家族のはなしの紹介:2018年日本映画。お笑い芸人の鉄拳が2013年に発表した同名パラパラ漫画を実写化したのが本作です。自分の進むべき道を見つけられない主人公拓也が、様々な挫折を経験し改めて支えてくれていた家族の大切さを知り、成長していくストーリーです。
監督:山本剛義 原作:鉄拳 出演:岡田将生(小林拓也)、成海璃子(明日香)、金子大地(柴田)、財前直見(小林愛子)、時任三郎(小林徹)、ほか
映画「家族のはなし」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「家族のはなし」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
家族のはなしの予告編 動画
映画「家族のはなし」解説
この解説記事には映画「家族のはなし」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
家族のはなしのネタバレあらすじ:起
父親が入院したという知らせを受けて拓也(岡田将生)は三年振りに長野の実家に帰省する事になりました。幼なじみの明日香(成海璃子)に連れられて久し振りの実家に帰ります。
すると、元気に働く父徹(時任三郎)と母・愛子の姿がありました。どうやら検査入院に焦った愛子が勘違いし、たまらず拓也に知らせたものだったのです。呆れて苛立つ拓也でしたが、帰るに帰れず実家に泊まることになります。
リンゴ農家の一人息子である拓也でしたが家業を継ぐつもりは更々なく、東京に出てせっかく入った大学も辞め、バンド活動に専念していましたが、そのバンドも次の新曲の出来次第で解散の危機でもありました。
そんな中、拓也は明日香に連れられてやってきた母校で、記念式典用に一曲歌うことを強引に決められてしまいます。
家族のはなしのネタバレあらすじ:承
拓也はかつて有名な陸上の選手でしたが、怪我により選手生命を奪われてしまいます。その後、農大に行くという口実をつけて上京、始めたバンド活動が上手くいき、それが理由で両親に内緒で大学を辞めていました。
上手くいっていたバンド活動も、新曲の締め切りが守られてないこともありプロデューサーに受け入れられず契約解除、バンドは解散となってしまいます。
バンドが解散したことを明日香に知られる事になり、明日香は東京に戻った拓也を訪ねてきました。明日香は頑なに両親を受け入れようとしない拓也に対し、両親が生活が苦しい中、毎月生活費を拓也のために仕送りしていることを伝えます。そして、負け犬は両親ではなく拓也の方だと厳しい言葉をぶつけました。拓也は何も言い返す事が出来ません。明日香はそれだけ告げると、また帰っていきました。
そこで拓也は、初めは断っていた式典の参加を受けることにしました。とはいえバンドは解散しています。拓也はバンドのメンバーだった二人に頭を下げて参加をお願いしますが、予定があると断られてしまいます。
家族のはなしのネタバレあらすじ:転
仕方なく一人で明日香に手伝ってもらって式典に参加しようとしましたが、メンバー二人が、最後だからと思い直し、手伝いに来てくれました。拓也達にとって解散ライブとなった式典のステージで新曲を披露しライブを終えました。
仲間と別れ、拓也はこれまで黙っていた事を告白するために実家に帰ります。しかし実家には母しかおらず、その母から「農園を辞めるつもりだ」と逆に告白されてしまいました。
何も知らなかった拓也はショックを受けます。跡継ぎになるのが嫌で両親に逆らっていましたが、両親は跡を継がせるつもりはなかったのです。ただ拓也が元気でいればいい。それが両親の願いでした。
バス停まで明日香に送ってもらう途中で、明日香から徹がこっそりと式典を見に来ていた事を知った拓也。徹はとても嬉しそうだったようです。
家族のはなしの結末
バスに乗り込み、急停車したときに、ふと愛子から渡されていた荷物に気づいた拓也が中を見てみると、拓也の事が書かれた新聞記事がまとめられていました。
陸上の選手で脚光を浴びていたこと、バンドがデビューしたこと、解散したことを両親は全て知っていました。大学の退学通知も入っていて、勝手に辞めたことも両親は知っていたのです。それでも二人は何も聞かず知らない振りをしてくれていたのです。
拓也がふと窓から外を眺めると、川の向こうで徹が手を振っています。リンゴを並べて作った「ガンバレ」の文字も見えました。徹の愛情を改めて感じた拓也には、流れる涙を止める事が出来ませんでした。
後日、東京に帰った拓也から徹と愛子に手紙が届きます。それは「長靴は使うから捨てないで」と一言だけ書かれた手紙でした。どこか嬉しそうな二人は、今日も元気に農園に向かいます。
以上、映画「家族のはなし」のあらすじと結末でした。
岡田将生が好きでこの映画を観ようと思ったのだが、リンゴにしか興味のない父親と勘違いして、自分の夢を追いかけていた青年が、夢破れて久々の実家に戻り、父親がリンゴ農家を継いでくれる人間として自分を見ているのではなく、ちゃんと一人の人間として立派に成長してくれていればそれでいいという思いに気が付き、そこで始めて家族や周りの人間の大切さに気付かされる感動的な映画だった。