くじけないでの紹介:2013年日本映画。柴田トヨのベストセラー詩集「くじけないで」を原作とする映画です。深川栄洋監督が「百歳」を基につづる感動の物語に仕上げています。冒頭から胸がギュッとなるようなせつなく悲しい気持ちになりますが、その後の展開は美しく感動にあふれるストーリーとなります。最初はとにかく、どうしようもないドラ息子に頭にきますが、なぜこの息子が母に愛され、妻に愛されるのかなんとなく分かるようになります。90歳を迎えて以降に詩を書くようになった主人公を女優の八千草薫さんが見事に演じています。彼女は、山あり谷ありの人生を生き抜いてきた老婆を見事に好演しています。詩によって過去を演じる俳優さんたちも見事です。
監督:深川栄洋 出演:八千草薫(柴田トヨ)、武田鉄矢(柴田健一)、伊藤蘭(柴田静子)、檀れい(柴田トヨ(若い頃))、芦田愛菜(柴田トヨ(幼少時))、上地雄輔(上条医師)、ピエール瀧(藤巻)、ほか
映画「くじけないで」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「くじけないで」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「くじけないで」解説
この解説記事には映画「くじけないで」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
くじけないでのネタバレあらすじ:老いの悲しみ
柴崎トヨは夫に先立たれ、老いを感じる老婆です。体も思うように動かず塞ぎがちな毎日を送っていました。トヨには一人息子の健一がいましたが、良い年をして定食につかず、ウサギの世話をするドラ息子でした。彼は若いときから文学の同人誌作りに夢中で、現実に足のつかない毎日を送ってきました。トヨは体の具合が悪くなり、手術を受けなければならなくなりました。そんなトヨに健一の妻の静子が付き添います。彼女は仕事も持ち、家のこともしっかりやる女性で、健一には勿体無い女性でしたが、トヨにも優しくどうしようもない夫を長年支えていました。手術の当日、静子はちゃんとお母さんに付き添うように言いますが、健一は好きな競艇に出かけてしまいます。呆れ果て、静子は夫に失望します。手術の前に静子はトヨから、健一に渡してほしいという詩を渡します。詩を受け取った健一は母親に詩を書く才能があることを知ります。
くじけないでのネタバレあらすじ:詩を書こう
トヨの手術は成功し家に戻ってきます。戻ったキヨに健一は詩を書くように進めます。自分が先生になるから書き進めると良いと言います。トヨは自分の過去を振り返り詩を書きます。そして現在トヨを取り巻く人間についても詩を書きます。シングルファーザーで子供とどう向き合っていいかわからない男藤巻や、町医者として自分の仕事に疑問を持ちながらも懸命に患者と向き合う上条医師など、トヨの詩に心を救われます。また、トヨが過去を振り返りながら詩を書くことによって、彼女の波乱に満ちた人生がだんだんと分かっていきます。
くじけないでのネタバレあらすじ:母親へのプレゼント
健一は母親の詩を読んでいるうちに、このままじゃダメだと真面目に働き始めます。そして、母親に内緒にして新聞の投稿欄に母の詩を投稿すると見事に採用されます。静子はトヨにそのことを教えてあげようと言いますが、健一はもっと喜ばせたいから内緒にしてくれと言います。健一の新しい職場は印刷会社でした。印刷会社の社長に母親の詩集を印刷して出版してくれるように頼みます。そのためにお金をためる必要があるため、健一はよりいっそう真面目に働きます。ところがその印刷会社は不渡りを出してしまい、詩集の印刷も健一の正社員として採用することも見送らせてくれと言います。怒った健一は社長を殴り会社をクビになってしまいます。
くじけないでのネタバレあらすじ:母から息子への詩
途方にくれた健一は妻の貯金通帳のお金に手を出してしまいます。郵便局の女性は妻に確認は取れているかと確認しますが、健一は嘘をついてお金を引き出してしまいます。郵便局の女性は静子の知り合いで、静子の携帯に連絡します。トヨの病院に付き添っていた静子はそのことを知ります。トヨは印刷会社が不渡りを出したことを知り、静子にそのお金を競艇につぎ込むつもりだから、健一を止めてくれと静子に言います。静子は競艇で健一を捕まえます。しかし彼は結局妻が一生懸命働いたお金に手をつけることができないでいました。静子はトヨが健一に向けてかいた「くじけないで」という詩を彼に渡します。静子は健一に、このお金でお母さんの詩集を出そうと言います。
くじけないでの結末:トヨの詩集
時は経ち、トヨの詩集が出来上がりました。健一はお披露目のパーティーを近しい人を真似て開きます。母親の書いた詩を彼女が読み上げるのを見て彼は波を流します。そしてその詩の中で描いたトヨの人生に関わった様々人々が、トヨの頭の中で生き生きと描き出されます。いろいろなことがあったけれど、素敵な人生だったとトヨは思うのです。エンディングになり、実際の健一夫婦がトヨのお墓まいりをする映像が流れます。彼女は亡くなりましたが、彼女の詩集はいつまでも生き続け、彼女の人生、健一夫婦を照らしているのでした。
以上、くじけないで のあらすじと結末でした。
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