宇宙戦隊キュウレンジャーVSスペース・スクワッドの紹介:2018年日本映画。『スーパー戦隊シリーズ』と『メタルヒーローシリーズ』が融合した『スペース・スクワッド』シリーズ第3作であり、銀河系で暗躍する悪の邪教集団「幻魔空間」に対抗すべく創設されたメタルヒーローとスーパー戦隊の合同チーム“スペース・スクワッド”の初代キャプテンとなった二代目・宇宙刑事ギャバン、二代目・宇宙刑事シャイダーとスーパー戦隊第41作・宇宙戦隊キュウレンジャーの共闘を、歴代スーパー戦隊の宿敵たち、通称“スーパー戦隊ヴィランズ”の復活劇とともに描きます。
監督:坂本浩一 出演者:岐洲匠(ラッキー/シシレッド/シシレッドオリオン)、石垣佑磨(十文字撃/宇宙刑事ギャバンtype-G)、岸洋佑(スティンガー/サソリオレンジ)、山崎大輝(ナーガ・レイ/ヘビツカイシルバー/ヘビツカイメタル)、大久保桜子(ハミィ/カメレオングリーン)、榊原徹士(スパーダ/カジキイエロー)、中井和哉(ガル/オオカミブルー)、小野友樹(バランス/テンビンゴールド)、大塚明夫(チャンプ/オウシブラック)、M・A・O/市道真央(ラプター283/ワシピンク/ルカ・ミルフィ)、神谷浩史(ショウ・ロンポー)、田口翔大(佐久間小太郎/コグマスカイブルー)、南圭介(鳳ツルギ/ホウオウソルジャー)、平田裕香(メレ)、唐橋充(腑破十臓)、細貝圭(バスコ・タ・ジョロキア)、水崎綾女(エスケイプ/エスケイプ・エボルブ)、日野聡(宇宙忍デモスト)、岩永洋昭(烏丸舟/宇宙刑事シャイダー)ほか
映画「宇宙戦隊キュウレンジャーVSスペーススクワッド」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「宇宙戦隊キュウレンジャーVSスペーススクワッド」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
宇宙戦隊キュウレンジャーVSスペース・スクワッドの予告編 動画
映画「宇宙戦隊キュウレンジャーVSスペーススクワッド」解説
この解説記事には映画「宇宙戦隊キュウレンジャーVSスペーススクワッド」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
宇宙戦隊キュウレンジャーVSスペース・スクワッドのネタバレあらすじ:起
銀河系で暗躍する邪教集団「幻魔空間」。銀河連邦警察は未だに謎の多い「幻魔空間」の組織犯罪に対抗すべく、宇宙刑事ギャバン・十文字撃(石垣佑磨)をキャプテンとするメタルヒーロー・スーパー戦隊の選抜チーム“スペース・スクワッド”を編成しました。
撃によってスペース・スクワッドにスカウトされた宇宙刑事シャイダー・烏丸舟(岩永洋昭)は戸隠流忍者・36代目ジライヤ(声:赤羽根健治)と共に、「幻魔空間」の主要幹部“12使徒”のひとりである宇宙忍デモスト(声:日野聡)を逮捕すべく追い詰めましたがあと一歩で逃げられてしまい、シャイダーは超次元戦闘母艦“バビロス”を駆ってその後を追い、デモストが逃げ込んだ並行世界“もうひとつの宇宙”に吸い込まれていきました。
その頃、銀河連邦警察本部でジライヤからの報告を受けた撃は、以前共闘したことのある“もうひとつの宇宙”の戦隊、『宇宙戦隊キュウレンジャー』のことを思い出していました。(撃とキュウレンジャーとの共闘については『キュウレンジャー』テレビ本編の第18話を参照のこと)
“もうひとつの宇宙”では、キュウレンジャーがドン・アルマゲ率いる『宇宙幕府ジャークマター』との死闘に決着をつけてから早4年が経過していました。惑星チキュウにある宇宙連邦本部では、宇宙連邦大統領・ホウオウソルジャーこと鳳ツルギ(南圭介)が補佐官ロイ(出合正幸)と鳴瀬キミコ(高山侑子)を伴い、キュウレンジャーが属する組織“リベリオン”が開発した新型の“ネオキュータマ”のプレゼンテーションを行っていました。ネオキュータマはジャークマターの支配から解放された銀河系の復興のために開発されたものであり、医療・環境・エネルギーなど様々な問題を解決する切り札とされていました。
しかし、オウシ座系・惑星ダカオのリベリオン実験場に謎の女が潜入、ネオキュータマの試作品4個を強奪しようとしていました。リベリオンの総司令官にしてキュウレンジャーの上官でもあるショウ・ロンポー(声:神谷浩史)が逃げようとした女を取り押さえたところ、女の正体はキュウレンジャーの一員であるはずのカメレオングリーンことハミィ(大久保桜子)でした。唖然とするショウ・ロンポーを尻目にハミィはまんまと実験場から逃走、ショウ・ロンポーは持病のギックリ腰が再発してしまい取り逃がしました。
その頃、ヘラクレス座系・惑星ダグーでは、シシレッドことラッキー(岐洲匠)が999回目のロボレスリング防衛戦に挑むオウシブラックことチャンプ(声:大塚明夫)の応援に駆け付けていました。オオカミブルーことガル(声:中井和哉)は惑星ジャグジャグで結婚して子供も生まれており、カジキイエローことスパーダ(榊原徹士)はチキュウで経営するレストラン「グラッツェ9号店」が大繁盛。他のキュウレンジャーのメンバーはそれぞれ銀河系復興のために動いていました。ラッキーの話では、ハミィは無事に大学を卒業したとのことでしたが…。その時、臨時ニュースでハミィの起こした事件が大々的に報じられ、ラッキーとチャンプ、ガル、スパーダ、惑星ジガマにいるヘビツカイシルバーことナーガ・レイ(山崎大輝)とテンビンゴールドことバランス(声:小野友樹)は衝撃を受けました。
大統領府にはサソリオレンジことスティンガー(岸洋佑)、コグマスカイブルーこと佐久間小太郎(田口翔大)、ワシピンクことラプター283(声:M・A・O)が呼び出され、ツルギからハミィを捕らえて事情を聞き出すよう命じられました。
その頃、ハミィはデモストに盗み出したネオキュータマ4個を渡していました。デモストは秘術“天魔転生”を使い、これまで歴代スーパー戦隊を苦しめながらもこの世に未練を残して散っていった強敵たち、メレ(平田裕香)、腑破十臓(唐橋充)、バスコ・タ・ジョロキア(細貝圭)、エスケイプ(水崎綾女)の4人を復活させました。かつて『獣拳戦隊ゲキレンジャー』のライバルだったメレはあくまでも理央(『ゲキレンジャー』参照)への愛と忠誠を誓い、デモストに非協力的な態度を取りましたが、デモストは有無を言わさずメレを洗脳、4人にハミィを加えるとある計画を実行に移しました。
宇宙戦隊キュウレンジャーVSスペース・スクワッドのネタバレあらすじ:承
かつて『海賊戦隊ゴーカイジャー』と戦っていたバスコはリベリオン実験場を調査中のスティンガーと小太郎、ラプターを襲撃、かつて『特命戦隊ゴーバスターズ』と戦っていたエスケイプは「グラッツェ9号店」のスパーダを襲撃、そしてハミィと腑破十臓、デモストはナーガとバランスを襲撃しました。ラプターからの報告を受けたツルギは、ハミィがバスコらと組んでいることが証明されたことに困惑を隠せませんでした。
チキュウに向かったラッキーとチャンプは、そこで若い女性たちをナンパしていた烏丸舟と出くわしたところでメレの襲撃を受けました。しかし、舟から「そんな怖い顔しないで、俺と“愛”を語り合おうよ」と言われたメレは一瞬だけ理央のことを思い出し、そのまま姿を消しました。以前に撃と共闘したことのあるラッキーは、同じ宇宙刑事である舟と手を組むことにしました。
大統領府に向かったラッキーとチャンプ、舟はツルギやスティンガー、小太郎やラプターと再会しましたが、舟は早速キミコをナンパしようとしました。そこにナーガとバランスも合流、ハミィがデモストと行動を共にしていることを告げました。ロイとキミコの提言を受け入れたツルギは、ハミィを信じたいラッキーの反対を押し切ってハミィとデモストを全宇宙指名手配するよう命令を下し、スティンガーはツルギに同調しました。ラプターはオウシ座系・惑星ダカオで入院しているショウ・ロンポーに連絡、無理やり退院したショウ・ロンポーはラッキーたちにハミィを誘き出すための作戦を提案しました。
一方、デモストからネオキュータマ量産化のための生産工場を襲撃すると予告されたツルギはスティンガーやラプター、ナーガやバランスとともに先回りし、潜入してきたハミィと対峙しましたが、ハミィは「私は今、捕まる訳にはいかないの」と言うとその場から逃げ出しました。そこにラッキーとチャンプ、スパーダと小太郎が駆け付けてハミィに加勢しました。ハミィが理由なしに悪事に手を染める訳がないと主張するラッキーに対してツルギは彼女を重罪に問うと宣言、ここにキュウレンジャーは分裂の時を迎えました。
宇宙戦隊キュウレンジャーVSスペース・スクワッドのネタバレあらすじ:転
ラッキーはシシレッドに、チャンプはオウシブラックに、スパーダはカジキイエローに、小太郎はコグマスカイブルーに、そしてラッキー側についたガルも駆け付けてオオカミブルーに変身、ツルギらに飛びかかりました。ツルギもホウオウソルジャーに、スティンガーはサソリオレンジに、ラプターはワシピンクに変身して応戦しました。中立を守るナーガとバランスはそれぞれヘビツカイシルバーとテンビンゴールドに変身して争いを止めようとしましたが対立は激化するばかりでした。
かつての仲間たちの同士討ちに耐えられなくなったハミィはその場から逃げ出そうとしましたが、メレに「悲劇のヒロインみたいな顔して、バカじゃない?」と止められました。そこに舟が現れ、続いてショウ・ロンポーも現れました。ショウ・ロンポーは「ハミィ、君がやりたいことを止めるつもりはない。人には言えない理由があるからね。けど、覚えてくれたまえ。離れていても心はひとつ。それがキュウレンジャーだ」と優しく諭しました。しかし、ハミィはメレと共にいずこへと姿を消しました。
一方、争いを止めようとしないキュウレンジャーの上空に超次元高速機ドルギランが現れ、ギャバンtype-Gが乱入して闘いに待ったをかけました。蒸着を解いた撃はラッキーに「見損なったぞ。お前はそれでも救世主か?」と投げかけました。撃はジライヤが解析したデモストの秘術を応用してこの“もうひとつの宇宙”にやってきたのです。
その頃、デモストのところに戻ったハミィは、「お師匠に会えなくなってもいいのですか?」と脅されていました。ハミィはメレに、なぜ自分がデモストと組まざるを得なくなったのか語りだしました。一般人として暮らしていたハミィは、突然現れたデモストから師匠・鶴菊(広瀬仁美)のことを聞かされていました。鶴菊はジャークマターとの戦いで命を落としたものと思われていましたが実は生きており、しかし重篤の身であり命の危機にあるというのです。ハミィは藁にもすがる思いでデモストの口車に乗ってしまっていたのです。メレはいつしか互いに“大切な人”がいることと、同じ“カメレオンの戦士”であるハミィに共感を覚えるようになっていきました。
その頃、「グラッツェ9号店」では、再びデモスト捜索に向かった舟を除く撃とラッキー派のメンバーらが対策を話し合っていました。以前共闘したことによりラッキーの実力の高さを認めていた撃は彼をスペース・スクワッドにスカウトしようと考えていたのですが取りやめようかなと話すと、キュウレンジャーが宇宙を救うカギとなった“絆”を信じて仲間割れしたツルギたちも信じてやりなよと諭しました。一方、大統領府を訪れていた舟も、ツルギに「悩むなよ。簡単な問題をバカみたいに難しく考えている」と諭し、悪を倒す一番の近道として辛いことは全部忘れちまって、面白いということをすべきだとアドバイスを送りました。そして舟はナーガとバランスにある頼みごとをしました。
宇宙戦隊キュウレンジャーVSスペース・スクワッドの結末
鶴菊ならばこんな自分を許してくれないと悟ったハミィは意を決し、デモストたちと袂を分かってキュウレンジャーに戻る意思を伝えました。メレがハミィをけしかけたと感じたデモストは彼女に斬りかかり、十臓は人質となっていた鶴菊をハミィの前に連れてきました。デモストはハナからハミィを助ける気はなく、この“もうひとつの宇宙”を「幻魔空間」教祖フメインに献上するためだけにハミィを利用しようとしていただけであり、そのためにも目障りなキュウレンジャーを崩壊させる必要があったのです。デモストは絶望するハミィに、ツルギを暗殺するよう命じました。
ツルギはハミィ捜査に関する緊急記者会見を開くことにしました。スティンガーとラプターが警護する会場には記者に変装したハミィ、そしてバスコや十臓、エスケイプも潜入しました。演説台に立ったツルギは詰めかけた報道陣に対して、ハミィ事件の責任を取って大統領を辞任すると宣言、会場中の人々を驚愕させました。そこにラッキーが現れ、ツルギの真意を問い正そうとしたその時、変装を解いたハミィがツルギに襲い掛かってきました。しかし、ハミィはツルギを手にかけることはできず、エスケイプが発砲してきたことから会場内は騒然としました。スティンガーとラプターはエスケイプが変身したエスケイプ・エボルブと、スパーダと小太郎はバスコと、ガルとチャンプは十臓と対峙しました。
ツルギは「大統領を辞めれば、俺様もキュウレンジャーの一員だ」と語り、ラッキーは決め台詞の「よっしゃ、ラッキー!」と共に改めてツルギとハミィをキュウレンジャーに迎え入れました。ツルギはキミコの正体がデモストが変装したものであることを見破っており、駆け付けた撃や舟と共に正体を明かすよう迫りました。キミコの正体は舟に依頼されたナーガとバランスが突き止めてくれていたのであり、本物のキミコはデモストに殺害されていたのです。キミコは遂に本性を現し、ハミィに自分の側につくよう迫りましたが、幸いにも鶴菊はナーガとバランスによって助け出されており、ハミィは迷うことなくキュウレンジャー側につきました。変装を解いたデモストはハミィに斬りかかりましたが、駆け付けたメレが「蘇らせるなんて…余計なことを!」と代わりにその刃を身に受けました。この世に未練などないと言い切ったメレは、ハミィに後悔のない人生を歩むよう告げて優しく抱き寄せ、そのまま静かに再び死の世界へと戻っていきました。
怒りを爆発させたハミィは闘いの輪に加わり、再び絆を取り戻したキュウレンジャーは変身、ラッキーは最強形態のシシレッドオリオンに、ナーガは強化形態のヘビツカイメタルに変身しました。撃はギャバンtype-Gに蒸着、舟はシャイダーに焼結、キュウレンジャーとともに忍法で分身したデモストに立ち向かいました。デモストの分身のひとりは単身カメレオングリーンに襲い掛かり、変身解除に追い込みましたが、ハミィは「私の忍法は宇宙の力を守るための力!」と奮い立ち、デモスト分身を撃破しました。キュウレンジャーを苦しめていたバスコや十臓、バスコも力を失って再び死の世界に戻り、本物のデモストは撃と舟に逮捕されました。
鶴菊はハミィの成長を讃え、撃は自首したハミィにこの“もうひとつの宇宙”は管轄外なのでツルギに処遇を一任しました。大統領の座に戻ることにしたツルギは、今回の一件が全てデモストの犯行であるとしてハミィに温情を与えることにし、大学を卒業したばかりのハミィに教師となってこれからの子供たちを導くよう告げました。撃は改めてラッキーをスペース・スクワッドにスカウトしましたが、ラッキーはこの宇宙でまだやり残したことがあると返事を保留、撃は再会を約束すると「よろしく勇気!」と告げ、舟と共に元の宇宙へと戻っていきました。
キュウレンジャーの面々が「グラッツェ9号店」で食事をしていると、そこに『海賊戦隊ゴーカイジャー』の“ゴーカイイエロー”ことルカ・ミルフィ(市道真央)が現れました。ルカは決め台詞の「うっさいバーカ!」を発しながらラプターのマカロンを盗もうとし、ハミィはなぜかラプターとルカの声が似ていることに気が付きました。
その頃、銀河連邦警察本部では、撃と舟がジライヤから銀河各地で相次ぐ超高層ビルの火災に「幻魔空間」が関与しているとの報告を受けていました。撃は事件の解明とともに人命救助も必要と考え、“レスキュー関連の戦士”をスカウトする考えを示唆しました。
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