野良犬の紹介:1949年日本映画。新鋭監督として注目されていた黒澤明が初めてサスペンスものとして手がけた刑事ドラマ。アメリカ映画「ダーティーハリー」にも影響を与えたとされる傑作。夏の午後、射撃訓練を終えた刑事の村上はうだるような暑さに辟易しつつ満員バスに乗り込み帰路につく。しかし、村上はバス内で拳銃を盗まれたことに気づき慌てて犯人らしき男を追うが見失ってしまう。拳銃には実弾7発残っていた。必死に犯人を探す村上だったが……。
監督:黒澤明 出演:三船敏郎(村上刑事)、志村喬(佐藤刑事)、淡路恵子(並木ハルミ)、三好栄子(ハルミの母)、千石規子(ピストル屋のヒモ)、ほか
映画「野良犬(1949年)」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「野良犬(1949年)」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「野良犬(1949年)」解説
この解説記事には映画「野良犬(1949年)」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
野良犬のネタバレあらすじ:起
うだるように暑い夏の日、刑事の村上(三船敏郎)は射撃訓練から帰る途中、混み合ったバスの中でピストルをスリに盗まれる。署で報告すると、上司はスリ担当の刑事を紹介し、その手引で村上は鑑識手口カードを調べる。その中の女スリお銀(岸輝子)の顔に見覚えがあった村上は、早速彼女を訪ねるが、お銀はのらりくらりと誤魔化すばかりで相手にならない。盗まれたピストルには実弾が入っているため、いつ犯行に使われるかわからない。
野良犬のネタバレあらすじ:承
責任を感じている村上の執念はすさまじく、お銀を散々に追いかけ回す。ついに根負けしたお銀は、「闇市をうろついていれば向こうから声をかけてくる」とヒントをくれる。復員服を着て、村上は闇市のある上野や浅草を一日中歩き回った。やがてピストルの闇ブローカーが村上に接触、それを手づるにピストルの闇取引の現場にたどり着き、女を一人確保するが、肝心のブローカーには逃げられてしまう。
野良犬のネタバレあらすじ:転
やがて、ピストルを使った強盗傷害事件が発生。銃弾は村上のものと一致したため、責任を感じた彼は辞職願を出すが、上司に諭され、なおも捜査を続ける。事件のあった淀橋署の佐藤刑事(志村喬)と組んで逮捕した女を調べた結果、本多というそのピストルのブローカーが大の野球好きだという分かり、刑事たちは後楽園球場で待ち受ける。何も知らない本多(山本礼三郎)がノコノコと現れ、無事に逮捕。本多によれば、村上のピストルは遊佐という男(木村功)が買い受けたという。
野良犬のネタバレあらすじ:結末
遊佐の実家で彼の恋人ハルミ(淡路恵子)の存在を知った村上と佐藤はその職場のダンスホールへゆくが、彼女は口を割らない。続けて村上のピストルによる事件が発生し、今度は人が死んでしまう。佐藤はハルミの部屋にあったホテルのマッチをヒントに遊佐を追い、一人で弥生というホテルに行き着く。佐藤は村上に電話をかけようとするが、遊佐に撃たれてしまう。ハルミから遊佐と会う約束をしたことを打ち明けられ、村上はその待ち合わせ場所にゆき、彼を発見。二人は必死に闘うが、ピストルの弾が尽きた遊佐は村上に逮捕される。
ハラハラドキドキのサスペンスもので最後まで飽きずに楽しめた。
志村喬さんの存在感がすごくて名俳優だなとしみじみ感じた。
戦後の町並みや闇市の様子や人々が写ってて記録映画としても楽しめる。
新人刑事の苦悩やベテラン刑事の心構えなどいろいろ考えさせられる話だった。