花芯(かしん)の紹介:2015年日本映画。瀬戸内寂聴が新進気鋭の女流作家瀬戸内晴美として発表した同名小説の映画化作品。夫との暮らしに愛を見いだせない人妻が恋を知り、やがて愛欲の世界に身を投じていく様を官能的に描いていきます。清純派女優村川絵梨の体当たりの熱演が光ります。
監督:安藤尋 出演者:村川絵梨(古川園子)、林遣都(雨宮清彦)、安藤政信(越智泰範)、藤本泉(古川蓉子)、毬谷友子(北林未亡人)、ほか
映画「花芯」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「花芯」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
花芯の予告編 動画
映画「花芯」解説
この解説記事には映画「花芯」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
花芯のネタバレあらすじ:起
戦後まもなくのこと。古川園子(村川絵梨)は父の決めたいいなずけの雨宮清彦(林遣都)と祝言を上げ、夫婦となりました。やがて長男の始が産まれます。平凡な幸福を手に入れた園子でしたが、内心は生真面目な夫と暮らしに飽き飽きとしていました。
園子の妹 蓉子(藤本泉)は姉が今の生活に不満を抱いていることを見抜いていました。園子が単なる契約上の手続きだと割り切って結婚したことを告白すると、蓉子は雨宮に同情し、園子の冷淡さを責めます。
蓉子は密かに雨宮を慕っていましたが、妻の園子は夫に愛を感じたことなどありませんでした。
花芯のネタバレあらすじ:承
雨宮が京都へ転勤することになり、園子も同伴することになりました。二人は未亡人 北林(毬谷友子)の家の離れを借りて生活を始めます。そこには雨宮の上司である越智(安藤政信)という中年男性も下宿していました。
園子は独身主義者でミステリアスな部分を持つ越智に次第に心惹かれていきます。園子は北林に誘われ、越智とともに麻雀を楽しむ機会が増えていきます。越智も少なからず園子に興味を抱いているようでした。
しかしやがて北林と越智が長年愛人関係にあることが判明します。ショックを受けた園子は無気力になっていき、どうやら越智に恋をしてしまったようだと夫に告白してしまいます。逆上した雨宮は嫉妬にかられ、園子を一層束縛し始めます。
雨宮に半ば強引に抱かれた夜、園子は越智と北林の情事の現場を目撃してしまいます。
花芯のネタバレあらすじ:転
園子は下宿人の美大生 正田(落合モトキ)から絵のモデルになってほしいと頼まれます。正田は園子に好意を寄せていました。そして部屋で求められるまま肉体関係を持ってしまいます。
その日から園子は、たがが外れたかのように大胆な女へと変貌していきます。妻の不貞を知った雨宮は京都から引き上げることを決意します。東京に戻ることになった園子が越智に別れを告げると、越智は園子を抱きしめ、必ず会いに行くと囁きました。
その後二人は小さな温泉宿で逢引きし、肉体関係を持ちます。しかしあれ程恋焦がれた越智との行為の後にも、園子の胸にはなぜか虚しさだけが襲ってくるのでした。
花芯の結末
昭和27年、園子は雨宮と別居し、小さなアパートで小説を書いて暮らしていました。ある日のこと、部屋を訪ねてきた雨宮から復縁を迫られますが、園子は戻る気はないと冷たく告げます。園子は雨宮が蓉子と一緒に暮らしていることを知っており、蓉子と正式に結婚してはどうかと提案します。雨宮は諦めて帰っていきました。
一方園子と越智の関係も陰りが見え始めます。園子は北林と別れられずにいる越智に失望しており、越智もまた不特定多数の男と関係を持っている園子を蔑みます。
園子は母の葬儀に出席するため久しぶりに実家へと戻ってきます。雨宮と蓉子の間には子供が誕生しており、始と四人で幸せに暮らしていることを知ります。園子は蓉子に「幸せになって」と告げ、葬儀を後にします。
園子は自分が死に灰になったとしても、この子宮だけは焼け残るのではないかと思うのでした。
以上、映画「花芯(かしん)」のあらすじと結末でした。
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