サカサマのパテマの紹介:2013年日本映画。地下世界に住む少女パテマは、いつものように危険区域と呼ばれるエリアを探索しているとコウモリ人間と呼ばれる謎の存在に追われ、誤って穴に落ちてしまいます。地上世界アイガに住む少年エイジは、地下に通じる穴の近くでパテマと出会いますが、パテマは空に向かって落ちかけていました。パテマとエイジは、重力の向きが違う世界で暮らしていたのでした。こうして、パテマとエイジのサカサマな交流が始まったのでした。
監督:吉浦康裕 声優:藤井ゆきよ(パテマ)、岡本信彦(エイジ)、大畑伸太郎(ポルタ)、ふくまつ進紗(ジィ)、加藤将之(ラゴス)、安元洋貴(ジャク)、内田真礼(カホ)、土師孝也(イザムラ)、ほか
映画「サカサマのパテマ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「サカサマのパテマ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
サカサマのパテマの予告編 動画
映画「サカサマのパテマ」解説
この解説記事には映画「サカサマのパテマ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
サカサマのパテマのネタバレあらすじ:起
地下世界に住む少女パテマは、もっと広い世界が知りたいと、危険区域と呼ばれるエリアに入り、ジィの小言を言われる毎日でした。ある日、危険区域に行ったパテマは、天井に張り付く「コウモリ人間」に遭遇し、コウモリ人間から逃げようとして誤って穴に落ちてしまいました。
そのころ、地上世界アイガに住む少年エイジは、巨大な穴の近くで星空を眺めていました。その時、何かが引っかかる音がして、音の方を見ると、リュックがフェンスに引っかかっていましたが、そのリュックは、空中に浮かんでいました。エイジは、思わずリュックを見ていると、今度はフェンスをよじ登るパテマが目の前に現れました。
パテマはエイジを見て驚き、足を滑らせますが、地上ではなく空に向かって落ちようとしていました。エイジはフェンスの端につかまるパテマの手を握ると、エイジとパテマは空に昇っていきました。しかし、パテマが握っていたリュックを手放すと、今度は地上に向けて降りていきました。
エイジは地上に降りると、パテマを連れて近くの小屋に向かいました。小屋に入ると、パテマは天井に張り付きました。エイジはパテマをサカサマと指摘しますが、パテマもエイジやこの世界がぶら下がっていると言いました。
その時サイレンが鳴り、エイジはパテマにまた来ると約束して学校に行きました。エイジがいる地上世界アイガは、徹底した管理社会で、かつて発生した大異変により人が空に連れ去られたため、空を見ることを禁じていました。
サカサマのパテマのネタバレあらすじ:承
夕方、エイジは小屋にやってくるとパテマに食料を渡しました。その夜、エイジは小屋の外で星空を眺めていましたが、パテマも最初は怖がっていたものの、初めて見る星空に綺麗、と思わずつぶやきました。エイジの父親も星空が好きで、空を飛ぶ乗り物まで作りましたが、事故で亡くなってしまいました。パテマはエイジの父親の気持ちがわかると言い、エイジは誰にも理解されなかった父親の気持ちをパテマがわかってくれたことに感激しました。
そのころ、アイガの指導者であるイザムラは、パテマがアイガに侵入したことに気付きました。次の日、パテマとエイジは小屋に近づいた治安警察から逃げようとしますが、捕まってしまい、エイジはイザムラからパテマの事を忘れるように脅迫されました。捕えられたパテマは、イザムラから過去に起きた大異変について聞かされました。
かつて人類は、重力からエネルギーを得る実験を行いましたが、実験は失敗して重力は反転し、一部の人間を除いて全て空に落ちてしまいました。そして地上に残った人間は、アイガを作り上げたのですが、他にも落下を逃れて地下に住み着いた人間がおり、それがパテマ達でした。イザムラは、かつてアイガにパテマのようなサカサマな人間が現れたといって、ある人物の死体を見せましたが、それはパテマの憧れの人物だったラゴスでした。
エイジは、ふらふらとパテマと最初に会ったフェンスに来ますが、その時、下からロープが伸びてきて1人の少年が現れました。少年は穴に落ちたパテマを探しに来たポルタで、ポルタは、エイジを地下世界に連れて行きました。エイジは密かにジィの元に連れて行かれると、パテマはアイガの管理センターの中に居ると言いました。
実は管理センターは地下世界の危険区域に向かって伸びており、エイジとポルタは、そこから管理センターに入り、パテマを助けに行くことにしました。
サカサマのパテマのネタバレあらすじ:転
パテマは管理センターの最上階に監禁されていました。そのことを知ったエイジとポルタは、最上階に向かって進んでいきますが、途中で別れてエイジのみが最上階の部屋に入りました。最上階は天井がガラス張りとなっており、空に落ちる恐怖から泣き出すパテマを見たエイジは、パテマに駆け寄るとパテマを抱きしめて、怖い思いをさせたことを謝りました。
そこへ治安警察と共にイザムラが部屋に入ってきました。するとエイジは、天井のガラスに椅子を投げて壊すと、パテマと共に壊れたガラスの穴を抜けて外に出ました。しかし、パテマの足に重りがついており、そのまま空に昇りそうになり身動きが取れなくなります。そこにイザムラがやってきて、エイジを蹴り飛ばすとパテマを捕まえました。
イザムラは、部下にエイジを射殺するように命じますが、その時、パテマがイザムラの体をよじ登ると、エイジの方に体を投げ出しました。エイジはパテマを受け止めますが、そのまま空に飛んで行ってしまいました。2人はどんどん上空に上っていき、雲海を抜けてやがて上空に星空が広がりますが、その星空に近づくと、多数のビルが見えてきました。
エイジが星と思っていた光は、ビルのライトの光でした。ビルの一角に着陸した2人は、初めて会ったときに空に昇って行ったリュックを見つけました。さらに、エイジは父親が作った空を飛ぶ機械を見つけました。
エイジはそこで父親のメモ帳を見つけますが、そこには、父親はラゴスと出会っており、ラゴスの協力の元、父親の夢を実現させるため空を飛ぶ機械を作ったこと、そして、父親は自分の夢をかなえてもらったお礼に、ラゴスの夢であるすべての人間が共に生きることに協力することが記載されていました。自分たちが憧れていたラゴスと父親が共に夢に向かって協力していた事実を知り、パテマとエイジは、より親密になりました。
サカサマのパテマの結末
パテマとエイジは、空を飛ぶ機械から重りを外して地上向かって降下しました。イザムラは地上に向かって降下している空を飛ぶ機械を発見すると、治安警察と共に降下予想地点に向かいました。エイジとパテマは、治安警察が近づいているのを見ると、空を飛ぶ機械を離れ、地下世界に通じる穴に入ることに成功しました。
エイジとパテマは、ジィやポルタと再会しますが、そこに空を飛ぶ機械に乗ってイザムラ達が追ってきて、エイジとパテマは穴の最深部まで落ちてしまいました。イザムラはエイジ達に銃を向けると、エイジにパテマを離すように言いますが、エイジは、サカサマで不安なパテマは自分につかまるしかないと、イザムラの命令を拒否しました。
イザムラはエイジの右腿を撃ち、エイジは血を流してうずくまりますが、それでもパテマを離しませんでした。イザムラはエイジ達に近づいていきますが、パテマがエイジから離れるとイザムラにとびかかりました。パテマはイザムラから反撃を受け、地上に向かって落下しかけますが、その時、エイジが大声を上げると、エイジ達や空を飛ぶ機械が落ちた影響でもろくなっていた最深部の床が抜けて、大穴が開きました。
大穴の向こうには青空が広がっており、イザムラは空を飛ぶ機械と共に落ちていきました。気が付いたエイジが見たものは、青い空と緑の大地とかつての文明の残骸でした。実は実験をした研究者は、実験の影響で重力が反転した人たちのために地下施設を作り、それがアイガとなったのでした。
パテマは、空に落ちないようエイジを抱きしめながら、かつて人類が暮らしていた大地を2人で見つめていました。
以上、映画「サカサマのパテマ」のあらすじと結末でした。
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