かぐらめの紹介:2015年日本映画。日本の伝統芸能・獅子神楽を軸に、伝承の大切さや家族の在り方を描いた人間ドラマ。舞台となるのは、山梨県の都留市。主人公の秋音が小学生の時、最愛の母が亡くなってしまいます。その時、母を看取ることなく神楽を舞っていた父。父との間に深い溝ができてから、5年ぶりに実家に戻った秋音は…。
監督:奥秋泰男 出演:武田梨奈(菊地秋音)、大杉漣(菊地恭次郎)、筒井真理子(菊地百合子・陽子)、黒川芽以(相原咲良)、森岡龍(田村翔)、大河内奈々子(居酒屋の女将)、白須慶子(小林妙子)、ほか
映画「かぐらめ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「かぐらめ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
かぐらめの予告編 動画
映画「かぐらめ」解説
この解説記事には映画「かぐらめ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
かぐらめのネタバレあらすじ:起
高校を卒業後、東京の介護施設に勤め始めた菊地秋音(武田梨奈)。夜勤をしていたある日、一人の老女が朝まで誰にも気づかれることなく亡くなってしまいます。疲れて家に帰り、ベッドで横になった秋音は、幼少時代を思い出しました。
水晶研磨職人をしている父・恭次郎(大杉漣)と、母・百合子(筒井真理子)に育てられた秋音。 毎年秋に行われる祭りで奉納されてきたもので、山梨県都留市で代々続いてきた獅子神楽を舞う父が大好きだった秋音。
秋音が小学生のある日、母親がすい臓がんを患い入院してしまいます。学校で授業を受けていた秋音は病院から知らせを受けて、急いで母のもとへ駆けつけます。
恭次郎は秋音を残して祭りに出かけてしまい、母と病室で二人きりになる秋音。しばらくすると母親は息を引き取り、恭次郎は最期を看取ることはできませんでした。それ以来、秋音と恭次郎との関係に深い溝が生じます。
母親の十三回忌に久しぶりに故郷に帰ってきた秋音ですが、家に帰ると一人の女性・陽子がいます。陽子は死んだ母にそっくりで、びっくりする秋音。久しぶりに恭次郎と顔を合わせた秋音ですが、会話もろくにしないまま家を飛び出してしまいました。
かぐらめのネタバレあらすじ:承
秋音は、叔母や父親の親友・大介から陽子について詳しく話を聞きました。陽子は、大介が恭次郎に紹介した女性で、昔夫を殺して刑務所に入っていた過去があります。それを聞いて不安になる秋音。
家に帰ると陽子が台所に立ち、夕食を作ってくれていました。秋音はそれをすべてゴミ箱に捨て、陽子に夫殺しについて問いただします。
中学の教師だった陽子の夫。家のことには関心がなく、義父のことも陽子が一人ですべて面倒を見ていました。毎日の生活がつらく、陽子は義父が亡くなれば離婚をしようと決めていました。そんなある日、義父は交通事故で亡くなってしまいます。そのことを夫からとがめられた陽子は、気が付くと夫を突き飛ばし、強く頭を打った夫は亡くなりました。
陽子は恭次郎と結婚を考えていることを秋音に伝えます。それを知って、何も言えなくなる秋音。
十三回忌が終わり、秋音はいとこに「自分はもしかすると人を殺したかもしれない…」と告白します。老女が亡くなる晩に、何かを伝えようとしていたにもかかわらず、怖くなってその場を離れてしまった秋音。そのことを誰にも相談できずにいました。
かぐらめのネタバレあらすじ:転
秋音が東京へ帰り、祭りが近づくと、大介から「もう一度神楽を舞ってほしい」と頼まれる恭次郎。妻を亡くしてから一度も神楽を舞うことはなく、遠ざかっていたのですが、必死に頼む大介を見て、どうするか悩みます。
その頃、秋音が東京で辛い毎日を送っていると知った恭次郎は、居間で秋音に宛てた手紙を書いていました。すると、突然頭を押さえて倒れこむ恭次郎。病院に運ばれた恭次郎は、医師からは安静にするよう言われていますが、命がけで神楽を舞うことを決め、陽子にそれを伝えます。
しかし昔のように舞うことができず、何度も失敗する恭次郎。祭りの当日に間に合うのかと心配されてしまいます。
その頃、秋音は亡くなった老女が自分に何かを伝えようとしていたことを上司に話しました。すると「このことは口外しないように」と言われる秋音。秋音はどうすればいいのかわからず、事務所を飛び出します。
すると見かねた先輩が秋音に声をかけ、仕事を辞めたいと言う秋音に、冷静になるよう諭す先輩。その夜、家に帰ると、恭次郎の書いた手紙を持った陽子が待っていました。秋音は無視してそのまま部屋に入り、結局手紙を受け取ることはありませんでした。
かぐらめの結末
神楽の稽古中に、脳梗塞をおこして倒れた恭次郎。連絡を受けた秋音が、急いで故郷に帰ってきます。秋音は、母親が亡くなった時に父親が神楽で不在だっとことを思い出しました。
秋音の母親が亡くなった日、恭次郎は妻のそばにいるつもりでした。しかし「祭りで神楽を舞ってほしい」と妻が願い、その願いを叶えるべく恭次郎は腹をくくって祭りに出かけたのでした。
医師から脳梗塞は軽度だが、安静に過ごすよう言われ、神楽を舞うことはやめるよう指示がでました。この晩、ようやく父からの手紙を読んだ秋音。しばらくして恭次郎は退院して、家に戻ることができますが、まだ麻痺は残っていて神楽を舞うことはできません。
それでも練習に行こうとする恭次郎。秋音は「もう大切な人を失いたくないの!」と、これまでのことを謝りました。恭次郎は、母親が最後に病室で書いた手紙を秋音に手渡します。それを読み、涙する秋音。
この日から、秋音はいとこたちに手伝ってもらい、神楽を舞う練習を始めます。父の神楽を継いで舞うことを決めた秋音に対し、「これまで女は舞ってこなかった」と異議を唱える者がいて、伝統を重んじ、結局秋音が舞うことは許されませんでした。
それでも天国の母に見せようと、秋音は恭次郎と舞うことを決めます。するとそこへ、陽子たちの呼びかけでいとこや大介などみんなが駆けつけ、秋音は天国の母に見せるため必死に舞い、その姿を見守る恭次郎でした。
以上、映画「かぐらめ」のあらすじと結末でした。
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