リトル・フォレスト 夏・秋の紹介:2014年日本映画。講談社から出版された一人の女性が小さな北国の自然あふれる村で暮らしていく様子を描いた漫画を原作としています。作者は男性ですが、実際に北国の小さな村で生活した経験を元に漫画を描いています。「夏・秋・冬・春」の4部作で構成されており、「夏・秋」と「冬・春」に分けて上映されました。「夏・秋」は「冬・春」の前編であり、後作品よりもストーリー展開に動きがなく、自然の美しさや厳しさの方を重点的に描いています。一人の若い女性がなぜ、これほどまでの山奥の田舎で暮らしているのか疑問に思いますが、その謎が物語が進むにつれて明らかになっていきます。
監督: 森淳一 出演: 橋本愛(いち子)、三浦大貴(ユウ太)、松岡茉優(キッコ)、温水洋介(シゲユキ)、桐島かれん(福子)ほか
映画「リトル・フォレスト 夏・秋」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「リトル・フォレスト 夏・秋」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
リトル・フォレスト 夏・秋の予告編 動画
映画「リトル・フォレスト 夏・秋」解説
この解説記事には映画「リトル・フォレスト 夏・秋」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
リトル・フォレスト 夏・秋のネタバレあらすじ:夏・・・夏に作るパン
いち子は北国の小さな村の一軒家で一人で暮らしています。一人の若い女性が暮らすには不似合いな田舎の一軒家で自然の恵みを活かして、食物を育て料理をしています。梅雨の時期がやってきました。もうすぐ暑い夏がやってきます。いち子は梅雨のじめじめ解消のために薪ストーブを焚きます。そのストーブを使って彼女はパンを作るのでした。彼女の脳裏にはかつて一緒に暮らしていた母の姿が時折浮かびます。母は幼いいち子を連れてこの田舎にやってきました。自然と共に二人田舎暮らしをしていましたが、彼女が学生服を着るような年になると、母親はこの田舎から姿を消していきました。いち子は母親はつきあっていた男性の元へ行ったのだと漠然と思っていました。母親と彼女の関係はどこかで絆で結ばれているような、逆に断ち切られたような関係にも感じる不思議な関係でした。
リトル・フォレスト 夏・秋のネタバレあらすじ:夏・・・友達と米サワー
いち子は一人で暮らしていましたが、孤独ではなく時折友達が遊びにきました。甘酒にドライイーストを混ぜて発酵させて作る「米サワー」を幼馴染でUターン組のユウ太と楽しんでいたりしました。ユウ太とバイトに行ったイワナの養殖場で食べた「イワナの味噌汁」、畑の野菜と木の実で作ったウスターソースやヌテラ、グミの実をジャムにしたものなど、いち子は田舎での暮らしを友達と共に、食と共に楽しんでいるように見えました。
リトル・フォレスト 夏・秋のネタバレあらすじ:秋・・・お米作り
いち子の一年の暮らしの中で大きな仕事とも言える、「お米作り」は田植えから収穫まで彼女は丁寧に淡々と仕事を行っていました。そしてそのお米を収穫する秋となりました。自分で作ったお米でおにぎりを作るいち子はかつての都会での生活を思い出します。いち子は田舎を離れ都会に出ていったことがありました。その頃にいち子は母親の居なくなった田舎暮らしが嫌になり、確かなものを探しに都会へと出ていったのでした。都会ではコンビニでアルバイトをする毎日でした。そのアルバイト先で良い仲になりかけた男性がいました。彼のためにお弁当のおにぎりを作るいち子。しかし彼女は彼が友達と会話をしているのを耳にします。「手作りのものをプレゼントしてくる女ってうざい。」と。いち子は彼にお弁当を渡すのを辞めます。確かなものを求めに都会に出ましたが、何も掴めずに田舎へ帰ってきたことを思い出します。
リトル・フォレスト 夏・秋のネタバレあらすじ:秋・・・友達からの言葉
いち子にはもう一人幼馴染の友達がいます。親友にキッコも同じく自然に恵みの中で楽しみながら生活をしていましたが、いち子とは違って田舎暮らしに何かを求めて一人で生活をするよりも、現実的にアルバイトをしながら何か答えを求めることなく自分らしく暮らしていました。キッコと食を楽しんでいるときも、いち子は自分との違いを感じるのでした。ユウ太となぜ田舎へUターンしてきたのかと話しをしているうちに、彼の言葉から自分の中の空虚さに気づいてしまいます。ユウ太は「いち子は田舎で工夫しながら一人暮らしをして偉いと思う。でもいち子はこの田舎での暮らしに、どこか他人事のようだ。」と言います。いち子は自分の中で何か決着を付けるために、田舎をもう一度離れなければならないと漠然と感じるのでした。
以上、「リトルフォレスト夏・秋」のあらすじと結末でした。
コロナ禍で疲れた心を癒したくて見ましたが正解でした。
大きな山場とかは無いのですが主人公の淡々とした生活と共にとてもゆっくりストーリーが進みます。田舎のいいところだけではなく大変なところもきちんと描写していますが、スローライフを送ってみたい、人生を見つめなおしてみたいと思えました。自然の恵みを使った日々の料理が本当に美味しそうです。