音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!の紹介:2018年日本映画。「この声に世界がヤラれるっ!!」圧倒的な声を持ちながらも実は“声帯ドーピング”を施していたカリスマロックシンガーと声が小さすぎるストリートミュージシャンが巻き起こす騒動を阿部サダヲと吉岡里帆のダブル主演で贈る衝撃のロックコメディです。HYDEやいしわたり淳治、あいみょんといった豪華アーティストが提供した劇中歌にも注目です。
監督:三木聡 出演者:阿部サダヲ(シン)、吉岡里帆(明日葉ふうか)、千葉雄大(坂口)、麻生久美子(女医)、小峠英二(バイきんぐ)(自滅)、ふせえり(デビルおばさん)、田中哲司(社長)、松尾スズキ(ザッパおじさん)ほか
映画「音量を上げろタコ!」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「音量を上げろタコ!」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!の予告編 動画
映画「音量を上げろタコ!」解説
この解説記事には映画「音量を上げろタコ!」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!のネタバレあらすじ:起
とあるライブハウスでは、熱狂的なファンが場内を埋め尽くす中、カリスマロックシンガーのシン(阿部サダヲ)のライブが行われようとしていました。ライブ前、楽屋ではレコード会社の担当者の坂口(千葉雄大)の立ち合いのもと、シンは怪しげな薬剤を注射器に入れ、喉に注入しました。シンの脅威の歌声は、この“声帯ドーピング”によって生み出されているものでした。
時を同じくして、とある駅前では、シンとは対照的なさわやか系のストリートミュージシャン・明日葉ふうか(吉岡里帆)が路上ライブを開いていましたが、そのあまりにも小さすぎる歌声に聴衆からは失笑や罵声が飛び交っていました。
一方のシンは過去に暴力事件を起こしており、不起訴となったことから音楽活動を再開したのですが、事務所の社長(田中哲司)からのライブ中止要請を振り切ってステージに立ったシンは狂乱のパフォーマンスを繰り広げますが、途中で喉から大量の血を吐いてしまいます。ファンは演出だと勘違いしていましたが、シンの喉はこの時既に度重なる声帯ドーピングの影響でボロボロになっていたのです。
音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!のネタバレあらすじ:承
バンド仲間からも見捨てられ、一人「すき屋」で牛丼を食べ終えたふうかは、出前のピザ屋のバイクを奪ってライブハウスから逃げ出したシンと出会います。工事現場で破裂した水道管の水でメイクの剥げ落ちたシンを、ふうかは怪しげな女医(麻生久美子)の経営する病院に運んでいきました。
ふうかは吉祥寺で怪しげなアイスクリーム屋を営む親戚のザッパおじさん(松尾スズキ)とデビルおばさん(ふせえり)夫妻にバンドをクビになったことを報告しますが、いつまでも甘えてるんじゃないと一喝されてしまいます。音楽を辞める決心を固めたふうかはシンを見舞いに行きましたが、シンはいつの間にか病院を抜け出していました。その頃、社長は坂口に声帯ドーピングの件を明かし、この技術は日本ではなく韓国にしかないと告げていました。
駅前で路上ライブをしているふうかの前にシンが現れ、早速彼女の歌声を聴いてみようとしますが、近くで路上ライブをしているパンクロッカーの自滅(小峠英二)のバンドの方が圧倒的に音量がうるさかったのでシンは文句を言いに行ったところ大トラブルとなってしまい、ふうかを連れてその場から逃げ出しました。ふうかから職業を聞かれたシンは咄嗟に音楽プロデューサーだと嘘をつき、ふうかの音楽は心に全く響かない不燃ゴミだと指摘、「音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!」と吐き捨てました。シンは自分の気持ちを大事にしたい、いつか自分の声を見つけたいというふうかに、それは“やらない理由”を見つけているだけだと本音をぶつけました。ところが、まとわりつくシンから逃れようとしたふうかはその際に母からもらった大事なギターを壊してしまい、シンの脳裏にはある思いがこみ上げてきました。
音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!のネタバレあらすじ:転
翌日、シンはふうかの元に現れ、昨日の弁償だとして新しいギターをプレゼントしました。シンは何かと言い訳をつけて動こうとしないふうかを無理やり怪しげなオーディション会場に連れて行きますが、その様子をたまたま居合わせた坂口に目撃されてしまいます。そうと気付かないシンは突然声が出なくなり、ふうかはシンが喉にドーピングの注射を打っているのを目撃してしまいます。女医はこの薬が旧ソ連で開発された筋肉増強剤であり、非常に強い副作用があることから全面禁止になっている代物だとふうかに告げました。
ところがその日、突如としてシンの口パク疑惑が報じられてしまい、社長の事務所に現れたシンは情報をリークした坂口を責めると、これがラストになるであろうライブツアーの続行を宣言しました。シンが去った後、社長は坂口に、シンには心の病で声を失った妹がいることを打ち明けました。その夜、坂口は愛人にシンの件をリークしたことを明かし、普段は気弱なフリをしながらも自分には強い破壊衝動があることを打ち明けました。
シンは決死の覚悟でレコーディングに臨み、一方のふうかはデビルおばさんの励ましもあって音楽活動に全力で挑む決意を新たにしました。ところが、坂口は密かにマスコミにシンの声帯ドーピングの件をリークしてしまい、世間はたちまち賛否両論の嵐が吹き上げ、シンのツアーのチケット価格も異常に高騰していきました。そんなある時、いつものように路上ライブをしていたふうかは、ビルの上の広告からシンの正体はあのカリスマロックシンガーのシンであることに気付いてしまいます。そのシンは「さいたまスーパーアリーナ」で予定していたライブをドタキャン、行方をくらましていました。
ふうかはザッパおじさんやデビルおばさんとシン失踪のニュースを見ていたところに突然ふらりとシンが現れますが、ふうかたちの元にも坂口や関係者たちが迫っており、シンはふうかを連れて逃げ出しました。一方、ライブのキャンセルで多額な負債を背負った社長は、債権者に必ずシンを見つけ出すと約束しました。
人気のないところに辿り着いたシンは、ふうかに自分の“素の声”を覚えていてほしいと告げると、小さな声で「アベマリア」を歌い始めました。その時、シンの脳裏には過去のことが走馬灯のように蘇ってきました。「アベマリア」は母から虐待を受けてきたシンにとって妹との思い出の曲であること、元々声の小さかったシンはあるロックバンドとの出会いで大きな声で歌いたいと願うようになったころ、そして目の前で母が男を刺し殺した現場に居合わせ、ショックで声が出せなくなってしまった妹のことなど…。
音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!の結末
ふうかはかつて自分はいじめを受けていたせいで大きな声が出せなくなったことを明かし、喉を元に戻すための声帯手術を受けさせるためシンを韓国・釜山に連れて行くことにしました。釜山近くの花火工場がある小さな村はかつてふうかが父の仕事の関係で住んでいたところでもあり、ふうかはシンをこの村に匿おうとしましたが、旧知の仲だった社長はザッパおじさんとデビルおばさんを問い詰めてシンの居場所を突き止めていました。
翌日に控える手術を受ければこれまでの歌声を失ってしまうシンは、ふうかに「お前が俺の声になれ」と伝え、絶叫してみせろと鼓舞しました。その時、遂にシンの居場所が突き止められてしまい、シンとふうかは追っ手から逃れるために倉庫内の花火をド派手に爆発させ、ふうかは隠していた古いバイクで逃げようとしましたがエンジンがかかりません。ふうかはシンに生まれて初めての大声で本音をぶつけ、これに喜んだシンはようやく起動したふうかのバイクで逃げようとしましたが、シンは喉から血を吐いて倒れてしまい、地元の警察に逮捕されてしまいました。ふうかは連行されるシンと熱くキスを交わし、いつまでも彼のそばを離れようとはせず、警察車両に振り切られるとありったけの大声で「シン!」と絶叫しました。
時は流れ、“絶叫の歌姫”として大ブレイクを果たしたふうかは、完全に声を失い釜山の刑務所に服役しているシンに声を聞かせるため、自分の担当になった坂口の提案で釜山に近い対馬でライブを開くことにしました。これまでにない強い風が吹くなか、ふうかはシンからの教えを胸にステージに立ち、シンはそれに反応するかのように刑務所の庭で身を乗り出すかのように動き回り、かつてステージに立っていた時の自分自身と重ね合わせていました。その時、シンに向けて1発の銃弾が放たれました。
以上、映画「音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!」のあらすじと結末でした。
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