王様とボクの紹介:2012年日本映画。やまだないと原作の同名漫画を原作者自身の共同脚本で映画化した作品です。事故で12年の間昏睡状態に陥り、中身がまだ6歳のまま目覚めた青年が、友人たちとの触れ合いを通じて葛藤する姿を描いています。
監督:前田哲 出演者:菅田将暉(モリオ)、松坂桃李(ミキヒコ)、相葉裕樹(トモナリ)、二階堂ふみ(キエ)、中河内雅貴(ジュン)ほか
映画「王様とボク」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「王様とボク」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
王様とボクの予告編 動画
映画「王様とボク」解説
この解説記事には映画「王様とボク」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
王様とボクのネタバレあらすじ:起
18歳の誕生日を迎えたミキヒコ(松坂桃李)は、幼馴染のトモナリ(相葉裕樹)とその母(松田美由紀)、そして彼女のキエ(二階堂ふみ)から盛大に祝福されます。その夜、キエと愛し合ったミキヒコはふと、同い年の旧友のことを思い出していました。
12年前、6歳だったミキヒコ(藤田健心)とトモナリ(菅家有都)は、幼馴染のモリオ(二宮慶多)とよく一緒に遊んでいました。大人になっても、三人はいつまでも一緒だと思っていました。ところがある日、モリオは小学校のブランコから転落して頭部を強打し、意識を失い昏睡状態に陥ります。それからというもの、ミキヒコとトモナリは、すっかりモリオとは疎遠になり、話題に出すこともありませんでした。
しかしミキヒコの誕生日の翌日、12年もの間昏睡状態にあったモリオが、奇跡的に目覚めます。そのことをニュースで知ったキエは、ミキヒコに急いで連絡を入れました。ニュースを見たミキヒコも、ニュースで伝えている人物がモリオのことだと直感します。
ミキヒコは、キエと共にモリオが入院している病院を訪れることにしましたが、モリオの家族とコンタクトが取れず、病院側から面会を断られます。ミキヒコとキエが途方に暮れているその時、突然看護師たちの動きが慌ただしくなってきました。
「まだ自力で歩けるはずがないだろ…」などと話す看護師たちの言葉を聞いたミキヒコとキエは、こっそりと看護師たちのあとを追ってみることにします。すると、薄暗い非常階段でうずくまっているモリオ(菅田将暉)を発見しました。
王様とボクのネタバレあらすじ:承
震えるモリオに「本当にモリオ?」と、そっと近づくミキヒコ。するとモリオが「ミキちゃん?」と顔をあげます。しかしミキヒコの姿を見るとモリオは怖がってしまい、また頭を抱えて震え出しました。そしてモリオは嘔吐してしまい、そこへ駆けつけた看護師らに無理やり連行されていきました。
病院へはトモナリの母親が迎えに来てくれて、ミキヒコは駅まで送ってもらいます。車中でトモナリの母親からモリオに会ったかと聞かれたミキヒコは、「でっかくなってた。面影はあったけど…」と言葉を詰まらせました。
その後、ミキヒコは大学生となります。モリオが目覚めたことで何かが変わると思っていたミキヒコですが、何も変わらない日々が過ぎて行きました。ミキヒコは、キエとトモナリの住むマンションを訪れて、屋上に登ると「大人になんかなりたくない!」と叫びます。
一方、病院を退院したモリオは、養護施設へ預けられることになりました。モリオの両親はずっと昔に離婚しており、それぞれ新しい家族がいます。モリオには帰る家はなく、一人寂しく施設で暮らすモリオ。
そんなる日、ミキヒコはモリオと一緒に新しい生活を始めるために、大学をやめてしまいます。それを知ったキエは、「モリオが大人になるまでずっとそばにいるつもり?」と尋ねます。ミキヒコは、いきなり大人にならないといけないモリオをかわいそうに思っており、誰かに守られて時間をかけて大人になる必要があると考え、「大人になるって、誰かを守ることなんじゃないかと思う。」とキエに力説します。
その考えに賛同したキエは、ミキヒコにモリオがいる施設を教えることにしました。実は彼女は、ミキヒコがいつモリオに会いたくなってもいいように、トモナリの母と共にモリオの居場所を探していました。
王様とボクのネタバレあらすじ:転
施設で暮らすモリオは、ちょくちょく施設を抜け出すようになっていました。そしていつしか小学生3人組と打ち解けて仲良くなり、一緒に遊ぶようになったモリオは、今では見た目は18歳ですが、脳の中身は6歳の時のまま止まっている状態です。
一緒に暮らすために施設へとモリオを迎えに来たミキヒコは、度々施設を抜け出して小学生たちと遊んでいるモリオを目撃します。小学生たちから将来何になりたいのか聞かれたモリオは、「日本の王様!」と元気よく答えました。それを聞いた小学生は大笑いしますが、モリオは何が面白いのかわかっていません。そんなモリオを微笑ましく見守るミキヒコ。
モリオは、近くにいたミキヒコに気がつきます。「ミキちゃん!」と呼び、ミキヒコに近づくモリオ。彼はミキヒコのことを覚えており、その後二人は喫茶店で食事をすることにしました。モリオは昔三人でとった写真をもっており、トモナリはどうしているのか尋ねます。ミキヒコは、これからは頻繁に会いにくるので、以前のように仲良くしようと言いました。
二人はバイクに乗ってゲームセンターへ行き、一緒にプリクラを撮るなど12年ぶりに旧交を温めていきます。しかし夜になると突然、モリオが母親に会いたいと言って泣き出してしまいました。朝になるとモリオは急に「帰る!」と言って、一人施設へと戻っていきます。ミキヒコは、彼の姿が見えなくなるまで見守っていました。
王様とボクの結末
一方トモナリは、なるべくモリオに接触を取らないよう努めていました。密かに“大人”になる決意を固めていたのです。トモナリは、一人ひっそりとトイレで泣くなどして、モリオのことは心にしまうことにしました。
そしてモリオが19歳の誕生日を迎えました。ミキヒコはモリオに会うために、施設で誕生パーティーを行うモリオにバイクで会いに行きます。しかし途中で転倒し、ミキヒコは意識を失ってしまいました。そしてミキヒコは不思議な夢を見ました。
施設で盛大に誕生日会を開いてもらい、大喜びするモリオ。いつものように小学生と戯れていたモリオを、ミキヒコが無理やり施設から連れだします。しかし、途中でバイクのエンジンがかからなくなり、動かなくなりました。二人は走り出しますが、モリオは追いかけてきた小学生たちと走り去ってしまいます。そして、やがてミキヒコの前から姿を消してしまうという夢です。
夢の中でモリオを必死に追いかけていたミキヒコは、夜になりようやく目を覚ましました。すると心配したキエから電話がかかってきました。
そしてその夜、モリオは施設を抜け出すのでした。
ある日以上、映画「王様とボク」のあらすじと結末でした。
この映画の感想を投稿する