奇跡の紹介:2011年日本映画。「あなたもきっと、誰かの奇跡」。是枝裕和監督が九州新幹線全線開通をきっかけに製作した傑作。両親の離婚が原因で離れ離れになった兄弟が新幹線がすれ違う場所で再び会おうと冒険に出るが…。
監督:是枝裕和 出演:前田航基(大迫航一(兄))、前田旺志郎(木南龍之介(弟))、林凌雅(福元佑)、永吉星之介(太田真)、内田伽羅(有吉恵美)、橋本環奈(早見かんな)、磯邊蓮登(磯邊蓮登)、大塚寧々(大迫のぞみ)、オダギリジョー(木南健次)、夏川結衣(有吉恭子)、長澤まさみ(三村幸知先生)、阿部寛(坂上守先生)、原田芳雄(山本亘)、樹木希林(大迫秀子)、橋爪功(大迫周吉)、ほか
映画「奇跡」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「奇跡」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
奇跡の予告編 動画
映画「奇跡」解説
この解説記事には映画「奇跡」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
奇跡のネタバレあらすじ:起
両親の離婚が原因で、一緒に住んでいた大阪から、鹿児島と福岡に別れて暮らすことを余儀なくされた航一(前田航基)と龍之介(前田旺志郎)。鹿児島で母親(大塚寧々)と、母親の両親と一緒に暮らす兄の航一は、毎日のように降る桜島からの火山灰に文句を言い、新たな環境にきちんと馴染むことができずにいました。
ある日、学校で父親の職業を書くよう言われ、父親とは離れて暮らす航一は困ってしまいます。それを見かねたクラスメイトが父親がいない者はどうすればいいか尋ねると、「母親でもいい」と担任に言われ、微妙な空気が流れます。その後担任から「自分も父親がいない中で育った」と声を掛けられる航一。
一方、福岡で父親(オダギリジョー)と一緒に暮らす弟の龍之介。だらしない父親にかわり家事をこなし、畑では野菜を育てるしっかり者です。日々の暮らしを電話で報告し合う航一と龍之介。母と祖母が龍之介のことを心配しているのを偶然聞いてしまった航一は、家族が再び一緒に過ごす夢を見ます。
奇跡のネタバレあらすじ:承
そんなある日、航一のクラスメイトが、九州新幹線が全線開業する日に鹿児島から福岡に向かう新幹線「つばめ」と福岡から鹿児島に向かう新幹線「さくら」がはじめてすれ違う瞬間にお願いをするとその願いが叶うという奇跡にまつわる噂を話します。そして祖父から「桜島が大噴火すれば、ここでは暮らせなくなる」と聞いた航一は、大噴火が起こればここでの暮らしから抜け出せて、家族全員で再び暮らすことができるのではないかと考えました。
「家族で再び一緒に暮らせるかもしれない!」と、電話で龍之介に伝える航一。しかしそれを聞いた龍之介の反応は、いまいちです。いつも楽しそうに過ごし、再び四人で暮らすことを真剣に考えていないような様子でいる龍之介が、気に入らない航一。
龍之介は、友人たちに航一から聞いた奇跡の話をしました。龍之介の夢は仮面ライダーになることで、航一が家族で再び暮らしたいと願うことが理解できません。龍之介は父親と二人の暮らしに不満がなく、家族四人で一緒に暮らし、両親の喧嘩を目の当たりにする方が、龍之介は耐えられません。
奇跡のネタバレあらすじ:転
航一は父親に電話をして「よりを戻すなら急いだほうがいい」と忠告し、自分のことはもうどうでもいいのか聞きます。すると父親から「自分の生活よりも、世界を大切にできる人間になってほしい」と言われ、不満を募らせる航一。
一方、龍之介が心配な母親は「一緒に住もう」と電話します。しかし「庭の野菜がもうすぐ育つので、一緒には住めない」と言われ泣き出す母親。
あくる日、友人たちから「家族は一緒に暮らしたほうがいい」と言われた龍之介は、航一に電話で謝りました。そして「新幹線がすれ違う場所に、自分も行きたい」と話し、龍之介も参加することに。半年ぶりに会えると喜ぶ二人。
航一は共に行くことになった小学校の友人たちと、物を売って何とか交通費を用意することができました。次に学校を抜け出す口実を見つける必要があり、ついに作戦決行の日、「体調が悪い」と言い保健室に向かった航一たち。担任はそんな三人を怪しく思いますが、保健室の先生や祖父の力を借りて、何とか学校を抜け出すことに成功。
家に帰り荷物を抱えて、航一たちは電車に飛び乗りました。一方の龍之介も、女優志望のクラスメイトなどと共に、集合場所に向かいます。久し振りの再会を果たした航一と龍之介ですが、龍之介が友人を連れて来ると知らされていなかった航一は、少し不服に感じます。
奇跡の結末
運命の日を明日に控える中で、新幹線がよく見える場所を探す航一たち。田舎道を歩きまわり、ついにスーパーの屋上を見つけます。すると見慣れない小学生の集団を見つけた警察が不審に思い、声を掛けてきました。しかしたまたま見かけた家を指さし「ここの孫だ」と嘘をつき、事なきを得た航一たち。その家の老夫婦が快く彼らを受け入れてくれ、食事や寝どこまで用意してくれました。
その日の夜、友人たちが寝静まると航一と龍之介は、久しぶりに二人の時間を過ごします。お互いの近況を報告し合い、大事な明日に向け布団に入る二人。
当日の朝、すれ違う場所の近くまでトラックの荷台に乗せてもらい送ってくれた親切な老夫婦と別れて、山の頂上に登りすれ違う瞬間を待つ航一たち。
そして、ついに新幹線がすれ違う瞬間が訪れます。「女優になりたい」、「絵が上手になりたい」や「父ちゃん、パチンコやめて」など、それぞれ思い思いの願いを叫ぶ中で、航一は噴火の願いを言うことをやめてしまいます。
龍之介との別れの際、航一は願い事を言わなかったと告白。「家族より世界を選んだ」と告げ、それを聞いた龍之介も「違う願い事をした」と正直に話しました。また会う約束をして、二人は別れました。
そして帰宅後、それぞれは自分の中で決意を新たにして、一歩ずつ進みはじめたのでした。
以上、映画「奇跡」のあらすじと結末でした。
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