君と100回目の恋の紹介:2016年日本映画。シンガーソングライターのmiwaと、坂口健太郎が主演を務めるラブストーリー。事故に遭う運命にある女子大生と彼女の運命から救い出すため100回人生を捧げようとした一途男子の物語。彼女を事故から助けるため何度も時間をさかのぼる青年に待ち受ける試練、そして2人の恋の行方を描く、感涙のラブソングに乗せて贈るタイムリープラブストーリー。
監督:月川翔 出演:miwa(日向葵海)、坂口健太郎(長谷川陸)、竜星涼(松田直哉)、真野恵里菜(相良里奈)、泉澤祐希(中村鉄太)、田辺誠一(長谷川俊太)、ほか
映画「君と100回目の恋」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「君と100回目の恋」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
「君と100回目の恋」予告編 動画
映画「君と100回目の恋」解説
この解説記事には映画「君と100回目の恋」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
君と100回目の恋のネタバレあらすじ:起
2016年7月25日11時5分。大学生の日向葵海(miwa)は、ミヒャエル・エンデの「モモ」を落とす落下音で目覚め、まわりにいた学生から注目されます。講義中に寝てしまった葵海の横には怒った講師が立っており、「よく眠れましたか?時間泥棒に盗まれてしまいますよ。」と嫌味を言われてしまいました。隣にいた友人の相良里奈(真野恵里菜)と苦笑いする葵海は、急いで黒板に書かれた字を描き写します。
来月からはイギリスの大学に通うことが決まっている葵海は、一週間後のセトフェスの練習に励います。葵海たちのバンド「ザ・ストロボ・スコープ」は、そこでの発表を目指して猛練習中です。バンドメンバーの長谷川陸(坂口健太郎)も揃ったので歌い始めた葵海ですが、ドラムの中村鉄太(泉澤祐希)がまだセッティングできていなかったので、やり直しになります。一通り練習が終わると、「用事があるので先に抜ける」と帰る準備をする陸。しかも「直哉(竜星涼)、2番の出だし、よく間違えるから練習しといて。それと鉄太、クラッシュシンバル」と、変なことを言い出します。そう言うや否や、倒れるシンバル。「それ古くなってるから、そろそろ買い替え時かもな」と部屋を出ようとする陸に葵海が、「あの…陸、あたし」と話をしようとすると、「葵海、お前の買い物には付き合えない。俺は忙しい」と断られてしまいます。「まだ何も言ってないのに…」と、唖然とする葵海に、お前の考えくらいは読めると言い残し去っていく陸。直哉たちは陸の完璧な姿に嫉妬します。そして直哉と鉄太は陸の弱点を知りたがり、幼馴染の葵海から聞き出そうとしますが、葵海も陸の弱点は知りません。昔から陸は完璧男子です。
翌日、なかなか起きない葵海を起こしに母親が部屋に入って来ます。散らかり放題の葵海の部屋を片付けながら、イギリスに行く準備をするよう伝える母親。葵海もようやく起き出します。浜辺でフェスの看板を書いている時、里奈に「このままでいいのか?」と聞かれる葵海。イギリスに行くと一年以上は会えなくなり、告白するよう里奈は促します。しかし陸が毎年誕生日を祝ってくれて、葵海が100歳までそれを続けると約束しているので、それ以上は望みません。普段は不愛想な陸ですが、約束を守る優しいところがあると葵海が話していると、そこに陸がやってきました。看板を見た陸が「いいじゃん」と言って、看板を立てかけた時です。後ろで水道管が破裂し、葵海たちはびしょ濡れ。しかし看板は間一髪陸が避難させていたので無事でした。
大学にいた葵海が車に楽器を積んでいる時に、陸が年上の女性と親しくしているのを見かけます。二人の関係が気になりますが、近くに里奈たちがいるので平気な振りをして作業をつづける葵海。
君と100回目の恋のネタバレあらすじ:承
図書館にいた陸に声を掛ける直哉。直哉は、葵海に告白することを陸に伝えます。すると陸は、「葵海のことを頼む」と言い去っていきました。
その後、回転ずしに食事に行った直哉、葵海、里奈と鉄太。その時、テンパった直哉が神社での告白前に、みんなの前で葵海への気持ちを打ち明けてしまいました。葵海は困り、その場の空気が重くなります。里奈は複雑な顔をして、直哉は耐え切れずに店を飛び出しました。
葵海はその後陸の家に行きます。陸の部屋でレコードを見つけた葵海が手に取ってみていると、そこへ陸が帰って来ます。驚いてレコードを落としてしまった葵海。大事そうにレコードを拾い上げる陸に、葵海は新しい曲を作ろうと持ち掛けます。テラスで一緒に曲を作り、陸がギターでメロディーを弾き、葵海が歌います。陸の弾いていたコードを葵海も弾いてみたくなりやってみますが、葵海の手は小さく思うように弾けません。すると「そこまでかわらないだろ」と、葵海の手に自分の手を重ねる陸。葵海はドキドキしてしてしまいます。すると急に、自分がいなくなっても直哉とうまくやるよう言い出す陸。葵海が突っ走るのをいつまでも支えてやることができず、直哉はいい奴だと話す陸に葵海は堪え切れず、その場を離れ帰ってしまいました。
フェスの準備をしながら葵海は里奈に陸から言われたことを相談します。自分の気持ちも知らずに直哉とうまくやるよう言われた葵海は傷ついています。そこへ直哉から「二人で会いたい」とメールがきました。自暴自棄になり「直哉でいいから、付き会っちゃおっかな」と言った葵海に、怒りをあらわにする里奈。里奈はずっと、直哉に片思いしていたのです。
セトフェスの日、里奈は葵海の前に姿を現さず、陸とも直哉とも微妙な関係で、ボロボロの精神状態の葵海は最後まで歌えず散々のライブ結果でした。泣きながら会場をあとにする葵海がポケットからハンカチを出した瞬間、紙が落ちます。その紙を拾うため車道に出てしまった葵海は、7月31日18時10分、交通事故に遭いました。その時、陸が助けてくれたような…。
葵海は飛び起きました。ミヒャエル・エンデの「モモ」を落として、横では講師が嫌味を言っています。放課後、練習して、陸が出ていく際にまた言います。「クラッシュシンバル」葵海も同時に口に出していました。すべてを知っている葵海。浜で看板を作っている時に水道管が破裂することも知っていた葵海は、陸に一週間前に同じことがあったと訴え、それを聞いた陸は笑い出します。
その後一人でベンチに座っていた葵海に、陸が「後先考えずに飛び出すから…」と、事故当日の話をし始めます。そして「お前は死なない。俺もセトフェスの日から来た」と、陸は秘密を話し始めました。
陸は自分の部屋の箪笥に隠していたレコードを葵海に見せ「そう、このレコードさえあれば、何度でもやり直せる。俺は、あの日からズルしてた」と話します。時間を戻せる人生のレコードを同居するおじさんから子供の頃にもらった陸。葵海は陸に言われるがままレコードにそっと針を置きます。すると時間が遡り、大学の講義を受けていた時まで戻ります。陸に「葵海の運命を変えたので、もう死なない」と言われた葵海は、陸の言った「ズル」が何なのか気になります。
14年前、割れたレコードを抱いて泣いている少女の頃の葵海。その日は葵海の誕生日でした。その日から陸は何度もギターを練習し、「夢で逢えたら」を壊れたレコードの代わりに歌い、「俺が100歳までずっと歌って祝ってやる。」そう約束したのでした。高校一年生の時の誕生日も、最初に陸が作った曲も、何ども過去に戻っていた陸は、葵海の前でかっこつけていたかったからだと正直に話します。そして「最初にあった時から好きだよ」と告白する陸。2人は互いの想いを伝えますが、来月からイギリスに行く葵海は悔しそうな表情を浮かべます。「私、陸のことが好き」「俺は、葵海のことが好き」2人は、これまで無駄にした時間を取り戻すため、1年前の夏からやり直すことにしました。
君と100回目の恋のネタバレあらすじ:転
お祭りの夜、2人は浴衣を着て、手をつないで石段を登っているところをバンドメンバーにバレました。そして図書館にいた葵海に、「どれだけ先走って転びそうになっても、俺が絶対に守る」と、陸が本をとってキスをする二人。
1年は楽しく過ぎ去り、結局葵海は留学することになりました。フェスの日がやって来て、今度は大成功した葵海たち。陸も安心していましたが、葵海が事故にあった時間、葵海の姿が見当たらず心配になった陸が葵海を探すと、救急車のまわりに人だかりができており、葵海は亡くなっていました。
またしても葵海が「モモ」を落とした講義まで、陸は遡ります。何も知らない葵海は、何としても新曲を完成させようと陸とテラスにいます。すると陸は、まだ見せていない歌詞を歌って見せました。葵海が知らないところで、またタイムリープしているのです。陸のおかしな様子に動揺する葵海。葵海を絶対に死なせるわけにいかない陸は、大学院生の女性に相対性理論や量子論の質問をして、独学で勉強していました。そのためバンドの練習に参加できず直哉たちとの関係もぎくしゃくします。心配になった葵海は大学院生の女性から話を聞き、図書館で勉強していた陸のノートをみると、7月31日18時10分をどうしてもその時間を越えられない陸の悩みが書かれていました。それ以上過ぎると、何をやっても葵海は死ぬのです。
陸はおじさんに、何度過去に戻っても葵海を助けられなかったことを打ち明けます。それを葵海が外で聞いていました。何度過去に戻っても助けられず、ある時陸は葵海の代わりに自分の命をなくすことを思いつきます。しかし結局運命は変えられず、陸は何度も時間を遡って葵海を助けようとします。「葵海ちゃんが記憶を持って巻きもどったのは、本来死ぬべき運命でなかった陸を巻き込んで殺して巻き戻ったからだ。」とおじさんに言われ、どうして分かるのか陸が訪ねると、「俺も何度も試したから分かる。」と亡き妻の写真を見つめるおじさん。すべての話を聞いてしまった葵海は、ショックで家に帰り、その日は一睡もできませんでした。
君と100回目の恋の結末
陸に曲の続きを作ろうと誘われる葵海は、すべて知ってしまったことを伝えます。何度過去に戻ったのか尋ねる葵海に、陸は「人生のレコード」をかけなおそうとします。すると葵海は奪って叩き割ってしまいました。陸にこれ以上、葵海のために足踏みさせたくなかったのです。しかし「葵海がいない人生なんて考えられないんだ」と言う陸。陸の時間を奪いたくないと葵海は泣き出します。
割れたレコードをつなぎ合わせますがうまくいかず、八方塞がりの陸に「お前が今すべきは、壊れたレコードを治すことか?」とおじさんが語りかけます。おじさんは、大切な人を救おうとして守れなかった経験者。人生はやり直せないのです。
7月30日朝、いつもなら散らかった葵海の部屋も片付いています。母親はビックリしますが、誕生日プレゼントをの新しい大きな音で鳴る目覚まし時計を渡しました。留学先で一人でも起きれるようにとの配慮からです。葵海は思わず母親にしがみつきます。「どうしたの?ホームシック?」と驚く母親。
一方、陸はケンカ別れをしていた直哉たちに「新曲をどうしても葵海のために演奏したい」と頭を下げます。直哉と鉄太は「ようやく陸のかっこ悪い所が見えた」と、練習に付き合ってくれることになりました。次に里奈と陸で花火職人にサプライズをお願いします。
1度しかない人生、今この時この生きているかけがえのない瞬間を大切に忘れたくないと、山で街の風景を見続けていた葵海を、陸が迎えに来ます。この時間を葵海と生きていたいと抱き合いフェスに向かう二人。
本番前、里奈に「彼氏と過ごす夏休みと、一人の夏休み、全然違うよ」と、直哉に告白するよう促す葵海。そしてとうとう本番がやって来て、葵海の弟も陸のおじさんも見守る中、葵海が歌い出し、2番は陸も一緒に歌います。すると歌い終わった時、頼んだ花火が上がりました。それを見つめながら、2人は手を握りしめます。葵海は礼を言い「100回目の誕生日は最高の誕生日だね」と陸を見つめました。
4人が喪服で浜辺で泣いています。陸は涙をこらえています。おじさんが「カレー作ったから、それとデザート預かってたものがあってさ」と言って出掛けます。突然、葵海の声が聞こえます。チョコレートでできたレコードには、葵海のメッセージと歌が吹き込まれていました。陸が高校一年生の時に、葵海に試行錯誤しながら送ったプレゼントでした。何度も失敗し、成功しても葵海に何度も食べられました。そのレコードから、葵海のメッセージと歌が流れてきます。しかしもう葵海はいません。自然と陸は涙を流します。葵海からのメッセージと歌を聞いて、葵海のいない世界で真っ直ぐ前を向いて進みだす陸がいました。そして最後に葵海は言います「これ、食べてもいいからね」。
以上、映画「君と100回目の恋」のあらすじと結末でした。
助からないと分かっていても、何とか葵海の運命を変えようとレコードをもどす陸を見て切なくて泣けてきます。