猫の恩返しの紹介:2002年日本映画。スタジオジブリのアニメ映画。猫を助けたことをきっかけに猫の国に迷い込んでしまった少女の姿を描くスタジオジブリの冒険ファンタジー。池脇千鶴が初めての声優に挑戦している。原作は柊 あおい「バロン―猫の男爵」
監督:森田宏幸 声の出演:池脇千鶴(ハル)、袴田吉彦(バロン)、前田亜季(ユキ)、山田孝之(ルーン)、佐藤仁美(ひろみ)、佐戸井けん太(ナトリ / 第一秘書)、濱田マリ(ナトル / 第ニ秘書)、渡辺哲(ムタ)、斎藤洋介(トト)、岡江久美子(ハルの母)、丹波哲郎(猫王)、ほか
映画「猫の恩返し」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「猫の恩返し」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
猫の恩返しの予告編 動画
映画「猫の恩返し」解説
この解説記事には映画「猫の恩返し」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
猫の恩返しのネタバレあらすじ:ハル、猫を助ける
主人公の吉岡ハルは友人と下校中、リボンのついた箱を咥えた猫が道路を横切ろうとしているのを発見する。ハルはトラックが猫に迫っていることに危険を感じ猫を間一髪助ける。すると猫は立ち上がり丁寧にお礼を言って去って行った。これがハルの身に起こる奇妙な猫の恩返しの始まりだった。母にこの件を話すと猫とハルの話をしてくれた。ハルが小学生の時、クッキーを食べながら歩いていると後ろから白い子猫がついてきた。おなかがすいていた様子なので子猫にクッキーをあげると大変喜んでくれたという話だった。 その夜、ハルは寝入っていると窓の外が騒々しい。思わず窓の外を見るとそこには猫の大名行列ができていた。更に自宅の前で止まるので思わず玄関先へ出てしまった。ハルの前に王様の家来であるナトル曰く、この大名行列の王様は猫の国の王様でありハルの助けた猫は王様の息子ルーンであるという。ナトルはその為国を挙げての恩返しプロジェクトを開始すると言って彼らは去って行った。
猫の恩返しのネタバレあらすじ:どこまで行っても猫
昨夜のことは夢だったのかもしれないと思ったハルだったが、すでに彼らのプロジェクトはスタートしていた。自宅前の庭は一面ねこじゃらしになり、学校へ行くまでには猫に追っかけまわされ、下駄箱には何とネズミの入ったプレゼント箱がたくさん入れられていた。放課後、ゴミ捨てに行くとまたしても家来であるナトルが現れた。そして王様はハルを猫の国へ歓迎し、息子ルーンの嫁にする計画をしていると述べた。ハルは猫のお嫁さんにされるという大変なことになったと頭を抱えていると、天から声が聞こえる。その声は猫の事務所に助けを求めるよう助言し、場所と白い猫のことを告げた。指定された場所へ向かうとそこには普通の猫の二倍はある人相の悪いデブ猫がいた。ハルが声をかけると事情を察した大きな猫がハルについてくるよう言った。その先には猫の事務所があり、ハルは白いタキシードを着た紳士な猫バロンと、カラスのトトに迎え入れられた。だが、そんな時もつかの間、ナトルと猫の集団が事務所の中に突っ込んできた。ハルは猫の集団に乗っけられ、押され運ばれていくではないか。ムタはハルのおもり係に任命されたためバロンに手伝われ、何とかハルと共に猫の集団の上に乗っかる。バロンとトトも共に後を追い、空間をワープしながら彼らは目的地に到着した。そこは日暮れを知らない浮世離れした猫の国だった。
猫の恩返しのネタバレあらすじ:猫の花嫁
ハルは城に連れられ王様のいる宴会場に到着した。その間にムタは手下によってゼリーの中に閉じ込められてしまう。ハルはムタが閉じ込められたショックで落ち込んでしまった。会場はハルを楽しませようとするがどれも失敗。そんな中、仮面をかぶった猫がハルと共に社交ダンスをする。この猫の正体は誰でもないバロンである。王様は二人の親密さを疑い、仮面の猫の身分を問う。バロンの正体がばれてしまうと会場は今までの優雅さが嘘のように一変、王様の手下が一斉にバロンを捕えようと飛びかかってきた。ようやくゼリー内から出られたムタがおとりとなり二人は何とか場を切り抜ける。この時、宴会場にいたメイドの一人であり天の声の主であるユキが現れ二人にどうしたら猫の国から脱出できるか道しるべを示す。彼女によると猫の姿に変わったハルは人間界の夜明けまでに城の前の迷路を抜けて、塔のてっぺんに着ければ人間界に戻り、人間に戻れるという。 ハルとバロン、ムタは迷路をさまよっているが、なかなか塔までたどり着かない。よく調べてみると王の手下が壁のはりぼてを作って道をふさいでいるではないか。突き破ると一直線に塔まで到着する。
猫の恩返しの結末
三人が塔を登り、中ほどまで進むと王様は思い通りにさせるかと奥の手を使い塔を爆破してしまった。おかげで途方に暮れた三人は王の手下にとうとう囲まれてしまった。ここまでかと思った瞬間、ようやく王の息子で皇太子のルーンが現れ、王の暴挙を止める。ルーンはすでにユキとの結婚を考えていた。ルーンはユキの故郷で思い出のクッキーを探し回り、ようやく見つけてユキの元へ届けプロポーズしたのだ。それを見たハルは、自分が小さいころに好きだったクッキーで、いつか白い子猫にあげたクッキーと同じ事に気付いた。そう、ユキはハルが小さいころにクッキーをもらって空腹のところを助けてもらった猫だったのだ。ルーンも、ユキへのプレゼントを持って道路を渡ろうとしてトラックに轢かれそうだった所を助けてくれたのが今ここにいるハルだったということに気付き、命の恩人であるハルにお礼をしたいと申し出るが、ハルは私も嬉しいからお礼なんていらないと言います。王様は、それでは自分の妃になるようハルに迫る。ルーンが王を引き留めてハルを逃がすものの、ハルを追いかけて王様は塔を登っていく。しかしバロンが片付け三人は人間界への出口にたどり着く。塔の先から出た先は人間界の雲の上だった。が、トトの仲間による鳥のじゅうたんによって無事地上に降り立った。ハルはバロンたちと会い、猫の国という非日常を経験したことから、以前よりも自分を見つめなおし大人になれたであろう。そして再び日常生活を送るのであった。
以上、猫の恩返しのあらすじと結末でした。
「猫の恩返し」感想・レビュー
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とにかくバロンが英国紳士でかっこいい!主人公のハルがバロンにキュンとするシーンが多々ありますがわかります。ジブリのイケメンたちよりずっとイケメン紳士です。
バロンにはちょっと切ない過去があるのですがあくまでも脇役のためあまり触れないのが残念。
ストーリーは家族で見て楽しめるストーリーです。何度見ても猫たちが可愛くて癒されます。
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『耳をすませば』に続いて、柊あおいさんの原作となります。素直な感想では「ジブリ」の画風が活かされていない、と思いました。まあこれは『耳をすませば』でもほぼ原作とは違う別な作品なので仕方がない、と言えば終わりなのですが。私の思い出としてはビデオ屋でレンタル解禁初日に店の前で並んで期待した分、風変わりなタッチに終始したことが意外ではありました。ファンタジーとしては良い作品だなとは思うのですが、ヒロインの人ネコに化した姿は特には可愛くは感じられませんでしたね。これは残念なことです。能動的な社風で知られ、話題作を次々と世に送り出しているジブリでも、実験的な要素が多かったように思えるのです。周知されているように評価がはっきりとジブリ作品は分れるのですが、宮崎駿氏のキャラとは違うという点を感じなかった人はいないはずですね。私は現実の猫は好きです。このアニメ映画でも猫という生き物の意外な点を描いている点は十分に評価できるでしょう。現実の猫の善さがキャラとしては活かし切れなかったと私は思いますね。でも楽しい思い出も。兄の娘達と一緒にビデオを借りに行った時、迷わずにこれを選び、皆で楽しい一時を過ごしたことがありました。やはり大人と子供の視点は違うのですね。彼女達も立派に成長しましたが、現在でも良い思い出を抱いてくれていることを信じています。さすがはジブリの作品でした。
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爽やか、というのが一番の印象でした。全体的に明るい色で構成されていて、ポスターにもあるように、この映画を思い出すときはいつも明るい黄緑が心に浮かびます。高校生のはるちゃんが猫を助け、その恩返しに猫の国へさらわれてしまう、というストーリーですが、ドタバタコメディのような感じで、途中で飽きることなく気楽に楽しめる映画かなと思います。しゃべる猫もたくさん出てくるので、猫が好きな方にもおすすめです。
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もともと「耳をすませば」が好きで、今作も期待して観ました。観に行く前からつじあやのさんの「風になる」を聴いていたので、どんな感じなのかなと思っていたけど、好みにドンピシャ!もうバロンがただひたすらに格好良くて、「耳をすませば」で出てきた時も好きだったけど、尚更好きになりました。ダンスのシーンはときめきざろを得ません。もう最後まで夢中になれる映画です!必見!
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デブ猫が可愛い。バロンは格好いいです。主役のはるさんは自分の置かれた危機的状況を把握せずに、さっさと逃げれば良いのに、何かとモタモタしたりで、イライラしましたが、最後には人間に戻れたのですから
良かったですが、猫の宅急便やトトロの方がストーリーがしっかりとして居て納得も出来て楽しめました。 -
予想外に良かった。女子高生ハルがとても気持ちのいいキャラに仕上がっていた。池脇の声もいい。同じジブリ作品の「ハウルの動く城」と同時に借りて観たのだが…つくづく、作品で一番大切なのはキャラクターを魅力的に描くことだなと…。猫の国の王に襲われたり追いかけられたりハルを守るはずのムタが戦闘不能になったりだが誰も悪意を持っていない世界なのが良かった。スリルは足りなかったが、多分それはこの作品の本筋ではないのだろう。みんな「ハルちゃんが好き」で動いているようなこの世界観がとても気持ちよかった。声優陣の選択がこれほど秀逸なジブリ作品もかえって珍しい。初夏に毎年見返したくなるような秀作。
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君は自分の時間を生きているか。ジブリ映画の「猫の恩返し」はっきりいってつまらなかったが、つまらなかっただけにすごくテーマが浮かび感銘を受けてしまった。少女ハルは猫の国に連れて行かれ猫に生きることも悪くない、と思いかける。バロン:『だめだ、ハル。自分を見失うんじゃない。君は自分の時間を生きるんだ。』これが この作品の言いたいことだ。ハル:『私、間違ってなんかいなかった。猫を助けたことも迷って苦しんだことも。みんな大切な自分の時間だったんだ』僕は間違ってなかった。この映画をみたことを・・・ 怒りや鬱屈に惑わされて君は自分を失っていないだろうか。僕だって、縛られている欲望や、観念がある。「恩返し」とは「迷惑」のことだった。その迷惑は大切な自分の時間を生きることを与えてくれた。
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バロン超かっこいい!!都市伝説で皆声優じゃないって書いてあったけど、凄くプロっぽかった!
昔は題名だけしかしらなかったけど、金曜ロードで見て意外と良い話だった。バロンは最後までキザなんだな~( ´∀` )
猫に惚れる映画です。主人公のハルもバロンにキュンとしますが、視聴者もバロンに惚れてしまいそうになります。ハルを助けに来てくれるダンスシーンや、お姫様抱っこで塔を上がるシーンなど胸キュンポイントがたくさんあります。ハルとバロンのシーンは全て見ていてドキドキします。この作品の猫達は可愛いだけではなく、人間臭い面があり、それらの要素も面白いです。