モンスターの紹介:2013年日本映画。高校時代、醜い顔からブルドックとかモンスターと呼ばれていた少女が、短大、就職し、同様にいじめられ馬鹿にされたことから、金を出せば整形で美人になれることを知り、風俗を掛け持ちで働き絶世の美女に変身し、故郷に戻り復讐をしていくという内容のラブストーリー風のリベンジムービーです。醜い女と美女を演じる高岡早紀の妖艶さが光ります。
監督:大九明子 出演者:高岡早紀(田淵和子/鈴原美帆)、加藤雅也(高木英介)、村上淳(崎村)、大杉漣(横山)ほか
映画「モンスター」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「モンスター」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「モンスター」解説
この解説記事には映画「モンスター」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
モンスターのネタバレあらすじ:起
海辺の町で、幼い少年と少女が手をつないで灯台に向かっています。灯台に着いたころには日も暮れ辺りは暗くなり、怖くなった女の子に、男の子は怖さを必死でこらえ女の子を守ろうとしていました。
年月が流れ、海沿いの町に、美人でスタイルのいい女性がやって来ました。彼女の名は鈴原美帆。大きな敷地にレストランをオープンさせす。オープン当初から客が集まり盛況でしたが、美人オーナーの噂が口コミで広がると、美帆見たさの客で満席の日々が続きます。
ある日、町の教職員達がやって来て、年配の教員が「今度教頭になる足森君だ」と美帆に紹介します。足森は美帆に一目ぼれし、ずっと見つめています。美帆が足森の横に立ち「昔からもてたでしょう?美人にもブスにも。ねえブスの話を聞かせてください」と言います。
調子に乗った足森は「高校時代、ブルドッグみたいな女にマフラーをもらったことがある」とその女子の悪口を言いだすと、「そのマフラーがどうなったか当ててあげましょう」と言った美帆が続けて「犬の首に巻いたのよね」と言うと、足森が「よくわかったね」と言います。
美帆が「ブルドックだけに犬でしょう」とギャグを飛ばし、足森の頬を平手打ちをします。怒った足森が「何をするんだ」と怒鳴ると、「テーブルの下で私に何をしたかバラされたいの」と美帆が脅し、足森を追い出したのです。
美帆は2階の事務所で、客たちをモニターで見ています。その時、あの男が入店してきます。そして美帆は高校時代を思い出しました。美帆の本名は田淵和子。実家は薬局を営んでいましたが、両親は学校から帰ってきた和子に「表から入るんじゃない、裏から入りなさい」と叱りつけます。和子の顔は、まぶたが腫れたように膨らみ、ダンゴのような鼻、常に開いた口に出っ歯の醜い顔だったのです。
それでも学校では、恋をし、生徒会長の足森にマフラーをプレゼントしたものの犬の首に巻かれたのでした。ある日、文集に先輩の高木が幼い頃、灯台へ女の子と行って怖かった初恋の話を乗せ、彼女に会いたいと書かれていました。それを読んだ和子は、自分の事だと思います。和子の初恋もこの日でした。
高校内で皆にバカにされる中、高木だけは普通の女の子と同じように接してくれる高木に元々恋していた和子は、あの日の女の子は自分だと打ち明けようと悩んでいたのです。しかし、クラスの可愛い女子が自分だと偽って高木に告白し、二人は付き合いはじめます。
モンスターのネタバレあらすじ:承
諦めきれない和子は、高木に「今度のカラオケパーティーに行ってもいい?」と聞きます。高木は「大丈夫だ、問題ない」と言ってくれ、和子はカラオケルームに入ります。すると高木の彼女が「なんで和子がいるのよ、帰れ」と言い出します。そこへ高木が来てカラオケが始まりますが、高木が彼女といちゃつくのを見ていた和子は、高木のジュースのコップに薬品を混ぜ込みます。
それを飲んだ高木が「味がおかしい」と言うと、回りの男子たちが、「和子が何か入れたんじゃないか?」と言って、和子を調べるとメタノールの瓶が見つかります。「それ失明するぞ、危険だ」と誰かが言いながら、警察に通報されてしまいました。自宅に戻ると、薬局は閉店され、両親から「薬局の娘がこれをやったらおしまいだ、東京のおばあちゃんとこへ行け」と和子は追い出されます。
一人東京に行き、短大生になった和子ですが、コンパや職場でも醜い顔のおかげで馬鹿にされ、いじめられます。落ち込む和子は、美容整形の広告を目にします。勇気を出して中に入り、横山院長に会うと「目を二重にしてほしい。いくらかかりますか?」と和子が聞きます。横山は「安いですよ、84000円です。私もやったほうがいいと思います」と言われ、和子は手術を受けます。
たった84000円でまぶたが変えられたことに吹っ切れた和子は、昔の自分の写真を破り捨て生まれ変わりました。職場ではいじめられていた先輩女子社員たちに暴行を加えます。やがて完全整形を決意すると、横山から「400万円かかる」と言われた和子は風俗店の面接に向かいます。しかし醜い顔から次々不採用を受け、崎村の経営するヘルスに行きました。
崎村は、和子に優しく接し「田舎に帰った方が良い」と相談にまで乗ってくれたのです。帰り際、マネージャーから「新しいSM風俗店がある」と言って紹介してくれました。この店は顔見せせずにプレイするため、スタイルのいい和子でも十分通用したのです。和子は頑張って500万円以上貯め、遂に胸も一緒に完全整形手術に挑みました。
モンスターのネタバレあらすじ:転
手術後、しばらくしてギブスと包帯を取って出社した和子を見た社員達は、美女に変身した和子を見て驚きます。和子は退職願いを出し、崎村に会いに行きます。驚いた崎村は「今度はじめる会員制高級ソープに来ない」と和子を誘い、美鈴の源氏名で働きはじめたのです。
金持ちたちが、和子目当てに群がります。和子の生活は一変し、高級ブランドに身を包み、男たちに貢がせる生活をはじめます。やがて和子は肝硬変で倒れます。次々見舞いに来る男たち、プロポーズするものまで様々でした。退院した和子は、やがて大橋という一般人からプロポーズを受け、結婚した時は、名前を美帆と偽っていました。子供が欲しい大橋。しかし和子は毎日ピルを飲み、避妊を徹底していたのです。
しばらくして、夫の携帯に入る女からの電話を見て、夫がその女を妊娠させていたことを知ります。夫を問い詰める美帆ですが、逆に「君が毎日ピルを飲んでいたことは知っていた。僕の子供なんか生みたくないんだ。別れよう」と言われ美帆は離婚したのです。
美帆は崎森に会い、ソープ時代に仲の良かったアケミの死を知ります。ショックを受けた美帆はくも膜下出血で倒れ、再び入院したのです。無理して働き過ぎたつけが回って来ていたのです。美帆は見まいに来た崎森に、高木の事を調べてもらいました。
そして美人に変身した和子は、美帆と名乗り田舎に帰り、レストランを開いたのでした。美帆は高木のテーブルに近づき、言葉を交わし魅了します。高木は美帆に見せられ、一人で頻繁に来店するようになります。やがて高木は、妻のある身ながら美帆をデートに誘うのでした。高木と美帆は思い出の灯台に向かいます。すると高木は美帆にキスを迫り、美帆も許します。美帆は「簡単すぎる」と一人あきれます。
その後、高木からの電話を完全無視し続けた美帆は、数日後、高木を誘い出しました。「どうして電話に出てくれないんだ」と言う高木に、「あなたの一番嫌な思い出を話してほしい」と切り出します。高木は「カラオケルームでメタノールを飲まされたことだ、あの娘はサイコだ」と言いました。
美帆は「その娘は醜い顔だったのね、でもあなたの事が本当に好きだったのよ、あなたを失明させて、自分の顔を二度と見せたくなかったのよ」と言いました。すると高木は「その娘はその後、東京へ行って3年後に事故で死んだ」と言います。その言葉を聞いた美帆は去って行きました。
モンスターの結末
崎村が店にやって来て、「風俗はやめたよ。金も貯まったし。田舎に帰るけど一緒に来ないか」とプロポーズします。美帆は崎森をあっさり振ってしまいます。その後、足森が「お前のおかげでクビになった」と店で暴れ出します。止めに入る美帆に「お前、美人だからやらせろ。お前なんか顔がいいだけで中身はモンスターだ」と言い放ちます。
その後、高木に呼び出され会うと「妻と話をした、別れるから一緒になろう」と言います。美帆は高木に初恋の話を聞きます。高木は予想通り灯台の話をし始め、僕はその娘に会いたいけど、あの娘は忘れているだろう」と言います。美帆は「覚えているよ」と言い二人は愛し合いました。高木と別れた美帆が、実家の前に行くと父が母の介護をしていますが、美帆が声もかけず帰ります。
美帆は高木を呼び出すと、レストランの2階の自分の部屋に招待しました。喜ぶ高木は、高校時代の自分の写真を見つけます。「なんで?」と聞く高木に、「私の友人の形見なの、初恋の人だと聞いた。私も見ているうちに好きになった」と言います。「その友人は誰?」とく聞く高木に「田淵和子」と答える美帆。
そして「和子に告白されたらどうしてた」と聞くと、高木は「性格が合わないから断っていた」と答えると、「顔が醜かったからでしょう、私の顔が醜かったらそれでも好き?」と聞く美帆に「好き」と答えた高木は「まだ妻には言っていない、でも大丈夫だ、問題ない」とあの日と同じ言葉を言ってしまいます。
怒った美帆は「美人とやりたいだけじゃないの。私は田淵和子よ」とバラします。そして「私が田淵和子でも好き?」と聞く美帆に「うん」と答える高木。それを聞いた美帆がその場に倒れ込みます。倒れた美帆を残し高木は出て行ってしまいました。翌朝出勤してきたウエイトレスが、部屋に美帆の死体を発見します。田舎へ帰る崎森は、美帆の遺骨を持っていました。
以上、映画「モンスター」のあらすじと結末でした。
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