映画大好きポンポさんの紹介:2020年日本映画。2017年4月にイラスト投稿サイト「pixiv」に投稿され、瞬く間に65万ビューを記録した杉谷庄吾【人間プラモ】の同名漫画をアニメーション映画化した作品です。映画の都・ニャリウッドを舞台に、自分自身に自信を持てない若き映画好きの青年が凄腕プロデューサー・ポンポさんによって映画監督に抜てきされたことをきっかけに成長していきます。
監督:平尾隆之 声優:清水尋也(ジーン・フィニ)、小原好美(ジョエル・ダヴィドヴィッチ・ポンポネット(ポンポさん))、大谷凜香(ナタリー・ウッドワード)、加隈亜衣(ミスティア)、大塚明夫(マーティン・ブラドック)、木島隆一(アラン・ガードナー)、小形満(ジョエル・ダヴィドヴィッチ・ペーターゼン)、坂巻学(コルベット)、野水伊織(フランチェスカ・マッツェンティーニ)ほか
映画「映画大好きポンポさん」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「映画大好きポンポさん」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画大好きポンポさんの予告編 動画
映画「映画大好きポンポさん」解説
この解説記事には映画「映画大好きポンポさん」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
映画大好きポンポさんのネタバレあらすじ:起
ここは映画の都、アメリカ・ニャリウッド。若き映画マンのジーン・フィニは(清水尋也)は映画好きが高じて「ペーターゼンフィルム」に入り、今では製作アシスタントとして働いていました。
ちょうどこの頃、ペーターゼンフィルムは若手女優ミスティア(加隈亜衣)の主演、コルベット監督(坂巻学)のメガホンによる映画の製作中でした。そしてこの映画をプロデュースしているのは凄腕プロデューサー、“ポンポさん”ことジョエル・ダヴィドヴィッチ・ポンポネット(小原好美)です。ジーンはポンポさんのもとで映画作りを学んできました。
ポンポさんは見た目こそ幼い少女のようですが年齢は不詳。数々のヒット作を手掛けてきた凄腕プロデューサーのジョエル・ダヴィドヴィッチ・ペーターゼン(小形満)の孫であるポンポさんは引退した祖父の才能とコネクションをそのまま受け継いだのですが、「泣かせる映画よりもオバカな映画で感動させた方がかっこいい」との持論からB級映画にこだわり続け、長時間映画を嫌って自身の手掛ける映画は90分以内に収めるというポリシーを貫いてきました。
元々自分自身に自信を持てずに生きてきたジーンは、才能の塊であるポンポさんの仕事ぶりを見ていると余計に自信を失くしてしまうのです。そんなジーンも、いつかは監督として映画を作りたいという夢を抱いていました。
映画大好きポンポさんのネタバレあらすじ:承
そんなある日、ジーンはこの日は新作映画のオーディションの日にも関わらず寝坊してしまい、急いでバスに乗り込みました。その際、ジーンは車道の水たまりを踏んで跳ねるひとりの少女の姿を目の当たりにし、まるで映画のワンシーンかのようなその光景につい見惚れました。実はこの少女もまたオーディションを受けに来たひとりでした。
ジーンはポンポさんから次なる指示を受けました。それはコルベット監督の新作映画の15秒間のCMを作れというのでした。ジーンは一生懸命に作業に取り掛かり、完成したCMはポンポさんやコルベット監督からも認められるものとなりました。
ジーンはポンポさんに、かねてから疑問に思っていることを尋ねてみました。ポンポさんはなぜ自分を採用したのかと。するとポンポさんは「目に光がなかったから」と答え、追い詰められた者や世間から社会不適合者とみなされた者は自分の内側に自分自身の世界を作っており、クリエイターとしての潜在能力があるのだと持論を語りました。
ある日、ジーンはポンポさんから新作映画「MEISTER(マイスター)」の台本を受け取りました。その内容は、人生に絶望した大物音楽家が旅先で少女と出会い、彼女と触れ合ううちに少しずつ人間性を取り戻していくというものでした。
ポンポさんは主演の音楽家役に本作が約10年ぶりの復帰作となる伝説の俳優マーティン・ブラドック(大塚明夫)、そしてヒロインの少女役にはジーンがあの時見惚れた少女ナタリー・ウッドワード(大谷凜香)の配役を決め、そして監督には何とジーンを指名しました。これが計らずも監督デビュー作となったジーンは戸惑いを隠せませんでした。
映画大好きポンポさんのネタバレあらすじ:転
女優を夢見て故郷の田舎町を飛び出したナタリーは、これまで交通誘導員のバイトで日銭を稼ぎながらオーディションを受け続けてきましたが、これまで30連敗という有様でした。ポンポさんがナタリーこそが「マイスター」のヒロインに相応しいと考えての大抜擢でした。
ポンポさんはナタリーにバイトを辞めさせ、ミスティアの付き人にして芝居のトレーニングを受けさせました。最初は演技のぎこちなかったナタリーも稽古を重ねているうちに次第に上達していきました。ジーンはそれでもまだ自信が持てずにいるナタリーを励まし、コルベット監督もまたジーンに「誰かひとり、見てもらいたい誰かのために映画を作ればいい」と助言しました。
ジーン、ナタリー、マーティン、ポンポさんたちはスイスでロケをすることになりました。現地へ向かう飛行機の機内にはニャリウッド銀行のエリート銀行マンであるアラン・ガードナー(木島隆一)も乗り合わせていました。アランは何やらジーンに見覚えがあるようでした。
撮影はロケ現場のヤギ小屋の屋根が壊れたり、オオカミがやってきたりとトラブルが続発しましたが、ジーンは状況を巧みに利用して撮影を続けていきました。現場も和気藹々と快調に進み、ポンポさんはこの作品は栄誉ある「ニャカデミー賞」を取れると太鼓判を押して一足先に帰国していきました。
一方、アランはたまたま撮影現場を目撃し、ジーンはかつてのハイスクール時代の同級生だったことを思い出しました。学生だった頃、アランは鬱屈した人生を送っていたジーンとは対照的に順風満帆な人生を歩んでおり、ジーンに「下ばっか見ないで前見ろよ」と声をかけたことがありました。
やがてアランはエリート行員に上り詰めましたが、あまりにも人生が順調に行き過ぎた反動か今や何の生き甲斐も見いだせず、仕事にも行き詰まりを感じていました。アランは今や夢に向かって突き進んでいるジーンに「お前はずっと、前だけ見てたんだな」と声をかけました。
映画大好きポンポさんの結末
撮影はクランクアップを迎え、ジーンは編集作業に入りました。しかし、編集の過程でジーンは各シーンの取捨選択に悩み、更には自分が一番欲していたシーンがまだ撮れていなかったことに気付きました。ジーンはポンポさんに追加撮影がしたいと申し出、ポンポさんも了承しました。
ところが、製作過程で深刻な問題が生じていました。編集作業が長引き、期日をオーバーしてしまったためにスポンサーが映画を降りており、どうしても追加の製作費を調達しなければならなくなったのです。ペーターゼンフィルムはニャリウッド銀行に融資を打診し、この話を聞いたアランはジーンやポンポさんたちのために協力することにしました。
しかし、ニャリウッド銀行の上層部は映画に融資をしないことを決定しようとしていました。そこでアランは銀行の幹部たちを説得し、ジーンやポンポさん、出演者たちの映画にかける想いを撮った映像を見せ、既にクラウドファンディングで資金を集めていることも明かしました。銀行の幹部たちもアランやジーンたちの熱意に折れ、一転して融資することを決定しました。
ジーンが追加撮影したかったシーンとは、マーティン演じる主人公の過去の場面でした。主人公が妻子との折り合いが悪くなり別れるに至った経緯が撮りたかったのです。主人公の妻役はミスティアが別名義で参加しました。
追加撮影も終わり、ジーンは編集作業の仕上げに取り掛かろうとしましたが、過労で倒れて入院してしまいました。それでもジーンは密かに病院を抜け出して編集を続け、ようやく映画は完成しました。ポンポさんは試写でジーンの渾身の作品を最後まで見、「君の映画、大好きだぞ」と絶賛しました。
ジーンの監督デビュー作となった「マイスター」は大ヒットし、念願のニャカデミー賞をも受賞しました。ジーンは授賞式でこの作品の気に入っているところを聞かれ、ポンポさんのアドバイスを思い出して「上映時間が90分ってとこですね」と応えました。
以上、映画「映画大好きポンポさん」のあらすじと結末でした。
pixivというイラストサイトに掲載された漫画を原作とした劇場アニメです。映画をこよなく愛する青年ジーンが敏腕映画プロデューサーのポンポさんからの依頼をきっかけに映画監督を務めることになり…というストーリーです。映画が好きな方、ものづくりが好きな方にはぜひ見てほしいオススメの映画です。