モンスターズクラブの紹介:2011年日本映画。瑛太と窪塚洋介の二大実力派俳優による、異色のヒューマンドラマ。両親と兄弟を亡くし、孤独な思いを抱える青年。手作り爆弾を企業やマスコミに送りつけ、現代社会への復讐を企てるテロリストとして生きていた。そんな青年の前に、死んだはずの兄と弟が現れる…。アメリカを震撼させた実在の爆弾魔「ユナボマー」事件にインスパイアされ、豊田利晃監督がメガホンをとった。共演は國村隼、草刈朝有、松田美由紀、そして今作がスクリーンデビューとなるミュージシャンのKenKenほか。
監督:豊田利晃 出演者:瑛太(垣内良一)、窪塚洋介(垣内ユキ)、KenKen(垣内ケンタ)、草刈朝有(垣内ミカナ)、松田美由紀(垣内ユリエ)、國村隼(垣内セイジロウ)ほか
映画「モンスターズクラブ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「モンスターズクラブ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
モンスターズクラブの予告編 動画
映画「モンスターズクラブ」解説
この解説記事には映画「モンスターズクラブ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
モンスターズクラブのネタバレあらすじ:起
降りしきる雪に覆われ真っ白になった山奥。一軒の小屋の中で、1人の青年がもくもくとダイナマイトを作っています。彼の名は垣内良一。薪を割り、狩りをし、他人と接触せず孤独な生活を送っていました。良一は、現代社会のシステムに憎しみと怒りを抱いています。いわゆる“チャンス”と呼べるものですら、社会から与えられている限りそれには鎖がついている。誰かにコントロールされる自由など、真の自由とは呼べない。この世界を変えるための“革命”とは、産業テクノロジーを放棄することだと良一は考えているのです。良一は手作り爆弾を段ボールに入れ、鈴木一朗という差出人名で企業やマスコミに送りつけていました。良一の犯行は新聞記事になり、不審人物として似顔絵も公開されています。いつ逮捕されるかわからない状況下で、良一は爆弾を作り続けているのです。
モンスターズクラブのネタバレあらすじ:承
ある日、良一の前に全身を白いクリームで塗りたくった不気味な男が現れます。男は良一に猟銃を向けたり、良一が焼いた鹿肉を奪って食べたりします。幻想なのか現実なのかわからないその姿に良一は怯えます。さらに、バイク事故で命を落した良一の弟ケンタも姿を現します。ケンタは、ユキが頭を撃ったのはなぜだろうと言って消えます。ユキとは垣内家の長男で、自ら命を絶っていました。垣内家は不幸な家族で、父親と母親、そしてユキとケンタがすでにこの世にいません。残ったのは良一と、妹のミカナだけでした。良一のことを案じるミカナは、ときどき小屋へ訪れます。将来を悩むミカナは、大学進学か就職かを決めかねています。しかし良一は、働くのはただの奴隷だと言い切ります。ミカナが帰り、良一の前にまたあの白塗りが現れます。白塗りは「お前の望みを詩にして、世の中をひれ伏させろ」とけしかけます。良一は、内閣総理大臣宛てに長い手紙を書きます。我々の詩を全国の新聞に掲載しなければ産業社会を破壊し続けると脅し、自らの名前を「MC(モンスターズクラブ)」と記します。
モンスターズクラブのネタバレあらすじ:転
白塗りとケンタに続き、良一の前に現れたのはユキでした。ユキは、世界を変えるという良一の考えを一蹴します。本当の自由がほしければ消えるしかない。そしてそれが一番純粋で美しいことだ。そんなユキの言葉に反発を覚える良一。ユキは「お前もこっちに来ればわかる」と、良一にある光景を見せます。それは家族全員が仲良くキャンプをしている懐かしい様子でした。驚く良一に、現れた白塗りが言います。「お前はまだ世界を愛している」。実は白塗りがユキでした。ユキはライフル銃を咥えると、良一の目の前で引き金を引いて息絶えます。雪の中で目覚めた良一は小屋に戻り、白いクリームを顔に塗り出します。それはユキの顔そっくりです。ふと我に返った良一は、肩を落として泣き始めます。
モンスターズクラブの結末
内閣総理大臣に送るはずだった手紙を、くしゃくしゃにして捨てた良一。昔ユキからもらった宮沢賢治全集を開き、「告別」の詩のページを破いて爆弾と共に入れます。爆弾をリュックに入れて小屋を出ると、刑事たちが事情聴取のために立っていました。良一の白塗りの顔を見て、刑事たちはあとずさります。良一はそのまま走り出し、捕まることなく電車に乗ります。町に出た良一は、公衆電話からミカナにかけます。警察に通報したのはミカナでした。良一はミカナに、もしもユキやケンタが現れたら優しくしてやれ、でも絶対について行ってはいけないと忠告します。ミカナは混乱しますが、「お前はここにいろ」と言う良一の真剣な声に、そうすると頷きます。電話を切り、良一は喧騒の中をとぼとぼと歩いていきます。すれ違う人々は、白塗りの良一に目もくれません。良一は何かを叫び出しますが、その声は聞こえません。代わりに聞こえるのは、良一が読む「告別」でした。
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