K SEVEN STORIES Episode 5 「メモリー・オブ・レッド ~BURN~」の紹介:2018年日本映画。異能力者達の凄絶なバトルを描くテレビアニメ「K」シリーズの新作劇場版。6作連続公開される内、本作は第5作目となる。《吠舞羅》の紅一点、アンナの誕生日が間近に迫っていた。メンバーがサプライズパーティーの準備に勤しむ裏で、新たな《無色の王》が不穏な動きを見せ始める。彼は強大な力の制御に苦しむ周防を揺さぶるため、そのストッパー役である十束を殺害する。
監督:鈴木信吾 声優:津田健次郎(周防尊)、櫻井孝宏(草薙出雲)、梶裕貴(十束多々良)、堀江由衣(櫛名アンナ)、福山潤(八田美咲)ほか
映画「K SEVEN STORIES Episode5「メモリーオブレッド BURN」」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「K SEVEN STORIES Episode5「メモリーオブレッド BURN」」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
K SEVEN STORIES Episode 5 「メモリー・オブ・レッド ~BURN~」の予告編 動画
映画「K SEVEN STORIES Episode5「メモリーオブレッド BURN」」解説
この解説記事には映画「K SEVEN STORIES Episode5「メモリーオブレッド BURN」」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
K SEVEN STORIES Episode 5 「メモリー・オブ・レッド ~BURN~」のネタバレあらすじ:檻の中の獣
舞台は戦後史実と異なる歴史を歩んだ仮想日本。人間に異能力を与える神秘の遺物《ドレスデン石盤》によって、7人の《王権者》が選ばれていました。2012年12月1日。《赤の王》周防尊は、自室にしているバーHOMRAの2階ではっと目を覚ましました。周防の膝で眠っていたクランズマン、櫛名アンナの感応能力に引きずられ悪夢を見ていたようです。夢は王権暴発事例「迦具都事件」についてでした。十数年前、先代《赤の王》迦具都玄示が《王権暴発(ダモクレス・ダウン)》を引き起こし、数十万人の犠牲者を出した大災害です。同じ破壊の力を持つ周防は、迦具都の最期に憧れめいた感情を抱いていました。くすぶっている力を解放し、破壊衝動のままに暴れられたなら、と。目を覚ましたアンナは、「自由になりたいの?」と問いかけました。周防の心象風景では、彼は狭い檻の中で息苦しい思いを抱えています。檻の中には周防が率いるクラン《吠舞羅》の構成員がいました。周防は彼らと共に過ごす檻の中に愛着を覚えつつ、同時に煩わしさも感じています。その頃、階下のバーではとある極秘会議が開かれていました。12月8日はアンナの誕生日なので、サプライズパーティーを開くことにしたのです。発起人は《吠舞羅》の幹部であり、周防の旧友十束多々良。他の《吠舞羅》構成員も、大切なアンナを喜ばせようと張り切ります。《吠舞羅》のナンバー2であり周防、十束の旧友草薙出雲の提案で、1人ずつ赤いバラの花をアンナに手渡すことになりました。その会議を聞いていたアンナは嬉しそうに笑います。
K SEVEN STORIES Episode 5 「メモリー・オブ・レッド ~BURN~」のネタバレあらすじ:パーティー準備
夜。周防は草薙、十束と一緒に居酒屋へ足を運びました。現在は王と臣下の関係ですが、元々3人は付き合いの長い友人同士。昔のことを思い出す内に、話題は自然アンナのことになります。彼女は7歳の時《吠舞羅》にやって来ました。出会った当初無表情だったアンナは、今やたくさんの表情を見せるようになりました。周防が王になったばかりの頃と比べると、ずいぶん平和になったと草薙が振り返ります。考え込む様子の周防に、十束は「物足りない?」と尋ねました。十束は他愛もない日常を過ごしていても、大抵の人間が大なり小なり破壊衝動を持っていると話します。それでも壊さないのは、世の中に良いものがあると知っていたり、あると期待しているからだと言って笑いました。サプライズパーティーの準備を着々と進める《吠舞羅》の構成員。バラを用意したり、料理を特訓したり、プレゼントを探したりしています。周防はたまたま目に留まったファンシーショップに入り、決死の覚悟でクマのぬいぐるみを購入しようとしました。そこに現れたのは、《青の王》宗像礼司です。基本的に性質が正反対の彼らは、顔を合わせれば険悪な空気になっていました。周防が《吠舞羅》と仲良しごっこをしているのは助かると話す宗像。それを聞いた周防は、宗像を檻の中にいる王だと称します。それまでの慇懃無礼な態度を翻した宗像は、「お前が言うところの『檻の外』は人が生きる場所ではないぞ」と忠告しました。
K SEVEN STORIES Episode 5 「メモリー・オブ・レッド ~BURN~」のネタバレあらすじ:蠢く陰謀
そんなある夜、周防は十束に連れられて、《吠舞羅》のナワバリである鎮目町のビルの屋上へやって来ました。十束はここから見える夜景をビデオで撮影しています。周防は点々と浮かぶ赤い光について尋ねました。光の正体は「キャンドル」と呼ばれるアプリで、スマートフォンに似た機械「タンマツ」を赤く光らせるそうです。苦しみや辛いことを抱える人が「キャンドル」を向ける先には謎の飛行船がありました。鎮目町上空を旋回している飛行船の真下で「キャンドル」を灯すと、飛行船が掬い上げてくれるらしいのです。一般には知られていませんが、飛行船には第一王権者《白銀の王》が乗っていました。十束は「キャンドル」を灯す人々に会い、その話を聞くのが面白いと話します。飛行船に興味があるのかと問う周防に、十束は「俺はあんたがいてみんなが居るこの地上にしか興味はないよ」と答えました。地上には周防の知らない面白いものがたくさんあると話す十束は、それを見つける度に見せに行くと話します。周防は必要ないと言いますが、その口元には笑みが浮かんでいました。2人が話すビルの屋上を、1人の少年が見上げています。彼は第七王権者《無色の王》。他人に乗り移り、その記憶や知識、能力などを奪う力を持っています。彼はその力を使って他の王の力を取り込み、自分だけが王として君臨する計画を立てていました。彼をサポートしているのは《緑の王》比水流です。比水は十束について話し始めました。周防の最初期のクランズマンでありながら、戦闘能力をほぼ持たないこと。朗らかな性格のムードメーカーであり、《吠舞羅》構成員から信頼を寄せられていること。そして周防が力を暴走させそうになる度に引き留めているストッパー役であること。それを聞いた《無色の王》は、開戦の狼煙として十束を殺害することにしました。
K SEVEN STORIES Episode 5 「メモリー・オブ・レッド ~BURN~」のネタバレあらすじ:十束多々良殺害事件
12月7日、アンナの誕生日前夜。《吠舞羅》は最後の仕上げに大忙しです。作業を終えた十束は、周防を連れて行ったビルの屋上へ向かうつもりでした。「キャンドル」が灯る街が巨大なバースデーケーキのように見えることから、夜景を撮影してアンナにプレゼントする計画です。支度を済ませた十束は、周防達に見送られて笑顔でバーを後にします。しかし、彼が生きて帰ることはありませんでした。ビルの屋上で待ち受けていた《無色の王》に銃撃されてしまったのです。《無色の王》は他の王の力を奪うと宣言して、まずは《白銀の王》を襲うため飛行船に乗り込みました。血の海に沈んだ十束は、《吠舞羅》に帰るべくヨロヨロと立ち上がります。しかし出血が酷く、すぐに倒れてしまいました。生還は無理だと悟った十束は、せめて仲間に警告するためタンマツを取り出して草薙に電話をかけます。これまでの人生を振り返り、「幸福だったよ」と伝える十束。もう自分の力では周防に会いに行けないのだと実感して涙を流します。そして駆けつけた草薙達の目の前で息を引き取りました。十束が殺害されたことで、それぞれの王とそのクランが動き始めます。周防は自室に運ばれた十束の遺体をじっと見ていました。彼の血液を入れた形見のピアスをつけ、遺体は自分が焼くと草薙に伝えます。
K SEVEN STORIES Episode 5 「メモリー・オブ・レッド ~BURN~」の結末:葬送
深い悲しみと怒りの中、《吠舞羅》は夜明けの海へやって来ました。棺で眠る十束に、涙を流しながら別れを告げます。周防の炎が柩を包み、血も骨も灰すら残さず焼き尽くしました。アンナ達から離れ、1人煙草を吸う周防のもとに草薙が近付きます。周防は、以前《吠舞羅》を解体すると呟いた自分を笑顔で諌めた十束を思い出していました。世間のためにも、周防には《吠舞羅》が必要なのだと言った十束。周防が世間のことなど知らないと突っぱねると、「じゃあ俺のためでもいいや」と笑います。その十束はもういません。周防の心は既に破滅への道を進んでいました。《吠舞羅》は十束の仇を討つべく動き始めます。街を歩く周防に寄り添うアンナ。仇を討つのかと問う彼女に、周防は「そんないいもんじゃねぇよ」と話します。周防が「やりたいようにやるだけだ」と呟き、この物語はテレビアニメ「K」シリーズへと続いていきます。
以上、映画K SEVEN STORIES Episode5「メモリー・オブ・レッド ~BURN~」のあらすじと結末でした。
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