風に濡れた女の紹介:2016年日本映画。5人の映画監督が取り組んだ日活のプロジェクトの1作。隠遁生活をおくる元劇作家の男とエキセントリックな若い女の体を張ったバトルが、男の友人たち、元の演劇仲間をも巻き込んでいく。
監督:塩田明彦 出演者:間宮夕貴(汐里)、永岡佑(柏木高介)、テイ龍進(喫茶店の店主)、鈴木美智子(響子)、中谷仁美(響子の助手)
映画「風に濡れた女」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「風に濡れた女」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「風に濡れた女」解説
この解説記事には映画「風に濡れた女」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
風に濡れた女のネタバレあらすじ:起
山道でリアカーを引く男。捨てられていた木製のスツールを拾いリアカーに載せる。彼が港で文庫本を読んでいると、女が乗った自転車が猛スピードで海に飛びこむ。女は海から上がると脱いだTシャツを絞る。そして男にこの近くに住んでいるなら泊めてほしいと言う。男は逃げる。だが女はついてくる。
ただで泊めろというのではないと言う女。値段をたずねると「あんたが払うのだ」と言う。首にしがみついてくる女を道端に振り払うが、なおもリアカーに乗りこんでくる。男の住みかは全くの掘っ建て小屋。男はなおも女を拒むが、女は、あんたは私にロックオンされたと言って去っていく。
翌朝、男は、発電機を調べに来た湯沢の自動車に乗せてもらって喫茶店にコーヒー豆を買いに行く。湯沢から、男の大学の先輩でもある喫茶店の店主の妻と子供が家を飛び出したことを教わる。その喫茶店では何と、言葉遣いこそ丁寧だが、あの女、汐里がウェイトレスをしていた。
風に濡れた女のネタバレあらすじ:承
男は柏木高介。東京で演劇活動をしていた元劇作家。孤独になるためにここにいる。ある日、高介が無人販売の野菜を買って帰宅すると、小屋の前にサーフボードを積んだ自動車が停まっている。小屋の中では汐里と一人のサーファーが情交の最中だった。終わった後に男は外で待っていた高介に礼を言う。汐里は高介に「やりたくなっただろう」と言う。だが、今やったら高介の負けだとも言うのだった。
女優をやってみようかなと言う汐里に高介が演技のトレーニングを試していると、喫茶店の店主の自動車が入ってくる。やはり汐里と関係を持っている彼は汐里を捜している。物陰に隠れていた汐里が帰りかけた彼の自動車に石をぶつけたことをきっかけに彼の高介への怒りが爆発する。妻が家を出たのは彼女が高介と関係をもったせいだと疑っているのだった。
その喫茶店の店主が、汐里と関係を持つサーファーたちの一人と店でけんかをして病院送りになる。湯沢と見舞に行った高介に主人は謝罪して、喫茶店の二階に住むように勧める。実は彼の妻が入院を知らずに電話をかけてきたときに、彼がよりを戻したがっていることを伝言してほしいのだ。
風に濡れた女のネタバレあらすじ:転
見覚えのあるワゴン車がやってくるのを見て高介は小屋にこもる。元の劇団仲間で高介の女だった演出家の響子が四人の新しい劇団員の男たちと、高介の書く芝居のファンだという助手の若い女を連れて現れたのだ。福島・宮城に公演に行くが地震で予定が変更になったからここに泊めてほしいと言う。彼らはテントで寝るから心配いらないと。
劇団員が芝居の稽古をしているところに汐里が現れる。高介が「野良犬」みたいなものと説明したので彼女は犬の鳴きまねをする。夜、響子は「あんたは女なしではいられない」と言って服を脱いで高介に迫る。そこへすでに肌を露にする汐里が現れて響子の背中にのしかかってくる。高介も服を脱ぎ始め三人で交わることになるかと思われたが、汐里が高介を蹴飛ばして追い出す。
しかたなく高介は、小屋の外で響子と汐里の発する声に対して耳をふさいでいた助手と交える。一方、響子とことを終えた汐里はテントの中の若い劇団員をワゴン車に誘い出して行為に及ぶのだった。
風に濡れた女の結末
翌朝、劇団員たちは助手を残して去っていた。彼女は高介のお世話をすると言いだすが、高介は体よく追い出す。彼女が山道を歩いていると自作の詩を唱えながら立小便をしている湯沢がいた。湯沢が振り向いたときが二人の運命の出会いだった。
汐里と高介はついに結ばれる。激しさで小屋が倒壊してしまい、続きは喫茶店に持ち越される。夜、最中に喫茶店の主人の妻からの電話が。高介は主人からのことづけを伝えて行為を続行する。全てが終わって汐里はどこかに行ってしまった。倒壊した小屋に行くとスツールの裏に「どっちが犬だ」と彫ってあった。
以上、映画「風に濡れた女」のあらすじと結末でした。
この映画は、永久保存版?
出演している女優たちの同種の映画は、
他に見当たらない(私が知らないだけか?)
監督(競作?)の強い意思が、
出演者達に如実に伝わり、
好演を産み出してると思う。
実に貴重な作品である。