こどもしょくどうの紹介:2018年日本映画。とある食堂が様々な事情を抱えた子供たちとの出会いを通じ、恵まれない子供たちに安価または無料で食事を提供する「子ども食堂」を開くまでの過程を貧困・いじめ・育児放棄などの社会問題を絡めて描いたヒューマンドラマです。実写版『火垂るの墓』や『爆心 長崎の空』などを手掛けた日向寺太郎が監督を、『百円の恋』の足立紳が脚本を務め、ロックグループ「Dragon Ash」の降谷建志が俳優として出演しています。
監督:日向寺太郎 出演者:藤本哉汰(高野ユウト)、鈴木梨央(木下ミチル)、浅川蓮(大山タカシ)、田中千空(高野ミサ)、古川凛(木下ヒカル)、 降谷建志(木下次郎)、石田ひかり(木下朋美)、常盤貴子(高野佳子)、吉岡秀隆(高野作郎)ほか
映画「こどもしょくどう」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「こどもしょくどう」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
こどもしょくどうの予告編 動画
映画「こどもしょくどう」解説
この解説記事には映画「こどもしょくどう」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
こどもしょくどうのネタバレあらすじ:起
小学5年生の少年・高野ユウト(藤本哉汰)は、小学1年生の妹・ミサ(田中千空)や食堂を営む父・作郎(吉岡秀隆)と母・佳子(常盤貴子)との4人暮らしです。
ユウトの親友で幼なじみの大山タカシ(浅川蓮)は母子家庭であることを理由に、同級生たちからいじめをうけていましたが、事なかれ主義のユウトはいじめを止めさせることもせず、いつも見て見ぬ振りをするだけでした。そしてタカシの方もみずからユウトや誰かに救いを求めることもしませんでした。
そんなユウトとタカシは一緒に所属している少年野球チームの練習を終えると、いつもユウトの家に行き、タカシはユウトの家族と共に夕食を食べていました。タカシの母は育児放棄状態で、わずかな生活費だけを残していつも家をあけており、作郎と佳子はそんかタカシを心配して食事を食べさせてあげているのです。
こどもしょくどうのネタバレあらすじ:承
そんなある日、ユウトとタカシは近所の橋の下の河原に一台の車が留まっているのを見つけました。車の中ではユウトたちと同年代の少女・木下ミチル(鈴木梨央)とその妹・ヒカル(古川凛)が父・次郎(降谷建志)と共に車中生活を送っていました。
数日後、お菓子を買いに行ったユウトは、その店でミチルが万引きをするところを目撃してしまいます。ユウトはそのことがきっかけでミチル姉妹のことを気にするようになり、タカシやミサと共に彼女たちの様子を伺いに度々橋の下へ行くようになりました。タカシは自らの境遇を姉妹に重ね合わせるようになりました。
やがてユウトは自宅の食堂の夕食の余り物を、両親に内緒でミチル姉妹の元へ運ぶようになりましたが、どうしても姉妹に直接食べ物を渡すことはできないままでした。
そんなある日の昼間のことでした。ミチル姉妹の生活の場であった車は心ない不良学生たちの溜まり場と化していました。その光景を見つめていた次郎はいずこへと姿を消え、姉妹を残してそのまま失踪してしまいました。
こどもしょくどうのネタバレあらすじ:転
ユウトは姉妹に声をかけ、食堂に連れて行って食事を食べさせてあげました。しかし、ミチルはユウトの両親に親や学校のことなどを尋ねらると、何も答えられませんでした。その日の夜、ミチルは車の中にヒカルを置き去りにして走り出し、雨の中を「お母さん…」と泣きながら駆け抜けていきました。
ユウトは行き場所を失ったミチル姉妹を再び食堂に誘いましたが、ミチルは父が帰ってくるかもしれないからという理由で誘いを受けようとはしませんでした。その後、ユウトはミチル姉妹への対応について口論を交わす両親の姿を目の当たりにしました。作郎は様子を見るべきだと言うのですが、佳子は行動に移るべきだと意見が分かれました。
翌朝、ユウトはミチル姉妹の車に行ってみると、そこには姉妹と一緒に、真夜中に二人の様子を見に来ていたタカシがそのまま眠っていました。ヒカルはミチルに、かつて一家が母・朋美(石田ひかり)と幸せに暮らしていた頃に海辺のホテルで見た“虹の雲”を探しに行こうと持ちかけました。
ヒカルはあの雲を見ればまた家族全員で暮らせると頑なに信じているのですが、ミチルは今更会えないと否定的でした。しかし、タカシが一緒に探しに行こうと賛同し、ユウト・タカシ・ミチル・ヒカルは“虹の雲”を探して回りましたが、結局見つけることはできませんでした。
こどもしょくどうの結末
橋の下へ戻ったユウトたちを待ち受けていたのは、ミチル姉妹の車を破壊する不良学生たちの姿でした。ユウトとタカシは茫然と立ち尽くすミチル姉妹を食堂へ連れていきましたが、学校をサボっていたユウトは着くなり両親に叱られました。両親はミチル姉妹に家族や頼れる人間はいないのかと尋ねましたが、ここでユウトは今まで内に秘めていた思いをさらけ出しました。
姉妹にはもはや頼れる人間は誰一人いないのに、両親もとい大人たちはただ見ているだけだから自分もまた“見て見ぬ振り”をするだけの傍観者になってしまったというのです。その夜、ユウトはタカシとミチル姉妹を自分の部屋に泊めました。
翌日、ユウトは意を決して食堂の売上金を抜き取り、タカシとミチル姉妹を連れて姉妹の思い出の海辺のホテルへと向かいました。しかし、そこには“虹の雲”などなく、両親の姿もありませんでした。ミチルはかつて母・朋美が歌ってくれた歌を泣きながら口ずさみました。
やがてユウトたちは警察に補導され、ミチル姉妹は施設に保護されることになりました。ユウトはミチル姉妹が乗せられた車を必死で追いかけました。空にはあの“虹の雲”が確かに浮かんでいました。
今回の件を経て、ユウトの両親は恵まれない子供たちのために食事を無料でごちそうする「子ども食堂」を始めました。
以上、映画「こどもしょくどう」のあらすじと結末でした。
この映画の感想を投稿する