劇場版ラーゼフォン 多元変奏曲の紹介:2003年日本映画。TVアニメ「ラーゼフォン」の劇場版で、TV版の総集編ですが設定などTV版から変更が加えられています。2012年12月、恋人同士だった綾人と美嶋遙は、年を空けてからの再開を約束して別れましたが、次の日に東京は木星に酷似した絶対障壁に覆われて世界から隔絶され、たまたま東京を離れていた遙は、綾人を想い絶叫します。2015年、東京にいた綾人は、突然始まった戦闘から避難する時に行方不明となっていた遙の幻を見かけます。綾人は、その幻を追いかけますが、そこで紫東という女性と出会ったことで、綾人の止まっていた運命が動き出します。
監督:京田知己 声優:綾人(下野紘)、紫東遙(久川綾)、美嶋遙(坂本真綾)、久遠(桑島法子)、ほか
映画「劇場版ラーゼフォン 多元変奏曲」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「劇場版ラーゼフォン 多元変奏曲」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
劇場版ラーゼフォン 多元変奏曲の予告編 動画
映画「劇場版ラーゼフォン 多元変奏曲」解説
この解説記事には映画「劇場版ラーゼフォン 多元変奏曲」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
劇場版ラーゼフォン 多元変奏曲のネタバレあらすじ:起
2012年12月、恋人同士だった綾人と美嶋遙は、年を空けてからの再開を約束して別れます。しかし次の日、東京は木星に酷似した絶対障壁に覆われて外から中の様子がわからなくなってしまいます。母の実家に帰省するために東京を離れていた遙は、その禍々しい障壁を見て、綾人の事を想い絶叫します。
それから3年後、綾人は東京で普通に暮らしていましたが、世界は東京を残して滅亡したと教えられてきました。そんなある日、上空から謎の戦闘機が襲来し、戦闘が始まります。綾人は戦闘から避難する途中で、3年前に別れた行方不明となっていた遙の幻を見かけます。
綾人は遙の幻を追いかけて地下鉄の駅に行きますが、そこで母の遣いを名乗る2人組に拉致されかかります。しかし、突然女性が現れ、2人組を撃退しました。綾人はその女性にお礼を言ってその場を去ろうとしますが、遙は綾人に麻酔薬を投与して眠らせてしまいました。
綾人が目を覚ますと車に乗せられていました。女性はそのまま軍の基地に突入し、戦闘機を奪い空へ飛び立ちます。しかし、戦闘機は途中でコントロールを失い、神殿のような建物の中に入ってしまいます。その中で綾人は何かに操られているかのように戦闘機から脱出すると、神殿の中にある巨大な神像の元にたどり着きます。
そして、綾人が吸い込まれるように神像の中に入ると、神像は突然動き出しました。そこに綾人の母である神名麻弥が現れ綾人を鎮めようとしますが、綾人が操る神像は女性を助け出すと神殿の外に飛び出しました。そして、綾人が乗った神像は、綾人を止めようとしたもう一体の神像を倒すと、障壁の外に飛び出しました。
劇場版ラーゼフォン 多元変奏曲のネタバレあらすじ:承
綾人は気が付くとそこは海岸でした。そして、一緒に障壁から脱出した女性から、世界は滅びていない事、東京は木星に酷似した絶対障壁「TOKYO JUPITER」に覆われ世界から隔絶されていること、綾人が乗った神像は「ラーゼフォン」ということ、さらに外の世界では2027年で、TOKYO JUPITERの中と外では時間の流れが異なる事を教えられました。
そして、15年前、MU(ムウ)と呼ばれる異次元の侵略者が何かを守るためにこのTOKYO JUPITERを建造し、さらに世界中にTOKYO JUPITERと同じような物が建造される兆候がある事から、女性は、綾人にMUから世界を守ることに協力を求めました。
次の日、女性から所属する特務機関「TERRA」から迎えが来ましたが、その時、女性は紫東遙と名乗りました。綾人は紫東とラーゼフォンとともにTERRAの基地に向かいますが、そこで軟禁されてしまいます。綾人の血液検査の結果、MUの人間であるムーリアンの兆候が見られたためで、紫東からは、綾人の母・神名麻弥はMUの最高指導者であることを知らされます。
その後、綾人は眠れる少女の久遠と面会します。久遠は生粋のムーリアンで、世界を救うには彼女の目覚めが必要ですが、そのためには王子様の登場が必要であると教えられました。軟禁を解かれた綾人は、紫東が世話になっている家に居候することになりました。
劇場版ラーゼフォン 多元変奏曲のネタバレあらすじ:転
綾人はラーゼフォンに乗り、MUが操る巨大兵器ドーレムと戦いますが、ある日、ドーレムに拘束され、ラーゼフォンと共にTOKYO JUPITERの中に連行されました。かつて過ごしていた実家で麻弥と再会した綾人は、麻弥がムーリアンであること、そして、その子供である綾人もムーリアンである事を知らされます。
ムーリアンは、ドーレムか人間と同調しなければ、地上で存在できませんでした。本来であれば、麻弥がラーゼフォンに乗らなければなりませんでしたが、麻弥がムーリアンとなってその使命の記憶を取り戻した時、お腹にはすでに綾人がおり、使命は綾人に引き継がれました。麻弥は「これからどう生きるか綾人次第だ」と言いました。
ショックを受けた綾人は、外へ飛び出し、そこで同級生の朝比奈浩子と会いますが、浩子はすでにムーリアンとなる兆候が出ていました。綾人は浩子と共にラーゼフォンに乗り込み、TOKYO JUPITERから脱出しました。脱出した綾人は浩子と一緒に行動しますが、浩子はムーリアンになるにつれて人間だったころの記憶を失っていく自分に不安を覚えていました。
その時、突然ドーレムが襲ってきました。綾人は「浩子を守る」と言ってラーゼフォンに乗ってドーレムと戦いますが、そのドーレムは実は浩子と同調していました。そして、綾人がドーレムを倒した時、浩子は綾人にサヨナラというメッセージを送ると絶命しました。綾人は自分が浩子を殺してしまった事を知ってこの世界にはいられない、と落ち込ますが、そんな綾人に紫東は「綾人がいなくなる事を考えると怖い」と言って涙を流し、綾人と紫東はお互いを求めあいました。
ある日、綾人は紫東の妹である紫東恵から、紫東は昔東京にいたころ美嶋という名字だった事を知らされます。つまり紫東遙は、綾人が探し求めていた恋人の美嶋遙と同一人物で、TOKYO JUPITERの中と外との時間の流れの違いから、紫東は12歳も年上になってたため、綾人はこれまで気が付かなかったのでした。
劇場版ラーゼフォン 多元変奏曲の結末
TERRAは遂にMUへの反攻作戦に取り掛かり、特殊兵器によりTOKYO JUPITERが消滅しました。そのころ、綾人は久遠の元にいました。久遠を目覚めさせる王子様は、実は綾人のことであり、綾人は無理矢理久遠とキスさせられます。すると久遠は目を覚まし、空の彼方へ消えていきました。ですが、久遠が世界を救うというのは間違いで、久遠は実は世界の崩壊を加速させる側で、綾人とラーゼフォンなら久遠を止められるとのことでした。
綾人は、世界を救うためにラーゼフォンの元に行きますが、そこには紫東がおり、綾人に銃を向けました。綾人が次にラーゼフォンに乗ると人ではなくなってしまうため、紫東は綾人と止めようとしますが、綾人は「紫東が生き残れるなら自分はどうなっても構わない」と言いました。紫東は「やっと会えたのに」と泣いて綾人を止めますが、綾人は「こんなに待たせたのに好きでいてくれて嬉しかった」と言いました。綾人の固い決意を見た紫東は、綾人の手を握ると「いってらっしゃい」と綾人を送り出しました。
そのころ、もう一つのラーゼフォンを操っていた久遠が、ラーゼフォンを一体化してクオンゼフォンとなり、世界の調律を始めていましたが、そこに、ラーゼフォンと一体化してアヤトゼフォンとなった綾人が現れました。そして、アヤトゼフォンがクオンゼフォンを攻撃しようとした時、その間に戦闘機で割り込んだ紫東がその攻撃の直撃を受けますが、麻弥によって助けられました。
麻弥は綾人のことを紫東に託し、紫東は時の狭間にいる綾人に会いました。綾人はすでに人ではなくなっており、紫東と同じ世界にいることは出来なくなっていましたが、その代わり、綾人から望む通りの過去を与えると言われ、紫東は綾人と一緒に大人になった過去を希望しました。そして紫東は、恋人同士だったあの時間から綾人と過ごした時間が与えられ、アヤトゼフォンとクオンゼフォンにより世界は調教されました。
それから60年後、紫東は孫娘に綾人との思い出を語っていました。紫東はあれから綾人と結婚し、子供を産みましたが、綾人に先立たれていました。その時、ふと見上げると、時の狭間に行ったはずの綾人がいました。そして出会った頃の姿に戻った紫東は、綾人と共に時の狭間に消えました。
以上、映画「劇場版ラーゼフォン 多元変奏曲」のあらすじと結末でした。
この映画の感想を投稿する