下衆の愛の紹介:2016年日本映画。金も仕事もないアラフォーの映画監督テツオ。才能あふれる女優の卵ミナミと出会ったテツオは彼女を主演にした映画を撮ろうと思い立ちますが、事態は思わぬ方向へと向かっていき…。映画の魅力に憑りつかれた冴えない中年下衆男の悲喜こもごもを描くヒューマンドラマ。主演の映画監督テツオを演じるのは個性派俳優の渋川清彦。古舘寛治、でんでんら名バイプレーヤーが脇を固めています。
監督:内田英治 出演者:渋川清彦(テツオ)、岡野真也(ミナミ)、忍成修吾(ケン)、細田善彦(マモル)、内田慈(響子)、古舘寛治(加納監督)、津田寛治(新庄監督)、でんでん(貴田)、ほか
映画「下衆の愛」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「下衆の愛」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
下衆の愛の予告編 動画
映画「下衆の愛」解説
この解説記事には映画「下衆の愛」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
下衆の愛のネタバレあらすじ:起
40歳間近の映画監督テツオ。彼は過去にインディーズの映画祭で賞を取ったことがあるものの、最近はまともな映画を撮ることもできず、鬱屈した毎日を送っています。金のないテツオは主宰する劇団の団員達から高い授業料を巻き上げ、日々の生活費の足しにしていました。テツオに心酔するゲイの助監督マモルもまた偽物のハメ撮り動画をチンピラ達に売りつけて日銭を稼いでいました。
そんなある日テツオの劇団に新たな劇団員が二人加わることになりました。田舎から出てきた女優志望の少女ミナミと脚本家志望の青年ケンです。劇団の稽古日、テツオは即興芝居で素晴らしい演技を発揮したミナミにすっかり惚れ込んでしまいます。そしてケンが書いてきた脚本「愛の果て」でミナミを主役にした映画を撮ろうと意気込みます。脚本を読んだプロデューサーの貴田もこの映画はいけると太鼓判を押してくれました。
次第にミナミへの演技指導に熱が入っていくテツオ。ミナミはテツオからセクハラまがいの行為を強要されつつも、厳しい稽古に耐え続けます。一方では穏やかで聡明なケンに恋心を募らせていきます。テツオは居酒屋で出会った楓に一目ぼれされ、楓の家に転がり込みます。
下衆の愛のネタバレあらすじ:承
新人のミナミに主役を奪われた劇団員達は面白くありません。中でも女優として這い上がるため何度となくテツオと寝てきた響子は激しく反発します。響子はマオルと組んでミナミを主役から降ろそうと画策しはじめます。ある晩響子とマモルは馴染みの居酒屋に商業映画の世界で成功している加納監督を招き、飲み会を開きます。響子は加納のファンだというミナミをわざと監督の隣に座らせます。そこにタイミング悪くテツオが飲みにやってきました。テツオは自分の知らないところで飲み会がセッティングされたことを知って激怒します。テツオは商業映画に魂を売った男だと加納を痛烈に批判しますが、マモルからみっともないと一蹴されてしまいます。
居酒屋を退散したテツオでしたが、その帰路で胸騒ぎを覚え、響子のアパートへと急ぎます。アパートでは泥酔したミナミが加納と性行為に及んでいる最中でした。テツオはミナミを汚されたことに激しくショックを受け、自暴自棄になっていきます。
下衆の愛のネタバレあらすじ:転
その後、加納監督の愛人となったミナミは劇団を去っていき、マモルも加納の下で働きはじめるようになりました。さらに「愛の果て」の企画までも加納に奪われる危機に直面します。激高したテツオは加納のプロダクションに殴り込みにいきますが、暴れるどころか取り押さえられてしまいました。マモルはすべてを失ったテツオが哀れになり、再び劇団に戻る決心をします。
一方ミナミは加納の秘蔵っ子としてテレビでも活躍の場を広げていき、瞬く間に人気女優として注目を浴びていきます。かつてのような純真さを失ってしまったミナミは体を使って仕事を得ることにもはや抵抗を感じてはいませんでした。
テツオとマモル、ケンは再び新たな映画制作に向けて動きだしますが、制作資金は簡単には集まりません。楓はテツオのために身体を売って金を稼ぎますが、それを知ったテツオは楓を軽蔑し、汚いと吐き捨てます。さらにマモルの不正がばれ、チンピラ達に監禁されてしまいます。テツオは貴田の力を借りて何とかマモルを助け出します。
一方ミナミはマゾの演出家新庄に近づき、自分を主演として使い続けるよう誘惑します。翌朝ケンが劇団で清掃をしていると、そこへミナミが駆け込んできました。ミナミが抱きしめて欲しいと呟くと、ケンは彼女を優しく抱き寄せました。しかしミナミは結局ケンへの気持ちを断ち切って帰っていきます。
下衆の愛の結末
心を入れ替えたテツオは加納に謝りに行き、機会があれば助監督として使って欲しいと頼みにいきます。加納は映画という厄介な女にハマってしまったのだから、とことんやってみればいいとエールを送ります。
ある晩テツオはロケ中のミナミに会いにいきます。そこには演出家に脚本を売り込みに来ていたケンの姿もありました。テツオはミナミの前に跪き、自分の映画に出て欲しいと頼みますが、ミナミは監督の映画では自分のギャラは支払えないと断ります。ケンは跪いたまま動こうとしないテツオを抱え、ミナミに君のために脚本を書き、テツオに監督をしてもらうと宣言します。その後テツオは久しぶりに映画の脚本を書きあげます。脚本を読んだ貴田からは今のご時世なら動物を入れた方がヒットするとアドバイスされました。
妙なこだわりを捨てたテツオは早速近所の猫屋敷を撮影しに行ってみると返します。打ち合わせを終え、貴田と別れたテツオとマモルは新しい映画作りに向けてなおも熱く語り合います。しかしその背後にはバットを持った覆面の男達が二人に襲い掛かろうとしていました。
以上、映画「下衆の愛」のあらすじと結末でした。
この映画の感想を投稿する