ROOKIES -卒業-の紹介:2009年日本映画。人気ドラマシリーズの続編という位置付けで映画化されました。テレビドラマ版と同一のキャスティング・スタッフによ製作され、ドラマ版では登場しなかった笹崎戦などを織り込んだオリジナルの内容で構成されています。ブームを巻き起こした人気ドラマの集大成とも言えます。このドラマや映画から、佐藤健などの主役を張るようなスター俳優を数多く生み出しました。
監督:平川雄一朗 出演:佐藤隆太(川藤幸一)、市原隼人(安仁屋恵壹)、小出恵介(御子柴徹)、城田優(新庄慶)、中尾明慶(関川秀太)、高岡蒼甫(若菜智哉)、山本裕典(赤星奨志)、武田航平(川上貞治)ほか
映画「ROOKIES 卒業」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ROOKIES 卒業」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ROOKIES -卒業-の予告編 動画
映画「ROOKIES 卒業」解説
この解説記事には映画「ROOKIES 卒業」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ROOKIES -卒業-の出演者・スタッフ
監督:平川雄一朗
原作:森田まさのり
脚本:いずみ吉紘
主題歌:GReeeeN『遥か』
出演者:
川藤幸一(佐藤隆太)、安仁屋恵壹(市原隼人)、御子柴徹(小出恵介)、新庄慶(城田優)、関川秀太(中尾明慶)、若菜智哉(高岡蒼甫)、平塚平(桐谷健太)、岡田優也(佐藤健)、湯舟哲郎(五十嵐隼士)、桧山清起(川村陽介)、今岡忍(尾上寛之)、八木塔子(村川絵梨)、赤星奨志(山本裕典)、濱中太陽(石田卓也)、千葉卓真(勝野洋)、川上貞治(武田航平)、別所真澄(永井浩介)、藤田カオル(能世あんな)、島野右京(平山広行)、掛布光秀(天野ひろゆき)、池辺駿作(浅野和之)、真弓りえ(吹石一恵)、村山義男(伊武雅刀)、藤村輝弘(大杉漣)、吉田実(渡部篤郎)、御子柴響子(綾瀬はるか)、安仁屋の主治医:小山(平泉成)、ほか
ROOKIES -卒業-の紹介
この作品は、森田まさのりの野球マンガを原作とした映画で、テレビドラマ版と同じスタッフと出演者で制作されました。ドラマ版では演出を担当した『陰日向に咲く』(2008年)などを手がけた平川雄一朗が監督した作品です。キャッチコピーは「夢が、俺たちを強くした」で、物語はドラマ版の続編的な位置づけで、ドラマ版では登場しなかった赤星や濱中、笹崎戦などを入れたオリジナルの感動のスポーツドラマです。
詳細あらすじ解説
ROOKIES -卒業-のネタバレあらすじ1.プロローグ:「今までのことはすべて奇跡…」
「ねえ、先生、俺ね。時々思うんだ。今までのことはすべて奇跡なんじゃないかって。…最後にもう一度、奇跡を起こしてみせるよ。俺たちの夢をつかむために」と二子玉川高校野球部主将・御子柴徹は、球場のグラウンドに仲間と共に向かって歩きながら、これまでのことを思い出していました。かつて、二子玉川高校野球部は試合中に乱闘事件を起こし、半年間の活動停止処分を受け、新聞沙汰になって以来、部員たちは荒れ、校内一の不良軍団になり、野球は全然しなくなっていました。そんな野球部員たちを見た赴任してきたばかりの川藤幸一先生が「夢から逃げるな!」と、全力で真っ向から体当たりして、部員たち一人ひとりを更正させ、野球部を再建してくれ、自分たちをここまで成長させてくれたのでした。
ROOKIES -卒業-のネタバレあらすじ2.「夢にときめけ!明日にきらめけ!」
2009年3月、安仁屋恵壹はじめ二子玉川高校野球部員も高校2年、最後春を迎えていました。先輩の高校3年生の卒業式の日、川藤先生は見廻り係をしていました。偶然、会った野球部員たちに、川藤先生は卒業式を卒業生がどんな思いで迎えるかをこう説きました。「感謝だ。どんな生徒もこの日ばかりは三年間を振り返る。出会ってきた全ての人々のお陰で今の自分がある事を知る。だからこそ、我々教師は、その気持ちにできる限りの礼を尽くして応えねばならん。“礼の用は和を貴しと為す”だ」と。安仁屋は、川藤先生の言葉に疑問を抱き、言い返しました。すると、川藤先生は「俺がそんな高校生活にしてやる!」と言うと、部員たちは笑顔を見せました。その頃、卒業式は藤村校長先生の贈る言葉に、殆どの卒業生たちは、耳を傾けず騒然としていました。先生方は誰も注意をしませんでした。一方、校舎裏では別の卒業式として、一部の不良卒業生たちが島野先生にリンチをくわえていました。そこに偶然、出くわした安仁屋たち野球部員は「先輩、卒業おめでとうございます」と言い、その不良卒業生たちを殴り倒しました。安仁屋はリンチを受けた島野先生に「お前も俺たちに感謝されてみろよ」と言い、仲間たちとその場を去りました。騒然とした卒業式を見て憤った川藤先生は、校長先生の後、ズカズカと壇上に上がり、思いっきりお辞儀をして演台に頭をぶつけました。突然のその行動に卒業生たちは驚き、静まりかえりました。川藤先生は頭から血を流しながら「礼儀作法は敬愛の意を表する人間交際の要具なれば、いやしくもこれをゆるがせにすべからず!」と言い、卒業生たちに贈る言葉として笑顔でこう言いました。「夢にときめけ!明日にきらめけ!」と。
ROOKIES -卒業-のネタバレあらすじ3.平塚に憧れる新入部員・濱中太陽
2009年4月、野球部員たちは3年生となり、高校生活最後の1年に入りました。二子玉野球部にも待望の新入部員として、1年生の赤星奨志と濱中太陽の2人が入部してきました。
濱中は平塚平をヒーローとして憧れていました。今岡忍の話によると、濱中が中学時代不良グループで親父狩りをして返り討ちに遭ったところを、偶然、平塚が投げた缶がその親父の頭に当たり、濱中を助けたことがあったのでした。それ以来、濱中は平塚に憧れ、それにつられて、平塚はいい気になり、二子玉野球部の救世主は自分で、自分がエースで4番だと嘘をついていたのでした。ある日、野球部が練習していたところに、濱中がやって来ました。濱中は他の野球部員から真実を聞かされますが、信じませんでした。濱中は平塚の「補欠は桧山だ」と言う嘘も信じていました。そこに背番号1の安仁屋のユニフォームを着た平塚が現れました。「補欠」と嘘をつかれ憤った桧山清起は、平塚をマウンドに立たせて、勝負を挑みました。平塚は思いっきりボールを2球投げましたが、大暴投でした。そこに川藤先生と安仁屋が遅れてやって来ました。安仁屋は自分のユニフォームを着ている平塚を見て驚き、ちょっと事情を聞くと「スタメン争いか」と呟きました。その呟きと暴投を見た濱中は、平塚に不信感を抱き、平塚を責め始めました。平塚は落ち込みました。平塚に不信感を抱く濱中、落ち込む平塚を見た桧山は、平塚に「てめえ、真剣に投げろ!お前はそんなもんじゃねえだろう!」と檄をとばしました。見ていた部員たちも平塚にエールを送りました。平塚は思い直し、全力投球しました。ど真ん中に来たボールに、桧山は空振りし、悔しがって、バットを地面に叩きつけました。それを見ていた安仁屋は「確実にレベル上げてんぞ。あいつら」と御子柴に言いました。平塚は不信感を抱く濱中に訴えましたが、濱中は不信感を持ったまま、その場を走り去りました。
ROOKIES -卒業-のネタバレあらすじ4.生意気な新入部員・赤星奨志
その時、ボールを拾い、グラウンドを横切って帰って行く生徒がいました。その生徒が中学野球でも技術に優れた有名な赤星奨志でした。御子柴は練習をしようと言いますが、赤星は「しませんよ。練習なんか。あれって下手くそな奴がやることでしょ。俺、必要ないし」と生意気な口をたたきました。それを聞いた部員たちは怒り、喧嘩になりそうでしたが、新庄慶が制し、その日は何事もなく練習に入りました。土にまみれながらも真剣に野球部は練習していました。補欠の平塚も必死で練習していました。そんな平塚の姿を遠くから、濱中は毎日、見ていました。赤星は野球部が練習中でもお構いなく、近道だと言い、グラウンドを横切って帰っていきました。そんなある日、試合だけ呼んでくださいと言う赤星に、御子柴は練習しない奴は試合に出さないと言いました。赤星は「メジャーリーグに行くんですよ、俺」と言い返してきました。部員たちは赤星のその言葉を聞き、大笑いました。その姿を見た川藤先生は、「人の夢をバカにするな」と叱りました。赤星はバットを手に持つと、甲子園出場という夢をバカにし始めました。部員たちは憤りました。それを制し、安仁屋は持っていたボールを「おい!」と言い、赤星に投げつけました。赤星は振り返り、その球を簡単に撃ち返して、「試合には呼んでくださいね。背番号1はもらいますけど」と減らず口をたたき、帰って行きました。
ROOKIES -卒業-のネタバレあらすじ5.主将・御子柴の大怪我
御子柴はグラウンドに赤星が落としていった生徒手帳を見つけ、中を見てみると、多摩大学での練習日時がぎっしりと書き込まれていました。練習が終わると、御子柴は多摩大野球部のグラウンドに行くと、御子柴が大学生に混じって、必死に練習していました。御子柴は、彼は彼なりに夢に向かい頑張っているのだと思いました。そして、ある日、御子柴は工事中の校舎の裏でタバコを吸っている赤星に、生徒手帳を返しに行きました。「ちゃんと練習してたんだな」と言う御子柴に、赤星は悪態をつき、その場を離れようとしたとき、2人の不良にぶつかり、鉄棒で脚を殴られました。このままでは大怪我をすると思った御子柴は、その不良たちを制し赤星に「逃げろ!…メジャー行きてえんだろ。…夢があるんだろ!」と叫びました。その言葉を聞いた赤星は「普通、信じねえだろう。こんな夢」と呟きました。赤星を助けに入った御子柴は、不良たちともみ合っているとき、落ちてきた鉄筋で大怪我をしてしまいました。それを聞いた川藤先生と野球部員たちは、御子柴が入院した病院に急行しました。彼の姉・響子の話では、左足のひ骨が折れ、リハビリ期間を入れて、全治3か月という診断でした。夏の地区予選大会に出場できるかどうかのギリギリのところでした。御子柴の病室に行くと、御子柴は「道を切り開くのは、自信と勇気だ」と川藤先生から教わった言葉を言い、笑顔で頑張って治すと心配そうに見るみんなに言いました。御子柴は赤星のために大怪我を負ったにも関わらず、彼が打撲で済んだ事に安堵し、部員たちに赤星は自分の夢の実現ために日々、大学野球部で真剣に練習していることをうち明け、「頑張ってる奴は嫌いじゃないんだ」と言いました。そして、御子柴は「ずーっと考えてたんだけど、夢って叶ったらどうなっちゃうんだろうね。何かあるのかな?夢の先っていうか…夢の果てって…」とみんなに聞きました。すると安仁屋は「バーカ、叶えてから考えりゃいいんだよ」と笑顔で答えました。御子柴もそれを聞き、微笑みました。見舞いの帰り道、部員たちはショックで落ち込んでいました。川藤先生はそんな部員たちを励ましました。一方、ひとりになった御子柴は、最後の高校野球の大会出場が危ういことに、落ち込み、悔しく、涙しました。
ROOKIES -卒業-のネタバレあらすじ6.新しい仲間、赤星と濱中
翌日、野球部員たちは、主将・御子柴がいない練習に、いつものように気合いが入りませんでした。そんな部員たちを、安仁屋は叱咤しました。そこに松葉杖をついた赤星が、いつものようにグラウンドを横切って行こうとしました。くってかかろうとする若菜を安仁屋は制し、「英語を勉強してから…」と適当な言い訳を言う赤星に、「おめえにはよ、道を切り開く、自信と勇気がねえだけだろう」と言い放ちました。その頃、濱中は「ニコガク」と書かれたボロボロのボールを触りながら、校舎の屋上でタバコをふかして、平塚への感情と野球部入部への葛藤で悩んでいました。するとそこに、川藤先生が突如、現れ、濱中は慌てふためきました。川藤先生は濱中に「お前も一歩踏み出したいんじゃないのか。…平塚だけじゃない。俺にとっては野球部のメンバー全員、一人もかけちゃいけない自慢のエースだ!俺の誇りだ」と諭しました。その言葉を赤星も陰で聞いていました。濱中は放課後、懸命に練習する平塚を見ていました。クラスメートから野球部入部を止めとけと言われ、彼は「ワルがボールこんなボロボロになるまで野球やるかよ」と呟きました。一方、入院している御子柴は、主治医に夏の大会に出場できるように治してほしいと懇願していました。見舞いに行こうとしていた赤星は、その言葉を耳にし、病室に入れませんでした。ただ、赤星の心に御子柴の情熱が染み入りました。その夜、赤星は松葉杖をつき、多摩大野球部の練習に行きました。赤星の姿を見た大学生たちは、二子玉校野球部の悪口を言い始めました。赤星は、甲子園に行ったことがない奴がそんな悪口をいう資格などないと思い、タバコを投げつけ、直ぐに立ち去りました。翌日、濱中が正式に入部をしてきました。濱中は平塚に「今でも俺の永遠のヒーローっす」と言いました。部員たちがグラウンドに行くと、怪我が治った赤星が立っていました。部員たちが憤る中、赤星はグローブをはめ、セカンドの守備位置に立ち、「あの人が戻ってくるまで、ここは俺が守ります」と宣言しました。安仁屋は試しに難しい球を打つと、赤星はダイビングチャッチをして、技術の高さを見せ、安仁屋に「バテたらいつでも代わりますから」と相変わらずでした。そんな赤星を部員たちはみんな笑顔で迎えました。川藤先生は野球部員たちに檄をとばし、厳しい練習に入りました。
ROOKIES -卒業-のネタバレあらすじ7.試練の時
御子柴を見舞いに行ったマネージャーの八木塔子は、赤星と御子柴が正式に入部して練習していることを御子柴に伝えました。御子柴はその事に喜びましたが、自分の復帰時期への不安感にも苛まれました。二子玉野球部のグラウンドのフェンスには、御子柴のユニフォームが飾られ、部員たちはそれを見て、雨の日も風の日も、毎日、過酷な試練に耐え、必死で練習し続けました。入院している御子柴は、腕立て伏せなど、できる肉体トレーニングを日々続けました。6月中旬、彼のギブスはようやく外されました。そして、数日後、御子柴は退院し、野球部に帰ってきました。部員たち全員が部室に集まり、御子柴を歓迎しました。安仁屋は笑顔で「見に行くぞ。お前が言ってた。夢の果てっつーの」と御子柴に言いました。ようやく全員揃った二子玉野球部員たち、川藤先生は、部室の壁の旗「夢にときめけ、明日にきらめけ。めざせ甲子園。by 川藤幸一」を見つめ、決意を新たにしました。甲子園を目指しての地区予選大会のスケジュールが決まり、二子玉野球部は7月11日が初戦日となりました。スタメンも決められました。赤星は3番でセカンド、安仁屋は4番でピッチャー、新庄は5番でサードでした。御子柴、平塚、濱中は控えとなりました。川藤先生は全員にいつものように檄をとばし、「未来は希望に満ちている」と励ましました。気合いを入れ直し、全員が練習にまた励みました。御子柴は夜間、一人残って走るリハビリをしました。安仁屋は幼馴染みの八木に、甲子園に連れて行くという中学時代の「約束は守るよ」と言い切りました。そして安仁屋は中学時代に全く打てなかった川上貞治への借りを返すと呟きました。
ROOKIES -卒業-のネタバレあらすじ8.二子玉野球部の快進撃
甲子園目指しての東京地区大会が始まりました。二子玉野球部は夜も練習に励みながら、1回戦、2回戦…と気合いで勝ち進み、準決勝も延長10回で逆転し、決勝戦への切符を勝ち取りました。安仁屋がリベンジの炎を燃やす川上のいる笹崎高校も、彼の好投で勝ち進み、決勝戦は二子玉川高校対笹崎高校となりました。笹崎校のエース・川上の決め球はフォークでした。それを打ち崩さないと勝機はありませんでした。川藤先生は部員たちに「フォークは初球から投げてこない」「お前らなら大丈夫だ!」と励ましました。その夜、野球部員たちはいつもの河辺で並ん座り、だべっていました。関川秀太は「俺らってさ、幸せだよなあ。夢に向かってて、仲間がいてさ。…今より楽しいことなんて、この先あるのかなあ」と言いました。今岡は「ありがとうね。…俺もすっげえ楽しかった」と言うと、岡田優也は「勝ちゃもっと楽しくなるよ」と、新庄は「ぜってえ負けらんねえな」と言いました。その言葉を聞いた安仁屋はバットを持ち、川上のリベンジの炎を燃やし「あいつのフォークをレフトスタンドにぶち込んでやるイメージは、とっくにでき上がってんだよ」と呟き、バットを振り、仲間たちを見て「明日、俺たちが甲子園決めて、スターになる!」と叫びました。その言葉を聞いた仲間たちは、いつものように川に駆け込み、はしゃぎました。偶然、通りかかった川藤先生と真弓りえ先生は、彼らの姿を見ました。川藤先生は「行こう。甲子園へ」と呟きました。
ROOKIES -卒業-のネタバレあらすじ9.決勝戦、苦戦する二子玉野球部
翌日、決勝戦が始まりました。大歓声の中、両チームがグラウンドに入りました。川藤先生は、ベンチ前に整列した部員たちに「お前たちの手で、夢をつかんでこい」と檄をとばしました。二子玉野球部員たちは気合いを入れて、試合に臨みました。先攻は二子玉川高校、後攻は笹崎高校でした。初回、1番バッターの関川に対し、笹崎の川上は初球からフォークを投げ、ストライクをとりにきました。川藤先生の読みは大外れでした。1番・関川、2番・今岡は、川上に三振で抑えられてしまいました。3番・赤星はバントと見せかけ、相手の裏をかき内安打を打ち、出塁しました。4番・安仁屋は燃えました。川上は中学時代、三振で打ち取ったが、振り逃げをした安仁屋を思い出しました。初球から川上はフォークを投げ、安仁屋は空振りしましたが、赤星は二塁への盗塁を成功させました。安仁屋は2ストライクまで追い込まれ、川上は3球目に決め球のフォークを投げました。安仁屋は空振りしてしまいました。しかし、キャッチャーが後逸し、安仁屋にベンチから「振り逃げだ!」と指示が出ましたが、安仁屋は中学の時のあの悔しさを思い出し、打席から動けませんでした。安仁屋はアウトになり、赤星は3塁まで行き、得点のチャンスでしたが、初回は0点になってしまいました。悔しそうにベンチに帰る安仁屋を見たスポーツ新聞の吉田記者は「そんなちんけなプライドで戦えるほど、高校野球は甘かねえよ。…野球をなめた奴に栄光なんてねえよ」と呟きました。ベンチに戻った安仁屋は川藤先生に「殴ってくれ。…気合いが足りねえ」と言い、川藤先生は安仁屋をベンチ裏に連れて行きました。「俺は仲間と甲子園にいきてぇ」と真剣に言う安仁屋の目を見て、川藤先生は襟を正し、「男児、志を立てて郷関を出づ。学、若し成らずんば、死すとも帰らず。骨を埋むるあに墳墓の地を期せん。人間、到る処、青山あり!」と言うと自分で自分を殴り、安仁屋に見せつけました。ベンチに戻った安仁屋は全員に「おめぇら!この試合、ぜってえ勝つぞ!」と檄をとばし、マウンドに向かいました。他のメンバーも気合いを入れ直し、守備につきました。初回裏、笹崎は1番、2番バッターに全球見送りの三振を指示し、安仁屋の投球と野手の動きなどを観察・分析すると、3番から本気を出してきました。安仁屋は3番にヒットを打たれ、4番にホームランを打たれました。悔しがる安仁屋に、セカンドの赤星は、配球が読まれていることを告げました。気がついた安仁屋は、次の5番を三振にとり、初回を2点で抑えました。それ以降、二子玉打線は笹崎・川上のフォークを捉えられず、0点で抑えられていました。一方、笹崎は3回裏にスクイズで1点をもぎ取りました。試合は投手戦の様相になるかと思われましたが、安仁屋は6回にツーランホームランを打たれ、2点追加されました。
ROOKIES -卒業-のネタバレあらすじ10.若菜の大怪我~「それは俺たちニコガクのキズだ」
0対4の笹崎リードで迎えた7回表、5番・新庄は相手の虚をつき、バントで出塁しました。6番・キャッチャー・若菜智哉は「ここで燃えねえ奴は、男じゃねえ」と呟き、打席に入りました。川藤先生からヒット・エンド・ランのサインが出ました。若菜は初球から思いっきり振っていきました。ボールは若菜の指に当たりながらも、ヒットになり、新庄は3塁に進みました。若菜は指を痛めました。7番・桧山は三振に打ち取られ、悔しがりました。8番・湯舟哲郎は桧山の肩を叩き、励まし、打席に入り、犠牲フライを打ちました。新庄はキャッチャーに体当たりし、ホームイン、1点をもぎ取りました。ベンチ、観客は大喜びしました。しかし、若菜は指の痛みに耐えながら、「見てろよ、俺も…」と呟き、自分がベースから離れていることを忘れ、アウトにされてしまい、この回は1点で終了してしまいました。ベンチに戻った若菜は仲間に謝り、濱中を呼び、トイレに行きました。若菜は濱中に指の怪我を手当てするため、救急箱を持って来させて、自分で応急措置をしました。心配する濱中に若菜は仲間への口止めを厳命しました。若菜は何事もなかったかのように守備につきましたが、指が痛くボールをまともに投げられないほどでした。「こいつらと甲子園に行きてえんだ」と願う若菜は、笹崎校のランナー3塁への盗塁を何とかくい止めましたが、受け取った血のついたボールを見たサードの新庄はタイムをとり、若菜の所に行きました。新庄は若菜の怪我を見ました。若菜はできると主張しましたが、新庄はメンバーに彼が怪我をしていることを伝えました。「俺はやれるって!こんなもん痛くねえよ!」と叫ぶ若菜に、新庄は「おめえ一人が痛いんじゃねえんだよ!みんなが痛いんだよ」と一喝しました。「それは俺たちニコガクのキズだ。…全員で行くぞ。甲子園」と新庄は若菜に優しく諭しました。大粒の涙を流しながら若菜は、ベンチに行き、医務室に行きました。
ROOKIES -卒業-のネタバレあらすじ11.主将・御子柴、出場!~「俺たちの夢は、誰にも邪魔させねぇ!」
川藤先生は若菜の穴を埋めるため、赤星をキャッチャーにしようとしました。その時、御子柴が名乗りをあげました。御子柴は「できるよ。俺がやれるって言っているんだから」と川藤先生に懇願しました。川藤先生は彼の真剣な眼差しを見て了承しました。脚に不安を抱えながらも御子柴は、キャッチャーとして出場しました。
その頃、若菜は、医者から骨折と診断され、このまま病院に行くように指示されましたが、若菜は「もうすぐ、夢を叶える瞬間が見られるんだよ」と言い、拒否しました。濱中はそれを陰で聞いていました。8回表、若菜がベンチに戻り、突き指と言い、三塁のコーチスボックスに入りました。濱中はベンチのみんなに若菜が指を骨折していること、若菜の言葉を告げました。それを聞き、若菜を見た川藤先生は「堅忍不抜!若菜が一緒に甲子園へ行こうと言っている。夢を叶えようと言っている。…」とベンチのみんなに言いました。安仁屋は「俺たちの夢は、誰にも邪魔させねぇ!」と叫び、ベンチのみんなもそれに応え、雄叫びをあげました。1番・関川はバントし、自慢の俊足で塁に出ました。2番・岡田の凡打の間に、関川は三塁へ進塁しました。関川はベースコーチの若菜に「一緒に行こうな。甲子園」と声をかけました。続く赤星は三塁強襲のヒットを打ち、関川は一気にホームを狙い、見事に1点をもぎ取りました。4番・安仁屋は川上のフォークをバットで捉え、ヒットを放ちました。そして、新庄の出番が来ました。新庄は若菜のバットを持ち「これで打ちてえんだ」と呟き、打席に入り、ヒットを放ちました。その間、赤星は快足を飛ばし、ホームを狙いましたが、アウト・チェンジになり、彼は地面を叩き悔しがりました。
8回裏で2対5で笹崎校のリードの中、安仁屋は全力投球しましたが、笹崎の別所にツーランホームランを打たれてしまいました。
ROOKIES -卒業-のネタバレあらすじ12.奇跡の起こすヤンキーども
最終回、2対7の5点差の中、吉田記者は「奇跡を起こせるか…ヤンキーども」と呟きました。二子玉野球部員たちは、まだ諦めていませんでした。川藤先生は「最後は諦めない奴が勝つ!」「夢を持つ権利は誰にも等しくある。お前たちがときめいた夢は、お前らだけのものだ。叶えることはお前らにしかできん!そして、明日にきらめくのはお前ら自身だ。…お前らの未来は栄光に満ちている」と檄をとばしました。部員たちは固く円陣を組み、「ゴー、ニコガクゴー!」と叫び、攻撃に入りました。その頃、平塚がベンチ裏で一人黙々とバットを振っていました。最初のバッター・御子柴は脚が悪いにも関わらず、バントで出塁を狙いました。必死に走った御子柴はきわどいところでアウトになりました。赤星は審判に「セーフだろ、今の!」と叫びました。続いて、桧山はデッドボールで出塁しました。次の湯船は振って一回転したバットにボールが偶然当たりヒットとなり、出塁しました。この様子を見た御子柴は「これも奇跡なのかな。…今までのことはすべて奇跡なんじゃないかって。…最後にもう一度、奇跡を起こす。俺たちの夢をつかむために」と呟きました。それを聞いた仲間たちは燃えました。川藤先生は、代打で平塚を出しました。平塚は川上のボールを自らの体を張ってビンボールにし、右中間を破る大ヒットを打ちました。その間に桧山、湯船がホームインし、2点返しました。平塚はランニングホームランを狙いましたが、アウトになり、地面を叩き悔しがりました。
ROOKIES -卒業-のネタバレあらすじ13.安仁屋、夢に向かって執念の一発
ランナーなしでツーアウトの状況下から、関川、岡田、赤星と出塁し、満塁にしました。そして、安仁屋の出番が来ました。ここでホームランが出れば一発逆転、安仁屋はそれを狙い打席に入りましたが、川上にツーストライクまで追い込まれました。すると新庄が安仁屋に「イメージはもうねぇのか?あいつのフォークをレフトスタンドにぶち込むイメージはもうねぇのかよ!」と言いました。安仁屋は「ある!」と呟き、打席に入りました。笹崎の川上も真っ向勝負の全力投球をしてきました。安仁屋はそのボールめがけ、全力でバットを振りました。バットに当たったボールは、レフトスタンドに落ちました。逆転満塁ホームランです。メンバー、ベンチ、観客は立ち上がり、大喜びしました。
ROOKIES -卒業-のネタバレあらすじ14.「夢が俺たちを強くしてくれた」
9回裏、マウンドに立つ安仁屋に、赤星が「安仁屋さん…背中の背番号1、しっかりと目に焼き付けておきますから」言って、ボールを渡しました。安仁屋は勝利への執念をボールに込め、笹崎校の打者を封じ、ツーアウトまで取り、三人目の打者もツーストライクまで追い込みました。夢の実現まであと一球となりました。ベンチの部員、観客たちも祈るように見守りました。「行くぞー!甲子園!」と平塚が叫びました。それを聞いた安仁屋は、目から止めどなく涙が溢れ出て、投げられなくなりました。そんな安仁屋を見た新庄は、彼の手を握り、「俺たちの夢、お前に預けたぞ」と言いました。安仁屋は、ボールを見て「夢が俺たちを強くしてくれた」と呟くと、全身全霊を込めて投げました。そのボールをキャッチャー・御子柴はミットにがっちりと受けとめました。三振バッターアウト、ゲームセット、二子玉野球部が勝利を手にし、夢の甲子園出場への切符を勝ち取りました。安仁屋のもとに、仲間たちが駆け寄り、雄叫びをあげ、大喜びしました。川藤先生たちはベンチで目に涙を流し、彼らの姿を見守りました。観客も大喜びしました。観戦していた元村山校長先生も立ち上がり拍手で彼らを祝福しました。
ROOKIES -卒業-のネタバレあらすじ15.夢の甲子園に立った二子玉野球部
そして、二子玉野球部は、夢の甲子園の舞台に立ちました。川藤先生は部員たちに「ここが、俺たちが目指してきた夢の舞台だ。いいか、臆することなく戦ってこい!そして、精一杯夢にときめいてこい、明日にきらめいてこい」と語りかけました。安仁屋は「夢の果てってよ。ねぇな、夢の果てなんて」と御子柴に語りかけました。御子柴は笑顔で応えました。川藤先生の「よーし、行けー!ゴー、ニコガクゴー!」のかけ声のもと、部員たちは夢のグラウンドに走って行きました。
ROOKIES -卒業-の結末:エピローグ:二子玉野球部、涙の卒業式
月日は流れ、2010年3月、御子柴、安仁屋たち野球部員3年生はめでたく卒業式を終えました。卒業式の後、野球部員たちはグラウンドに整列し、マネージャー・八木に背番号13のユニフォームをプレゼントしました。安仁屋は代表して「ずっとレギュラーだと思ってたからよ」と言うと、全員そろって、八木に「ありがとうございました!」と頭を下げました。八木は「ありがとう」と言い、嬉し涙を流しました。それを見ていた川藤先生に、野球部員は再整列し、御子柴は一人ひとり名前を呼び出すと、一人ひとりが自分なりの言葉で川藤先生に感謝の言葉を述べました。関川秀太「…」、岡田優也「…」、今岡忍「…」、湯舟哲郎「…」、桧山清起「…」、若菜智哉「…」、新庄慶「…」、平塚平「…」と、そして、安仁屋恵壹は「俺はおめぇから、無駄な努力はないということを教えてもらった。諦めない心を教えてもらった。夢の大切さを教えてもらった。本当にお前に感謝してる。ありがとうございました」と深く頭を下げました。最後にキャプテン・御子柴徹は「先生の言っていた通り、笑って卒業できました。先生の言葉、信じてやってきてよかった。先生、俺たちに自信をくれて、俺たちに勇気をくれて、本当にありがとうございました」と言い深々と頭を下げました。川藤先生は涙を流しながら「お前たちは俺の夢だ。卒業おめでとう」と言うと、辛苦の時のこと、感動の時のことが心に浮かんだ野球部員たちは、川藤先生に抱きつき、胴上げをしました。御子柴、安仁屋たち野球部員は、川藤先生から教えられたことを胸に刻み、それぞれの未来に向かって歩き出しました。
この映画の感想を投稿する