岬の兄妹の紹介:2018年日本映画。片山慎三監督の長編デビュー作。障害のある兄と自閉症の妹、貧困に喘ぐ兄妹が不器用ながら生きていく姿を壮絶な形で描いています。何とも言い様のない衝撃的なシーンの連続の中に生まれる確かな兄妹の絆に胸が詰まるような思いにさせられてしまいます。
監督:片山慎三 出演:松浦祐也(道原良夫)、和田光沙(道原真理子)、北山雅康(溝口肇)、中村祐太郎、岩谷健司、時任亜弓、ナガセケイ、松澤匠、芹澤興人、荒木次元、杉本安生、風祭ゆき、ほか
映画「岬の兄妹」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「岬の兄妹」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
岬の兄妹の予告編 動画
映画「岬の兄妹」解説
この解説記事には映画「岬の兄妹」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
岬の兄妹のネタバレあらすじ:起
とある港町造船所で働く良夫(松浦祐也)は、右足が上手く動かないという障害を持っています。妹の真理子(和田光沙)は自閉症で、体は大きくても小さな子供のままでした。目を離すと何処に行くのか、何をするのか分からないので鍵を閉めて仕事に行く良夫でしたが、真理子はまたいなくなります。
懸命に探す良夫でしたが、真理子の迷子札を見て男性が保護し、車で送ってくれました。帰ってきた真理子を風呂に入れる時に衣服のポケットから一万円が出てきます。さらに下着からは男の体液のようなものがべったりと付いていたのです。
良夫は不景気のため造船所をクビになります。内職をするも生きていくためのお金には程遠く、ゴミを漁ったりティッシュを食べたりして飢えを凌いでいきますが、いよいよ家賃が滞り、電気まで止められてしまいます。
岬の兄妹のネタバレあらすじ:承
やたらと外に出たがる真理子を連れ、ふと閃いた良夫はパーキングエリアに行き、妹を売春して回ります。何故か楽しそうな真理子に困惑するも、生きるために良夫は売春を続けていくのでした。
小さなビラをマンションや家の郵便受けに撒いて回る。思った以上に成果があり、ようやく人間らしい生活が送れるようになりました。ヤクザに脅されたり、高校生の集団のいじめのネタにされたり、世話になっている友人に非人道的と詰られながらも、二人の生きていくための仕事として続けるしかありませんでした。
岬の兄妹のネタバレあらすじ:転
やがて真理子が妊娠してしまいます。こうなることは分かりきっていました。子供を堕ろすにもお金が要ります。今すぐそんな大金を払えない良夫は、時期的に子供の父親に違いないと思われる中村くんに会いに行きます。
中村くんは小人症の男性で、真理子の常連でした。特に真理子は中村くんを気に入っていたので、もしかしたらという思いも良夫にはありました。しかし中村くんは逆ギレ、結婚どころか堕ろして当然とまで言われてしまうのでした。
落ち込む良夫に造船所から、人が辞めたからまた働かないかと言われます。あまりにも都合のいい話に良夫は憤りました。
岬の兄妹の結末
家に帰ると真理子は気持ちよさそうに寝ています。良夫は手に持ったブロック石を振り上げます。このまま真理子の頭に打ち付けようとした時、ふと真理子のお腹に目がいきました。そこにも命がある…。良夫はどうすればいいのか分からなくなります。
翌日、真理子は良夫にお気に入りの貯金箱を差し出します。いつのまにか貯まっていたお金は下ろすことができる程になっていたのです。そして真理子は再びいなくなります。いつものように探し回る良夫。そして岸壁に立っている真理子を見つけるのでした。
良夫の携帯が鳴り、電話に出た良夫はどこか困惑の表情を浮かべています。そして海を見ていた真理子が振り返りました。
以上、映画「岬の兄妹」のあらすじと結末でした。
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