猫は抱くものの紹介:2018年日本映画。元アイドルで今はスーパーで働く女性と、自分を人間だと思い込む猫との絆を舞台調で描きます。人間と猫との絆を綴った大山淳子の同名連作短編小説を1本のストーリーにまとめて映画化した作品です。沢尻エリカを主演に、脇を『仮面ライダーフォーゼ』の吉沢亮、“銀杏BOYZ”の峯田和伸、“水曜日のカンパネラ”のコムアイらが固めています。
監督:犬童一心 出演者:沢尻エリカ(大石沙織)、吉沢亮(良男)、峯田和伸(後藤保(ゴッホ))、コムアイ(キイロ)、柿澤勇人(高橋良男/ササキ)ほか
映画「猫は抱くもの」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「猫は抱くもの」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
猫は抱くものの予告編 動画
映画「猫は抱くもの」解説
この解説記事には映画「猫は抱くもの」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
猫は抱くもののネタバレあらすじ:起
大石沙織(沢尻エリカ)は、かつてアイドルグループ『サニーズ』の一員でした。といってもヒット曲は『ロマンス交差点』1曲のみ。沙織はメンバーの中でも目立たない存在でした。サニーズも解散した今、沙織は過去を隠して田舎町に逃げるように移り住み、この町の小さなスーパーでレジ打ちとして働いていました。
沙織は職場の同僚とも交流を持たず、一人カラオケで安室奈美恵の曲を歌ったりして過ごしていました。そんな沙織が唯一心を許しているのは、スーパーの倉庫でこっそり飼っているロシアンブルーの猫“良男”(吉沢亮)だけでした。
沙織は良男にこの日の出来事、好きな男性のこと、そして頭の中に浮かぶ妄想の話を語り掛けているうちに、いつしか良男は自分を猫ではなく人間だと思い込むようになり、沙織を守れるのは自分しかいないと思うようになっていきました。しかし、良男の気持ちに気付かない沙織は年下の上司・高橋(柿澤勇人)を受けてしまいます。
猫は抱くもののネタバレあらすじ:承
ある日、スーパーで万引きをした女子高校生(蒔田彩珠)が捕まり、沙織がその対応をすることになりました。女子高生を迎えに来たのは、叔父で売れない画家の“ゴッホ”こと後藤保(峯田和伸)でした。ゴッホに興味を抱いた沙織は、良男に「きっとゴッホは色盲の画家で、山の中の家でキイロっていう名前の猫と暮らしているんだよ」と妄想を語りました。
後日、沙織は山登りをしていた際に本当に山の中のゴッホの家を見つけました。ゴッホは沙織の妄想通り、キイロ(コムアイ)という名の猫と暮らしていました。
沙織は益々高橋にのめり込んでいったのですが、ある日、沙織はいつものカラオケ店で高橋が友人たちといるのを見かけ、高橋は沙織が元アイドルと知って接触していたこと、そして高橋には本命がいることを知ってしまいます。深く傷ついた沙織は、良男に「もう男は良男だけでいいよ…」と涙を流しながら抱きしめました。
猫は抱くもののネタバレあらすじ:転
その夜、沙織を心配した良男は倉庫を抜け出し、満月が夜空を照らすなか沙織のアパートを目指していましたが、誤って足を滑らせ、川に転落してしまいます。良男が目を覚ますと、そこは捨てられた猫や野良猫などが集う「ねこすて橋」のたもとでした。
そこにはゴッホの姪の女子高生に捨てられたキイロの姿もありました。良男は自分は人間だと改めて主張しますが誰も聞き入れてくれません。良男はゴッホのもとに戻りたいキイロと共に歩き始めました。
一方の沙織も、ゴッホもそれぞれの猫を探して回りましたがどうしても見つかりません。そんな時、東京のテレビ局から沙織に「サニーズを一晩だけ再結成させたい」とのオファーが舞い込んできました。
東京に飛んだ沙織は久しぶりに元メンバーと再会しますが、サニーズが出るのは歌番組ではなく、懐かしのアイドルグループを集めてゲームをし、優勝したチームだけが持ち歌を1曲だけ歌えるというバラエティ番組でした。それでも沙織らは体を張って何とか優勝しますが、ようやく歌えるといってもエンディングトークや提供クレジットに被さる程度の軽い扱いでした。
すっかり失望した沙織はバスで町に帰り、そのままゴッホの家に向かいました。
猫は抱くものの結末
ゴッホからカラオケスナックに誘われ、ヤケ酒を浴びるほど飲みながら「昔も今もがむしゃらに頑張っても報われない。ほんの少しだけのソロパートを歌うために必死で練習した」と愚痴をこぼす沙織に、ゴッホは「本当はアイドルグループの端っこでソロパートも少なくて恥ずかしいと思ってたんだろ?」と鋭く指摘してきました。
沙織は親戚から金をもらっている売れない画家のゴッホをなじりましたが、ゴッホはまるで沙織の全てを知っていたかのような鋭い指摘を次々と繰り出してきました。東京ではなりたい自分になれなかったこと、プロデューサーと付き合ったけど仕事をもらえなかったこと、歌が歌えると飛びついたのがバラエティ番組だったこと…そしてゴッホは「俺には君の気持ちがわかる」と言い切りました。
いつの間にかゴッホの家に着いた沙織はおもむろに服を脱ぎ始め、ゴッホは彼女の裸婦像を無我夢中で描いていきました。ちょうどその頃、ゴッホの家に辿り着いた良男とキイロは二人の様子を眺め、良男は涙を流しながら自分は人間ではなく猫であることを認めました。翌朝、遂に沙織の裸婦像が完成しました。沙織もようやく良男と再会を果たしました。
沙織はスーパーを辞めて東京に出て、ペット飼育可の物件に引っ越して良男と一緒に暮らし始めました。沙織はかつての仲間から結婚式場で歌う仕事を得ましたが、それだけでは心許ないので、仕事を探していたところ、とある喫茶店で「求人募集」の張り紙を見て中に入りました。
そこには何とゴッホの姪がウェイトレスとして働いており、店の中に入った沙織は以前ゴッホが描いた自分の裸婦像が飾られているのを目の当たりにしました。
以上、映画「猫は抱くもの」のあらすじと結末でした。
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