泣く子はいねぇがの紹介:2020年日本映画。秋田県・男鹿半島を舞台に、ユネスコの無形文化遺産や国の重要無形民俗文化財に指定される伝統行事「なまはげ」をモチーフにしたヒューマンドラマです。子供が生まれながらも父の自覚がなく大人になりきれない主人公の男が葛藤しながらも成長していく姿を描きます。
監督:佐藤快磨 出演者:仲野太賀(後藤たすく)、吉岡里帆(桜庭(後藤)ことね)、寛一郎(志波亮介)、山中崇(後藤悠馬)、余貴美子(後藤せつ子)、柳葉敏郎(夏井康夫)ほか
映画「泣く子はいねぇが」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「泣く子はいねぇが」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
泣く子はいねぇがの予告編 動画
映画「泣く子はいねぇが」解説
この解説記事には映画「泣く子はいねぇが」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
泣く子はいねぇがのネタバレあらすじ:起
秋田県・男鹿半島で暮らす後藤たすく(仲野太賀)は、妻のことね(吉岡里帆)との間に娘・凪が産まれたばかりでした。しかし、たすくは未だに子供じみてヘラヘラしており、父親になる覚悟すら見せずにことねを呆れされてばかりいました。そして凪もたすくになつく様子を見せませんでした。
やがて年末が近づき、男鹿半島の伝統行事「ナマハゲ」の季節がやってきました。たすくは凪が生まれたことで、この年はナマハゲに参加するつもりはありませんでしたが、「ナマハゲ存続の会」会長の夏井康夫(柳葉敏郎)に頼まれ、どうしても断り切れずに参加することを決めてしまいました。
大晦日の夜、たすくはことねに「酒は飲まずに早く帰る」と約束して男鹿の街に繰り出し、ナマハゲとして練り歩いていましたが、友人の志波亮介(寛一郎)に誘われたたすくはことねとの約束を破ってつい酒を飲んで泥酔してしまい、これまでの鬱憤を晴らすかのようにナマハゲの面をつけたまま全裸の状態で街を徘徊し、その様子をテレビで全国中継されてしまいました。
ことねは無表情のままその中継を見ていました…。
泣く子はいねぇがのネタバレあらすじ:承
…それから2年後。たすくは逃げるように故郷を離れ、東京で暮らしていました。あの日、全国から苦情が寄せられたたすくは、ナマハゲの存続の危機をも招いてしまい、ことねや家族からも愛想を尽かされて離婚、地元にもいられなくなっていたのです。
上京はしたものの、何の目標も見つからずにその日暮らしを送っていたたすくの元に、ある日、男鹿から志波が訪ねて来ました。志波の口から聞かされたのは、ことねが夜の繁華街で水商売を始めたということでした。酒も飲めず、あれだけ水商売を嫌っていたはずのことねが…ことねと凪に会いたいという思いを募らせたたすくは、意を決して男鹿に戻る決心をしました。
しかし、男鹿に舞い戻ってきたたすくを待っていたのは、もはや故郷は自分を必要としておらず、むしろ忘れ去ろうとしている現実でした。たすくの兄・悠馬(山中崇)は今さら何しに帰って来たのかと、たすくを冷たく突き放しました。たすくは志波と共に夜の繁華街に向かい、ことねの姿を探しましたが見つかりませんでした。
帰郷しても何もやることなく日々を過ごすたすくを見かねた母・せつ子(余貴美子)は、たすくにアイスクリーム販売の露店を手伝わせました。これを機に、ことねともう一度やり直すには金が必要だと痛感したたすくは、志波と共にサザエの密漁に手を染めるようになっていきました。
泣く子はいねぇがのネタバレあらすじ:転
そんなある日、たすくはようやくことねと再会を果たしました。路上で酒を飲んでやさぐれていたことねは、何しに帰ってきたのかとたすくを突き放しました。それでも食い下がろうとするたすくに、ことねは再婚を決めたことを告げてしまいました。
衝撃を受けたたすくは、ことねに水商売するような奴に絶対に彼女を渡すわけにはいかないと決意を抱き、まともな職に就こうとハローワークに通うようになりました。
そんな時、夏井とばったり出くわしたたすくは、この2年間に寄せられた苦情の手紙を見せつけられ、「父親の気持ちも考えろ」と言われてしまいました。たすくの亡き父は木工所を営んでおり、ナマハゲの面を彫っていたのです。
一方、せつ子は子育ての息抜きでパチンコを打っていたことねと遭遇しました。せつ子はことねに「大丈夫」とだけ伝えてその場を立ち去りました。たすくはその後も志波と共にサザエの密漁を続けていましたが、ある日、遂に地元住民に通報され、たすくは逃げ延びたものの、志波だけは警察に逮捕されてしまいました。
更に追い打ちをかけるように、今度はせつ子がアイスクリーム販売の露店準備中に事故に遭い、意識を失って病院に搬送されました。
泣く子はいねぇがの結末
幸いにもせつ子は命に別状はなかったのですが、悠馬は既に父の遺した木工所を売り払うことを決意しており、たすくに家を出て行くよう命じました。
そんな時、たすくは偶然にもせつ子の見舞いに来たことねと再会、二人で浜辺に向かい話し合いの機会を得ましたが、再婚する気持ちに変わりのないことねは「もう生きていける。君と会うのは最後」と別れを告げて去っていきました。
たすくは凪が保育園で催される演劇会に出ることを知り、保育園に向かいました。しかし、たすくは成長した凪の顔が全く分からず、しかも再婚相手と共に楽しそうな表情をしていることねの姿を見かけて情けない気持ちになってしまいました。
いよいよ木工所を畳む日が近づき、片づけをしていたたすくは、父が遺したナマハゲの面を見つけました。意を決したたすくは志波を誘い、二人でナマハゲを敢行しようとしました。二人は夏井に見つかってしまいますが、志波が夏井を取り押さえている間に、たすくはことねが新たな家族と暮らす住居へと向かいました。
ことねは自宅を訪れてきたこのナマハゲがたすくであることに気付きましたが、悩んだ末に家に上げることにしました。そしてナマハゲ姿のたすくは凪と再会を果たし、万感の意を込めて「泣く子はいねぇが!」と叫びました。
以上、映画「泣く子はいねぇが」のあらすじと結末でした。
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