も防ぎます。狙撃手は近隣ビルの屋上に潜んでいた緑のクランズマン、平坂道反とオウムのコトサカ。そしてコトサカを媒介して様子を見ているのは《緑の王》比水流です。宗像の暗殺に失敗した彼らはすぐにその場を去りました。宗像は黒幕である緑のクランを捕えるため、自らの命を餌にしたのです。驚いている善条に、「あなたもまた、私の運命に関わる《ダモクレスの剣》なのですよ」と告げる宗像。王に相応しくないと善条の剣が判断したその時は、自分を斬れば良いと話します。逆に善条が斬らない間は、宗像は正しい道を進んでいるという証明になります。その後、宗像は淡島達のところへ戻りました。整列する隊員達の中に、宗像は楠原の幻を見ます。楠原は敬礼をして、微笑みながら消えていきました。宗像も笑って前を向き歩き出します。そしてこの物語は、テレビアニメシリーズ「K」へと続いていくのでした。
以上、映画K SEVEN STORIES Episode2「SIDE:BLUE ~天狼の如く~」のあらすじと結末でした。
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