ロストクライム -閃光-の紹介:2010年日本映画。1968年に起きた3億円強奪事件をベースにした、ジャーナリスト出身の永瀬隼介の著書『閃光』の映画化です。迷宮入りした3億円強奪事件を知る人にとっては、実際の事件を忠実に再現しながら、進むストーリーは興味深く考えさせられるものがあります。映画界、テレビ界、Vシネマ界の名優たちが揃った大作です。
監督:伊藤俊也 出演者:渡辺大(片桐慎次郎)、川村ゆきえ(津村多恵子)、武田真治(宮本翔大)、矢島健一(藤原孝彦)、菅田俊(宍倉文平)、春田純一(三浦辰男)、伊藤明賢(杉田聡)、中田喜子(滝口俊江)、烏丸せつこ(女将)、熊谷真実(緒方晴子)、かたせ梨乃(真山恭子)、奥村知史(緒方純)、中村映里子(学生時代の真山恭子)、斎藤歩(飯島甲子雄)、ダイヤモンド勝田(金子彰)、針原滋(葛木勝)、飯田裕久(結城稔)、宅麻伸(吉岡健一)、原田芳雄(高村英治)、夏八木勲(緒方耕三)、奥田瑛二(滝口政利)ほか
映画「ロストクライム 閃光」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ロストクライム 閃光」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「ロストクライム 閃光」解説
この解説記事には映画「ロストクライム 閃光」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ロストクライム 閃光のネタバレあらすじ:起
隅田川の河口で中年男性の遺体が引き揚げられます。立ち会った若い片桐刑事はこの事件の捜査メンバーに選ばれます。捜査会議が始まり、被害者がラーメン店の店主・葛木勝だと知らされるとベテランの滝口刑事が、「私がこの周辺に詳しいので、被害者の身辺調査を担当します」と手を上げて言います。すると捜査本部長の杉田が「片桐刑事とコンビでやってくれ」と言いました。
ベテランの滝口に自己紹介する片桐ですが、「そんなことはいい、いくぞ」と言ってラーメン店に向います。妻に話を聞くと、恨みをかう人ではないようですが、ラーメン店を維持するために1000万以上の借金があることがわかります。ラーメンを御馳走になると、滝口は片桐を置いて単独行動をとりはじめます。捜査会議にも来なくなった滝口の事を知り、片桐は杉田らに馬鹿にされます。
そのころ滝口は、今は引退してる元刑事の高村と会っていました。そして昭和43年の3億円強奪事件の話を持ち出したのです。・・・二人は状況証拠から緒方純という少年を割だし、自宅を訪ねます。母親が出て来ると「純はいません」と怒った口調で対応します。高村は滝口の肩を叩き家を離れます。その夜、純は青酸カリを飲んで自殺したのです。その緒方の家は葛木のラーメン店のすぐそばでした・・・。
「あの日、強引に家に入っていれば解決できていたかもしれない。だからそのヤマを掘り返すつもりだ」と言う滝口に、高村は何も言えませんでした。その滝口は、愛する妻・俊江に先立たれ一人暮らしをしていて、一方片桐は、元デリヘル嬢の多恵子と、警察には内緒で同棲していました。
ロストクライム 閃光のネタバレあらすじ:承
滝口は片桐を自宅に呼び、当時の3億円強奪事件の調書を見せます。容疑者の中には、先日殺された葛木のほかに自殺した緒方、吉岡、金子、結城の4人がリストアップされていました。現在吉岡は病院の院長、金子は暴力団の組長、結城は日雇い人夫でした。葛木が殺されたのは、3億年強奪事件が絡んでいると見ていたのです。
夜、片桐に月刊新時代の宮本翔太が話しかけます。「片桐刑事が元デリヘル嬢と同棲していることを藤原管理官は知っています。更に、ラーメン店主殺しに絡めて、昔の3億円強奪事件の事を調べていることも知っています。あの事件は警察が封印したんです。だから身の安全のためにもマスコミとくっついていた方がいい」と言ったのです。
片桐は滝口に3億円事件の話を詳しく聞きます。滝口は「自殺した純の親父は現役の警察官だった。警察官の息子が犯人だったらヤバいだろう」と言います。滝口は藤原管理官に話をしに行きますが、藤原は「定年まで1か月、のんびり過ごせ」と言われ、滝口と片桐は捜査メンバーから外されてしまいます。
滝口は昔なじみのホテルの一室を借り、片桐と宮本に会います。宮本は、極秘扱いされていた結城の調書を持っていました。宮本は「この調書を見せる代わりに、新しい情報が欲しい」と言います。調書に目を通した滝口は、宮本に「あの事件には6人目のメンバーがいたんだ、そしてその6人目がリーダーだった。真山恭子という女で、父親が警視庁No.2の警視監だった。だから事件に蓋をしたんだ」と教えます。
・・・あの頃、恭子ら6人は学生運動に夢中で、恋人同士の恭子と純が実質メンバーを仕切っていました。3億円強奪事件も、純が一人で金を奪い、残りの5人は逃亡と、金を隠す役だったのです・・・。
ロストクライム 閃光のネタバレあらすじ:転
結城が殺され、身の危険を感じた吉岡と金子が恭子のクラブにやってきます。3人は逃亡を図りますが、途中で恭子が金子を射殺します。滝口は、刑事仲間の三浦を使い、ホームレスになっている純の父親の耕三を見張らせます。しかし片桐が、仲間だと思っていた三浦に騙され杉田らに捕まってしまいます。
「3億円事件から手を引けば何もなかったことにしてやる」と脅されている時、杉田に金子が殺された一報が入ります。一瞬杉田がひるんだ隙に逃げ出した片桐は、滝口のホテルに逃げ込みます。しかしホテルの周辺は杉田らに包囲されていたのです。滝口は片桐二GPSがつけられているのを見つけます。片桐は多恵子を呼び出し、逃げ切ります。
そのころ恭子は吉岡はホテルにいました。恭子が学生運動中に催涙弾を足に直撃されたことがありました。その傷を手術したのが、医者を目指していた吉岡でした。その日二人は一夜だけ愛し合い別れます。そして何十年ぶりの再会に、二人は激しく愛し合います。
滝口は片桐を連れ、宮本のアパートに向います。部屋にいた内縁の妻から「宮本の父は、3億円強奪事件で盗まれた金を積んでいた輸送車の運転手でした。そのことで犯人と間違われ逮捕され厳しい取り調べを受け、誤認逮捕だったと釈放されたんですが世間の目からは犯人だとみられ、首を吊って自殺しました。その第一発見者が6歳の翔太だったんです」と話します。
それを聞いた滝口は「宮本に真山恭子の事を話したのは間違いだった」とその場に崩れたのです。その宮本は、ホテル近くで恭子が出て来るのを待ち伏せし射殺します。恭子の死を知った吉岡は「今度はオレの番だ」と恐怖におののきます。
ロストクライム 閃光の結末
滝口は、盗聴されている携帯を使い吉岡に電話をかけ「保護してやるから、この場所で待て」と指示します。言われた場所で待つ吉岡は宮本に撃たれてしまいます。瀕死の吉岡に、「あの金はどこにある」と聞きます。吉岡は「純が死んだことで、金は全部燃やした」と言って息を引き取ります。滝口は、杉田らがあえて宮本を捕まえずに、3億円事件の犯人を殺させている事がわかったのです。
滝口は片桐を連れホームレスの緒方耕作に会いに行きます。滝口は「息子が死んで事件を封印したと思っているようだが、実は犯人グループの真山恭子の父親は、警視監だったんだ。だから警視監と警察を守る為に封印したんだ。息子の死はムダ死にだ」と耕作に言います。
耕作は純が死んだ日の事を話します。・・・自宅に戻った耕作は純を殴り飛ばします。純は「オレがやったんだ」と怒鳴りながら2階に上がります。それを見た妻の晴子がサイダーと青酸カリの入ったグラスを二つ持って階段を上がります。耕作はそれを見逃します。晴子はサイダーを純に飲ませます。母も死ぬ気だと思った純は、母のグラスを投げ飛ばし一気に飲み干します。晴子はキッチンに降りてきて、再度青酸カリを飲もうとしますが耕作が止め、2階に上がります。瀕死の順を見た耕作は、晴子が純と心中しようとしていたのを黙って見ていたことを後悔したのです・・・。
話を聞いた滝口は「誤認逮捕した宮本が自殺し、その息子が犯人だ」と教えます。その時、宮本が耕作を狙って発砲します。耕作は橋の上の宮本に飛びかかって行きます。銃弾を一発くらったものの、揉みあいになり橋から川に落ちます。滝口、片桐が助けようと飛び込みますが、やがて片桐以外は水面に誰もいなくなりました。橋の上では杉田らが見張っています。
片桐と滝口の自宅、そしてホテルが家宅捜査されますが、証拠の書類は出てきません。書類は、ホテルの女将が検察庁長官宛の封書に入れ持っていて、取り調べを受ける片桐は、黙秘を続けていました。
以上、映画「ロストクライム -閃光-」のあらすじと結末でした。
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