恋とオンチの方程式の紹介:2014年日本映画。香川県を舞台に、御曹司と恋に落ちたバスガイドが音痴を克服しようと奮闘するヒューマンドラマ。監督は、『猫と電車』などの香西志帆。子どもの頃にアイドルを目指していた主人公のみどり。しかし彼女は想像を絶する音痴で…。
監督:香西志帆 出演:夏菜(山吹みどり)、平岡祐太(小川カズユキ)、黄川田将也(栗田拓人)、吉田羊(十河夏子)、大塚千弘(真庭薫子)、藤真美穂、永野宗典、諏訪雅、土佐和成、森昌子、戸田恵子、ほか
映画「恋とオンチの方程式」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「恋とオンチの方程式」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
恋とオンチの方程式の予告編 動画
映画「恋とオンチの方程式」解説
この解説記事には映画「恋とオンチの方程式」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
恋とオンチの方程式のネタバレあらすじ:起
山吹みどり(夏菜)は、香川県にある『ほととぎすバス』でバスガイドをしています。彼女の宝物は、幼い頃に母からもらった3つの願い事が叶うというマイクです。いつも肌身離さずマイクを持ち歩いているみどり。
ある日、みどりは世界の音響機器メーカー・ナマズダイナミクスの御曹司・栗田拓人(黄川田将也)が乗るバスのガイドをしました。何か歌を歌うよう求められたみどりは、慌てふためきます。なぜなら彼女は、かなりの音痴だからです。
昔アイドルを目指していたみどりは、東京まで行ってアイドルのオーディションを受けたことがありました。しかしその時に歌の審査があり、みんなの前で歌を披露し大恥をかいたことがあります。その時のことがトラウマとなっているみどりは、歌を披露するわけにはいかず、テープを流して口パクをしてその時はやり過ごしました。しかし口パクをしているとは知らない拓人は、みどりの歌声を絶賛します。
そんな拓人が香川県を訪れたのには理由がありました。元社長で亡き父の故郷で、創業50周年のコンサートをするためにやってきた拓人。現社長の母・徹子からは、次の株主総会で取締役になるまでに身を固めるよう焦らされています。
一方、営業所に戻ったみどりは、バスの荷台に子供が隠れていることに気が付きます。しばらくすると、子供の担任である小川カズユキ(平岡祐太)が迎えに来ました。みどりを見て、「みどりちゃん?」と驚くカズユキ。二人は小学校時代からの知り合いです。
翌日、香川県に拓人の母が予定よりも早くやってきました。彼女は、世界一と言われる絶対音感の持ち主です。音響に厳しく、会場の音響を確認しに来た徹子。会場の下見をしていた徹子は突然、みどりに舞台に上がるよう指示を出します。そして歌を歌うよう命じる徹子。
「できません…」と断るみどりですが、「歌の歌えないバスガイドなんて、鍵盤のないピアノ!それ以下ね!」と、徹子から言われてしまいました。傷ついたみどりはその場を逃げ出し、拓人があとを追いかけます。拓人は母親のしたことを詫び、「もっとあなたのことが知りたいです。」と、みどりにデートを申し込みました。
恋とオンチの方程式のネタバレあらすじ:承
後日、拓人とみどりはデートを楽しみます。そして拓人はみどりに、「結婚を前提にお付き合いをしてください。」と告白。恋人ができたみどりはすっかり浮かれ気分ですが、栗田家の嫁の条件に、「歌って、踊れて、拍手される」と三カ条があります。みどりは徹子から再び歌を歌うよう要求され、思い切って歌うことにしました。
すると、みどりのあまりの音痴さに、徹子は倒れてしまいます。拓人は、「自分がみどりさんの音痴を何とかする!」と宣言。徹子は、今年の栗田家のファミリーコンサートは香川で開催し、そこで最終テストを行うと拓人に告げました。
それからしばらくすると、怪奇現象の噂が小学校で広まります。夜な夜な女性のうめき声が聞こえると噂があり、気になったカズユキがその現場に行くと、みどりが発声練習をしていました。みどりは、カズユキに音痴のせいで結婚を反対されていると相談します。すると、みどりに結婚を決めた相手がいることを知って、カズユキは動揺するのでした。
徹子からみどりの音痴はなおったのかと聞かれた拓人は、とっさに「専属ボイストレーナーを付けた。」と嘘をつきます。みどりとの付き合いは順調ですが、音痴はどうしようもありません。困り果てる拓人に、秘書がある情報を告げました。それは、元音楽プロデューサーが香川県に戻っているという情報でした。
拓人はさっそくその元音楽プロデューサーに会いに行きます。その音楽プロデューサーとは、カズユキのことでした。彼は人気アイドルグループのプロデューサーとして活躍していましたが、盗作の濡れ衣を着せられて香川に戻っていました。拓人は、みどりを中心としたバスガイドのアイドルユニット・さぬきバスガイドシスターズを作ろうと考えていることをカズユキに話します。
そして、さぬきバスガイドシスターズのプロデュースを、カズユキにしてほしいと頼む拓人。栗田家のファミリーコンサートで歌を披露するのですが、コンサートまであと一か月しかありません。それでもカズユキは引き受けることにしました。
恋とオンチの方程式のネタバレあらすじ:転
一方、歌の練習をしても一向に効果が見えないみどりは、仕事ではリストラの話が浮上して困っていました。すると同僚が、「いい考えがある!」と、あることをひらめきます。全国に向けて自分たちで何かアピールしていこうと考えていると、そこへカズユキが「みなさんにはご当地アイドルユニットを組んでもらいます!」とやってきます。
カズユキはすでに曲を作っており、早速練習が始まりました。発声練習から始まり、ダンスも練習しました。しかしなかなかみどりの音痴はなおりません。みどりは、「自分はみんなの足を引っ張るだけ…」と諦めようとします。しかしカズユキは、「気持ちをこめて歌えば絶対に大丈夫だから!」と励ましました。
コンサートまであと2週間となり、そんな時に新聞にバスガイドがデビューする記事が大きくとりだたされます。カズユキはどういうことかと詰め寄りますが、拓人は「ここまで大きく記事になれば、デビューさせるしかない!」と言い、みどりたちを無理やりにでもデビューさせようとします。
しかしカズユキは、「このままデビューすれば、再びみどりちゃんがトラウマになってしまう。それにみどりちゃんの歌は、人に聴かせられるレベルではない!」と言ってしまいます。それを偶然聞いてしまったみどりは、「やっぱりカズユキもそう思ってたんだ…」と、深く落ち込みました。
恋とオンチの方程式の結末
お遍路に出かけている母親から、落ち込むみどりに電話があります。「幸せは自分からジャンプして掴まないと!」と言われたみどりは、ついにファミリーコンサートの日を迎えました。一生懸命にこれまで練習してきたことをぶつけようと思うみどりですが、拓人からは「みどりさんは歌わず口パクでいい。」と言われてしまいます。「結婚のための苦肉の策なんだ…」と言われたみどりは、またも落ち込んでしまいます。
そしてついに舞台に上がる時がやってきました。何とか舞台は乗り切ったみどりですが、徹子の目は騙せません。大観衆の前で、「あなたそれでも山吹まゆきの娘なの?」と言われるみどり。実は26年前、ナマズダイナミクスは小さな音響会社でした。しかし大きく成長したのは、伝説の歌手が引退コンサートで、ナマズダイナミクスのマイクを使ったからです。そして引退の時に使ったマイクとは、実はみどりが母親からもらったマイクでした。「胸を張って歌を歌いなさい!」と徹子から言われたみどりは、思い切って大観衆の前で歌を披露します。
みどりは音痴ですが、一生懸命に歌う姿に観衆から拍手が沸き起こります。これには徹子も観念し、拓人に結婚の許しを出しました。拓人はみどりを迎えに行き、そばで見ていたカズユキは「めでたしめでたしか…」とつぶやきました。そんなカズユキに、みどりの母が声をかけます。
これまでずっとみどりのそばにいて、彼女を支えてきたカズユキ。それをみどりの母親は一番よく知っていました。みどりの母親の一声で背中を押されたカズユキは、みどりと拓人の後を追います。すると車に乗り込む二人を見つけました。急いで走るのですが、カズユキは追い付くことはできません。
一方、車に乗ったみどりは、拓人から「これからはずっと一緒だ。」とプロポーズを受けていました。しかしみどりは、「大事なことは、変わるのではなく、今ある自分のままで突き進むこと。結婚はできません。」と車を降り、カズユキの元に向かいました。
みどりは「宇宙一カズユキと幸せになりたい!」と、マイクに向かって願い事を叫びます。カズユキは「約束する。」と言って、二人は指切りげんまんするのでした。
以上、映画「恋とオンチの方程式」のあらすじと結末でした。
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