機動戦士ガンダムNT(ナラティブ)の紹介:2018年日本映画。2019年に開始40周年を迎える“ガンダム”シリーズ。本作は『機動戦士ガンダムUC』のその後を描くストーリーとなり、失踪した幻のガンダム“ユニコーンガンダム3号機”を巡り、幼馴染の男女三人の交差する運命が描かれます。
監督:吉沢俊一 声優:榎木淳弥(ヨナ・バシュタ)、村中知(ミシェル・ルオ)、松浦愛弓(リタ・ベルナル)、梅原裕一郎(ゾルタン・アッカネン)、藤村歩(ミネバ・ラオ・ザビ)、古川慎(ブリック・テクラート)、塩田朋子(マーサ・ビスト・カーバイン)、てらそままさき(モナハン・バハロ)、中井和哉(イアゴ・ハーカナ)、山路和弘(アバーエフ)、星野貴紀(フランソン)、佐藤せつじ(アマージャ)、駒田航(タマン)、荒井勇樹(デラオ)、島田岳洋(パベル)、玉野井直樹(マウリ)、手塚秀彰(スベロア・ジンネマン)、内山昂輝(バナージ・リンクス)ほか
映画「機動戦士ガンダムNT」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「機動戦士ガンダムNT」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
機動戦士ガンダムNT(ナラティブ)の予告編 動画
映画「機動戦士ガンダムNT」解説
この解説記事には映画「機動戦士ガンダムNT」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
機動戦士ガンダムNT(ナラティブ)のネタバレあらすじ:起
U.C.(宇宙世紀)0079年、地球。ある日、幼馴染の三人の少年少女がこれから“怖いこと、悲しいこと”が起こることを予知しました。その直後にジオン公国軍は“コロニー落とし”を決行、やがてこの三人は“奇蹟の子供たち”と呼ばれるようになりました―――。
U.C.0097年。三人のうち唯一の男子であるヨナ・バシュタ(榎木淳弥)は地球連邦軍の軍人となり、ミシェル・ルオ(村中知)は地球連邦政府に多大な影響力を持つ巨大企業「ルオ商会」会長の養子となっていました。得意の占いを通じて社内に影響力を持つミシェルは、“ラプラス事変”の際に“人智を超える能力”を発揮した2機のモビルスーツ(MS)“ユニコーンガンダム”(通称:シンギュラリティ・ワン)が解体され極秘裏に封印されていることを知り、密かにシンギュラリティ・ワンを入手しようと目論んでいました。そしてミシェルは手始めにMS部隊を率いて護送中のラプラス事変の重要参考人マーサ・ビスト・カーバイン(塩田朋子)を捕らえ、2機の他にももう1機存在し、今は行方不明となっている“ユニコーンガンダム3号機『フェネクス』”の行方を聞き出そうとしました。
数週間後、スペースコロニー群“サイド4”付近にフェネクスが現れ、捕獲しようとする地球連邦軍を翻弄しました。ミシェルはヨナを多目的試験用MS“ナラティブガンダムA装備”に乗せて加勢させ、ヨナはあと一歩のところまでフェネクスを追い詰めましたが、ヨナは直感でフェネクスを駆るのは“奇蹟の子供たち”の一人であるリタ・ベルナル(松浦愛弓)だと確信、攻撃を躊躇っている間に逃げられてしまいます。その時、ヨナやミシェル、MS隊の隊長イアゴ・ハーカナ(中井和哉)らの意識にリタが語り掛けていました。「私ね、魂って本当にあると思うの。それは何度だって生まれ変われる。もし生まれ変われるなら鳥になりたいな―――」
機動戦士ガンダムNT(ナラティブ)のネタバレあらすじ:承
サイド3にある“ジオン共和国”では、ミネバ・ラオ・ザビ(藤村歩)は外務大臣モナハン・バハロ (てらそままさき)がかつてラプラス事変時に暗躍した“ネオ・ジオン”の残党“袖付き”と組んで地球連邦軍の作戦に介入しようとしていることを懸念、部下のスベロア・ジンネマン(手塚秀彰)に事態の収拾を命じました。しかしその頃、ジオン共和国正規軍はフェネクスを捕獲すべく、“袖付き”を装って密かに最終兵器“II(セカンド)ネオ・ジオング”と強化人間ゾルタン・アッカネン(梅原裕一郎)の投入準備を進めていました。
その頃、地球連邦軍の宇宙巡洋艦“ダマスカス”に収容されたナラティブガンダムが装備の換装を受けている間、ヨナはミシェルからフェネクスを取り逃がしたことを責められていました。ミシェルはリタがもう既に“人間ではない”と言い放ち、フェネクスの力を手に入れたいと告げました。その様子はイアゴによって盗み聞きされていました。その後、イアゴはヨナの経歴を調べあげ、絵に描いたような平凡な経歴のヨナがなぜルオ商会に飼われているのか疑問を抱きました。
―――時をさかのぼることU.C.0087年。戦災孤児となったヨナ、ミシェル、リタはティターンズのニュータイプ研究所に引き取られていましたが、ルオ商会会長の実の娘であるステファニー・ルオ(夏樹リオ)が三人のうち一人には優れた“ニュータイプ”としての素質があるとして引き取りたいと申し出ました。一方、自分たちが実験台として使い捨てられる運命にあることを悟ったヨナ、ミシェル、リタは密かに研究所からの脱走を図りましたが失敗に終わり、結局はリタが研究所に残ることになり、ヨナとリタを捨て駒にして保身を図ったミシェルのみルオ商会に引き取られることになりました。やがて研究所は閉鎖され、ヨナはリタへの想いを抱きながらも引き裂かれ、自分の過去を全て抹消したうえで地球連邦軍の士官学校に入学、フェネクスのテストパイロットに選ばれたリタは同機の暴走事故に巻き込まれたまま消息を絶っていました―――。
機動戦士ガンダムNT(ナラティブ)のネタバレあらすじ:転
再びU.C.0097年。フェネクスの動向を掴んだジオン共和国軍はサイド6のコロニー“学園都市メーティス”内にゾルタンの駆るMS“シナンジュ・スタイン”率いる部隊を投入、ミシェルの支配下となった地球連邦軍の巡洋艦“ダマスカス”もメーティスへと向かいました。ヨナは装備を換装した“ナラティブガンダムB装備”に乗り、イアゴの部隊と共にメーティス内に突入、ジオン共和国軍と交戦状態に陥りました。ゾルダンはコロニー内で使用が禁止されている銃器を堂々と使い、民間人の犠牲をも厭わずにヨナを「ニュータイプの成り損ない」と挑発、ナラティブガンダムとシナンジュ・スタインは激闘を繰り広げますが、両機に組み込まれていた“サイコフレーム”が戦いにより共鳴を始め、フェネクスも共鳴に反応してメーティス内に現れました。ヨナはフェネクスに宿るリタの意思の声を聞こうとしましたが、ミシェルがナラティブガンダムに密かに組み込んでいた自動ニュータイプ排除システム“NT-D(ニュータイプ・デストロイヤー)”を発動させ、ナラティブガンダムはヨナの意思とは関わりなく自動的にフェネクスを攻撃し始めました。ヨナはそんなミシェルを「嘘つき!」と罵りました。一行、ダマスカス艦長のアバーエフ(山路和弘)は今回の件がミシェルがフェネクスを誘き寄せるために仕組んだことを知り、民間人の犠牲をも厭わないミシェルの姿勢を批判しましたが、ミシェルは「フェネクスさえあれば人間は死をも克服できる」と聞く耳を持ちませんでした。
メーティス内に遂にⅡネオ・ジオングが投入され、ナラティブガンダムを取り込もうとしましたが、そこに現れたフェネクスによって助けられました。フェネクスは去り際にリタの声でヨナに語りかけ、Ⅱネオ・ジオングはこの世界にあってはならないものであり、破壊する時には力を貸してほしいと告げました。
戦闘終了後、アバーエフに問い詰められたミシェルは、これまでニュータイプと呼ばれた戦士たちの戦いを振り返り、サイコフレームは人の生死をも超える能力があるとして、“魂”を集めて時をも超える未知のエネルギーを創り出そうとしているのだと真意を語りました。アバーエフは与太話だと一蹴しましたが、フェネクスを誘き寄せるためだけにⅡネオ・ジオングをジオン共和国側に横流したのはミシェルであることを知ったアバーエフは激昂しました。
一方、モナハンから秘密裏にゾルタンの監視役を命ぜられていたジオン共和国軍の女性将校エリク・ユーゴ(遠藤綾)は、ゾルタンを失敗作呼ばわりするモナハンから証拠隠滅として地球連邦軍にゾルタンを部隊ごと抹殺させるよう仕向けたことを告げられましたが、一連のやり取りを聞いていたゾルタンはエリクを殺害、Ⅱネオ・ジオングを奪って出撃していきました。
機動戦士ガンダムNT(ナラティブ)の結末
Ⅱネオ・ジオングを駆り、ガスプラント地帯“ヘリウム3”を盾にとったゾルダンは地球連邦軍の艦隊を迎え撃ち、コロニー1基ほどの超巨大タンクを爆発させて艦隊に壊滅的ダメージを与えました。
「ヨナ、手伝って」とのリタのメッセージを受け取ったヨナは単身出撃を決意、ミシェルは「自分だけにしか聞こえないとでも思ってるの?」と後から自らも出撃することを告げました。一方、ダマスカスのクルーは、ヘリウム3のタンクが全て爆発した場合、付近のコロニーを巻き込んで消滅させるどころか地球にも甚大な被害を及ぼすとの衝撃的な試算を出していました。
ゾルタルは地球連邦軍のMS部隊を弄びながらなぶり殺していたところに銀河の彼方からフェネクスが現れました。もはや狂人と化したゾルダンはフェネクスを挑発しながらいたぶり尽くそうとしたその時、ヨナがユニコーンガンダム1号機を模した“ナラティブガンダムC装備”で出撃、ミシェルもサイコフレームを撒き散らして加勢しました。ゾルタルはあくまでも自分は実験台にされて棄てられたという自らの正当性を主張、駆け付けたイアゴを人質に取り、反撃できないナラティブガンダムを破壊していきましたが、ミシェルは自らの命と引き換えにイアゴを救い、ミシェルやリタの“声”を聞いたヨナはナラティブガンダムを捨ててコアファイターで脱出、ミネバの命で現場に駆け付けたユニコーンガンダムの元パイロットのバナージ・リンクス(内山昂輝)の助けを借りてフェネクスへと乗り込みました。
フェネクス内部でリタやミシェルの精神に触れたヨナはゾルタルとの最終決戦に挑み、死闘の末にゾルダンをⅡネオ・ジオングごと倒しました。しかし、ゾルダンは死の間際に全てのガスタンクを爆発させようと試みました。その時、フェネクスは全身から巨大な翼のような眩い光を放って一帯を包み込み、被害は奇跡的に食い止められました。
その頃、モナハンから言い訳じみた報告を受けたミネバは、サイコフレームは人類の手に負えないものであり、これからもバナージと共に一連の事件の後始末をしていかなければならないと決意しました。
フェネクスを降りたヨナはバナージによってダマスカスへと送り届けられ、フェネクスは青い閃光を放ちながら銀河の彼方へと飛び去っていきました。
以上、映画「機動戦士ガンダムNT(ナラティブ)」のあらすじと結末でした。
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