ミスミソウの紹介:2017年日本映画。押切蓮介の同名漫画作品を実写映画化したサイコ・スリラーです。学校で執拗ないじめを受け、家族を殺された転校生の女子中学生が一転して凄惨な復讐を繰り広げていきますが、その先には予想もせぬ結末が待ち構えていました…。
監督:内藤瑛亮 出演者:山田杏奈(野咲春花)、清水尋也(相場晄)、大谷凜香(小黒妙子)、大塚れな(佐山流美)、中田青渚(橘吉絵)、紺野彩夏(加藤理佐子)、櫻愛里紗(三島ゆり)、遠藤健慎(久賀秀利)、大友一生(真宮裕明)、遠藤真人(池川努)、森田亜紀(南京子)、玉寄世奈(野咲祥子)、戸田昌宏(野咲和生)、片岡礼子(野咲花菜)、寺田農(野咲満雄)ほか
映画「ミスミソウ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ミスミソウ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ミスミソウの予告編 動画
映画「ミスミソウ」解説
この解説記事には映画「ミスミソウ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ミスミソウのネタバレあらすじ:起
東京から田舎町に転校してきた女子中学生の野咲春花(山田杏奈)は、同じように東京から転校してきたクラスメイトの相場晄(清水尋也)と仲良くなりました。しかし、かねてから相場に目を付けていたクラスの女王的存在の小黒妙子(大谷凜香)はこれを快く思わず、春花は妙子の取り巻きから壮絶ないじめを受けるようになっていきました。いじめに気付いた春花の父・和生(戸田昌宏)と母・花菜(片岡礼子)は担任の南京子(森田亜紀)に相談するも南は事なかれ主義であり何の解決策にもならず、両親は卒業まであと2ヶ月だからと春花に登校拒否を勧めました。
春花が学校に来なくなったことで、今度は春花が来る前のクラスのいじめられっ子だった佐山流美(大塚れな)が代わりにいじめられるようになりました。クラスのいじめっ子たちは流美に、いじめを止めてほしければ春花を学校に連れてこいと命令、説得に失敗した流美は更にいじめられ、その際に「(春花を)ぶっ殺してやりたい。やってやる」と発言しました。
ミスミソウのネタバレあらすじ:承
その日、春花は相場と森の中を散歩していました。相場は春花に、雪の中でも力強く咲く花“ミスミソウ(雪割草)”の話をしました。春花が家に戻るとそこは火の海と化しており、妹の祥子(玉寄世奈)は助けられたものの意識不明の重体、両親は既に死亡していました。両親を失った春花は祖父の満雄(寺田農)に引き取られ、気丈にも学校に通い始めました。その放課後、春花はいじめグループの橘吉絵(中田青渚)、加藤理佐子(紺野彩夏)、三島ゆり(櫻愛里紗)に裏山に呼び出されました。実は春花の自宅の火災はいじめグループによる放火であり、吉絵は悪びれることなく春花に自殺を強要、馬乗りになって首を絞めてきました。その時、春花は咄嗟にそばにあった釘を拾うと吉絵の右目に突き刺して殴り殺し、その場にいた理佐子とゆりをも惨殺しました。この時から春花の命を賭けた壮絶な復讐劇が幕を開けたのです。続いて春花は下校中だったいじめグループの一人、久賀秀利(遠藤健慎)にナイフで切りかかり、逃げた秀利は森の斜面に足を滑らせて転落死しました。次々とグループの仲間たちが行方不明となったことを不審に思った真宮裕明(大友一生)と池川努(遠藤真人)は春花の仕業とにらみ、ボウガンで狙撃しようとしましたが二人とも返り討ちに遭い殺害されました。
ミスミソウのネタバレあらすじ:転
そんなある日、一連の事件に一切関与していない妙子は春花と会い、誤解が解けて打ち解け合いました。妙子は高校卒業後に東京に出て美容師の専門学校に行きたいと希望していましたが強権的な父親に却下されていました。妙子は春花を相場に取られたと思い込んでいじめに走っていたのです。春花はそんな妙子を赦し、二人は友情を持つようになりました。しかし、その様子を見ていた流美は妙子の帰りをナイフで襲い、美容師への夢を断ち切るかのように執拗に腕を刺し続けて逃亡しました。
その頃、学校では失踪した生徒(実は春花に葬り去られたいじめグループの連中)の親たちが担任の南に詰め寄っていました。逆上した南は外に飛び出し、除雪車に巻き込まれて即死しました。
流美は入院している祥子の病室を訪れ、油を撒いて火を付けようとしたところ、見舞いに訪れた春花と揉み合いになって逃げだしました。その時、春花は満雄が殴られて救急搬送されたと聞き、流美を後回しにして満男の元へ向かいました。実は、満男は春花が卒業したら祥子と共に東京へ引き上げようと考えていたのですが、春花への想いを募らせていた相場は自分も東京に出て春花と同棲しようと考えていました。そこで相場は満男へ許可を取りに行っていたというのです。
ミスミソウの結末
春花は相場の手の傷を見て、ようやく相場が隠し通していた真の本性に気がつきました。一見温厚そうに見えた相場の本性は、かつて母親に暴力を振るっていた父親の血をそのまま受け継いだかのような暴力的な性格だったのであり、満男に暴力を振るったのも相場だったのです。
相場の正体を知った春花の目の前に流美が現れ、自ら放火に関与したことを殊更に語り出しました。激昂した春花は流美に殴りかかりましたが逆に隠し持っていた包丁で刺され、相場は流美と揉み合いになりました。その時、春花は相場のカバンからこぼれ落ちた、自分の両親の最期の瞬間を相場が写した1枚の写真を見つけました。全てに絶望した春花は包丁を拾って相場に襲い掛かり、相場は咄嗟に流美を盾にし、流美は刃を受けて死亡しました。本性を剥き出しにして殴りかかって来る相場に対し、春花は裕明が使っていたボウガンを拾うと、カメラを構えていた相場のレンズ越しに突き刺さして殺害、自らも力尽きました…。
卒業式の日。唯一生き残った妙子は卒業証書を受け取り、誰もいない教室に一人佇んでいました。
「ミスミソウ」感想・レビュー
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なんとも後味悪い映画でしたが、復讐はやった人にやり返すのならば、やられても自業自得と思います。
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映画は観ていませんが、漫画は読みました。
これはたくさんの人に見てもらいたいし、後世にも残したい作品ですね! -
登場人物全員がとち狂っていて、壮絶な世界観でした。前半はいじめてた奴が復讐されて爽快でしたが、後半は相場に裏切られて可哀想でした…
雪と血のコントラストが鮮やかでした。
旭川いじめ事件での状況も、この映画と全く同じでいじめをした奴らとそいつらに加担したクソ教師共のせいで大切な人を失った被害者の悲しみが伝わって来ます。
しかし泣き寝入りせず、被害者の遺族はそいつらにこの映画の主人公のように復讐すべきと考えています。