きみの声をとどけたいの紹介:2017年日本映画。言葉に宿る魂「コトダマ」を信じるなぎさは、ふとしたきっかけで紫音と知り合う。事故にあい寝たきりになってしまった彼女の母親で元ラジオのDJだった朱音を目覚めさせる為、なぎさと紫音は友人らとラジオ放送をはじめる。果たして、なぎさ達のコトダマは朱音の元に届くのか・・。少女達の高校二年の夏休みを爽やかに描いたアニメーション作品。製作はマッドハウス。
監督:伊藤尚往 声優:片平美那(行合なぎさ)、田中有紀(龍ノ口かえで)、岩淵桃音(土橋雫)、飯野美紗子(浜須賀夕)、神戸光歩(中原あやめ)、鈴木陽斗実(琵琶小路乙葉)、三森すずこ(矢沢紫音)、梶裕貴(小動大悟)、鈴木達央(川袋将暉)、野沢雅子(なぎさの祖母)、ほか
映画「きみの声をとどけたい」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「きみの声をとどけたい」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
きみの声をとどけたいの予告編 動画
映画「きみの声をとどけたい」解説
この解説記事には映画「きみの声をとどけたい」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
きみの声をとどけたいのネタバレあらすじ:起
路面電車が走る海沿いの街。日ノ坂高校ではラクロスの試合が行われています。かえで・なぎさ・雫が通う日ノ坂高校は、夕がいる鶴ヶ岡女子学園に19対6で負けてしまいます。かえでは負けたことに対し「今の部では誰も強くなろうとおもってない」と評します。言いたいことを言うかえでの言葉を聞いたなぎさは昔祖母に教えてもらったコトダマのことを思います。なぎさが膝をすりむいたときに、祖母が「痛いの痛いの飛んでいけ」をしてくれ、その時にシャボン玉のようなものが飛んでいくのが見えました。それがコトダマで、言葉に宿った魂であり、他の人の悪口は自分に返ってくるから言ってはいけないと祖母から教えられました。実は雫・かえで・なぎさ、夕は幼馴染であり、人気者の夕との間には距離ができていきました。小学生の時に運動会でかえでが夕に「転んじゃえばいいのに」と言ったことが、かえでに返ってきてかえでが転んでしまったこともありました。それ以来、なぎさは時には目に見えるコトダマを信じています。口に出して悪い言葉を言えないなぎさは寺の鐘の中で「悪口ばっかりいうかえでちゃん大嫌い。私だって本当にことがいいたいの」と叫びます。その帰りに、ふと目にしたカエルに「暑くて大変だね、雨でも降ればいいのに」と言うと、本当に雨が降ってきます。
なぎさは雨宿りをするために、アクアマリンとうい喫茶店のような店の軒下に入ります。そこは鍵がかかっておらず、店内には誰もおらずレコードが並んでいるだけでした。なぎさと一緒に入ってきた先ほどのカエルが示した先にはラジオの放送設備があり、なぎさはレコードをかけラジオ放送の真似事をします。日々のことを話し「かえでちゃんと夕ちゃんが仲良くなりますように」と願いをかけて放送を終了し、店をあとにします。
きみの声をとどけたいのネタバレあらすじ:承
なぎさが両親にアクアマリンのことを話すと、昔あった街の中くらいにしか電波が届かないミニFM放送局であることがわかります。なぎさの元に「母親がアクアマリンのDJだった」という昨日の放送を聞いていたという少女から一通のメールが入ります。そして12年前祖父と母親が事故にあったとメールは続いていました。なぎさは街の人からその家族の話を聞き、事故にあった母親(DJの朱音)は寝たきりでリハビリセンターに入っていることを知ります。
病室を訪ねたなぎさはそこでラジオから出たコトダマが寝たきりの母親に届かずに消える場面を目にします。ラジオからは「お母さんが大好きなこの曲を届けます」との声がし、娘の紫音がアクアマリンからラジオ放送をしていることが分かります。
なぎさはアクアマリンに行き、紫音に寝たきりなのに死んだような言い方をすると「そんなこと言うと本当にそうなってしまう」と号泣します。そして紫色をした紫音のコトダマがあと少しで届きそうだったと伝え、紫音となぎさで朱音に向けてラジオ放送「コトダマラジオ」をすることにします。
ラジオ放送で友達の話をするなぎさに紫音は「転校が多かった自分には友達がおらず話すことなんてない」と言い、なぎさは紫音にかえでと雫を紹介します。
なぎさ・紫音・雫・かえでの四人でラジオ放送を続けてしばらくすると“藍色仮面”と名乗る人物から「ラジオがどういう媒体かわかっていない」とメールが入ります。やがてしびれを切らしてアクアマリンに乗り込んできた藍色仮面こと中原あやめからラジオ放送についてのレクチャーを受けるのでした。音楽を学ぶ乙葉にジングルやテーマソングを作ってもらい、リスナーを増やすためにビラをまき、街の中に電波を飛ばす為の機器も修理してもらいます。
夕もアクアマリンのビラを手にして店にやってきますが、かえでと会うと剣呑になってしまいます。しかし、かえではバイト先でラクロス部の部員達が夕のことを「厳しすぎてついていけない」と言っているのを耳にします。夕は部長になることを部員達に反対され一斉に退部届を出されていたのでした。そんな夕にかえではラジオ放送で「ラジオ局に来て皆で遊ぼう」と語りかけます。かえでの姿に「思いに正直に立ち向かって生きている。皆偉い。皆素敵だ」となぎさは思うのでした。
きみの声をとどけたいのネタバレあらすじ:転
ラジオの評判も上々の、高校二年の夏休みもあと一週間となったある日。なぎさはアクアマリンが隣と合わせてコンビニとなり取り壊されることを知ります。
なぎさがアクアマリンに行くとそこには夕と紫音がおり、夕からアクアマリンはとっくに夕の祖父の会社のものだったこと、紫音は知っていたが皆には言ってなかったことを聞かされます。紫音の母親は最初から夏休みの終わりに祖母の所に行くことが決まっていたというのです。夏休みが終わるまで続けられるように祖父に頼んでみると夕が言うと、かえでがそもそも夕の祖父が買い占めたからだといい、ヒートアップして「だから嫌われる」と言ってしまいます。それを聞いたなぎさは「夕は放送を聞いて来てくれたのに」とかえでを引っぱたきます。
夕はなぎさに“街の功労者である祖父の孫“としか見てもらえないけれど「祖父のことを尊敬している。こんなことでは負けない。かえでにも負けない。」と自分の思いを語ります。夕となぎさはラジオ放送を行い、なぎさは「よくない言葉ばっかり口にするかえでちゃんを見たくない」と言い、夕はかえでに「いつでも受けて立ちますわ」とメッセージを送ります。それを受け、かえでから夕に、絶対負けねーから、と返信がありました。
きみの声をとどけたいの結末
そして遂に8月31日がやってきます。紫音は父親と共に車に寝たきりの母親(朱音)を乗せ病院を後にします。母親を搬送する車の中から浮かぶコトダマをみた紫音はラジオをつけます。なぎさ達は寺から最後の放送をしていました。寺の境内には街中の人が集まっており、朱音を応援する声が方々からあがります。紫音は父親に街を出ようとする車をUターンしてもらうように頼みます。なぎさ達が皆で乙葉がつくった曲を歌いはじめると、コトダマが空に向かって昇り、朱音の元へと向かいはじめます。車中で紫音も朱音の手を握りながら一緒に歌います。やがてコトダマは朱音に届き、遂に朱音の目が開きます。ステージではかえでが夕を誘い一緒に歌います。そこに紫音が駆け込んで来て、なぎさ達と抱き合い「お母さんに届いたの」と告げるのでした。
そして高校二年の夏休みが終わって当たり前の毎日が戻ってきました。
日ノ坂高校ラクロス部ではかえでが部を引っ張り張り切っています。夕も鶴ヶ岡女子学園の部長になりました。紫音は車椅子に乗った朱音に付き添っています。そして、なぎさは悩んでいた将来の将来の目標をみつけることができました。大人になったなぎさは東京でラジオDJをしています。あの頃の私に「コトダマがでてないよ」と言われないように。
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