カラスの親指の紹介:2012年日本映画。詐欺師として生きていたタケは昔自分が自殺に追い込んだ女性の娘と偶然出会い、自分を闇の世界へと引きずりこんだ闇金に復讐を決行します。全てがうまくいったかに思えたが、それはあまりにもできすぎた展開で・・・。
監督:伊藤匡史 出演:阿部寛(タケ/武沢竹夫)、村上ショージ(テツ/入川鉄巳)、石原さとみ(河合やひろ)、能年玲奈(河合まひろ)、小柳友(貫太郎/石屋貫太)、古坂大魔王(ノガミ)、ほか
映画「カラスの親指」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「カラスの親指」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「カラスの親指」解説
この解説記事には映画「カラスの親指」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
カラスの親指のネタバレあらすじ:はじまり
8年前、タケは会社の同僚の借金の保証人になったことで借金を背負い、その支払のために同じように借金に苦しむ人への取り立ての仕事を闇金のヒグチに任されます。タケはある女性に借金の取り立てをしていましたが、その女性が娘2人を残して自殺をしてしまいます。タケはそんな仕事に嫌気がさし、ヒグチが隠し持っている闇金の裏帳簿を警察へと持ち込みました。それがきっかけでヒグチは逮捕、組織は壊滅に追い込まれました。しかしタケはその組織から仕返しをされ、娘がいる自宅に火をつけられました。娘は火事で亡くなり、タケは組織やヒグチから逃げるために詐欺師として働きながら、自殺した女性の娘たちにお金を送る生活を続けていました。
カラスの親指のネタバレあらすじ:5人での同居生活
タケはテツとグルになって詐欺を働いていました。競馬場では競馬初心者のふりをして他の客からお金をだまし取ったり、質屋で安物を売りつけていたりしていました。そんなある日、二人が自宅に戻ると消防車が来ていて、タケの部屋から煙がでていました。タケはヒグチたちの復讐がまた始まったと思い、テツと共に逃げます。新しい家に移り住んだ二人は10代の女の子・まひろと出会います。まひろもまた、巧妙な手口で詐欺を働いていたのです。彼女の身の上話を聞くうち、タケはまひろが8年前に自殺した女性の娘であることに気付きます。家賃滞納でアパートを追い出されそうになっているという話を聞いたタケは、行く所がなければウチに来いとまひろを誘います。後日まひろは姉・やひろとその恋人の貫太郎を連れてやってきました。こうして5人での奇妙な同居生活は始まったのです。
カラスの親指のネタバレあらすじ:作戦
楽しい生活も長くは続きませんでした。不審な車が家の前に泊まっていたり、家の裏手に火をつけられたりしたのです。タケはヒグチたちの仕業だと思いました。一度は逃げようと思ったタケでしたが、立ち向かってお金を騙し取ってやろうと決意しました。ヒグチの事務所と同じマンション内に部屋を借り、ヒグチたちに盗聴器入りの携帯電話を買わせて、事務所に現金を集めさせました。作戦決行当日、やひろを除いた4人は盗聴器探索業者を名乗り事務所に入り込みます。あたかも金庫に盗聴器がしかけられているふりをして金庫を開けさせます。そして貫太郎が急に銃を取り出し「金を渡せ」とわめきます。その混乱の中でまひろが転落するという騒動を起こします。転落したまひろの約はちひろが演じます。作戦は成功し、その混乱の中で大量の現金をヒグチらから奪えたのです。その翌日、5人は再びバラバラに生活することを決め、それぞれの道を歩み始めます。
カラスの親指の結末:できすぎた展開
後日、タケのもとにまひろから手紙が届きます。その手紙を読むうち、タケはあまりにも“できすぎた展開”であることに違和感を覚えてテツを調べ始めます。するとテツはまひろとちひろの本当の父親だったのです。入院しているテツのもとへやってきたタケは真相を聞きます。テツは実は大物の詐欺師で、自分の娘たちに真っ当な道に進んでほしい、タケにも安心して生活してほしいと一世一代の演技をしていたのです。まひろたちと出会った事もヒグチたちの仕返しかと思われたことも全てテツが仕組んだ事でした。タケは自分が大ガラスに踊らされていた事を知るのです。(カラス=詐欺師)
「カラスの親指」感想・レビュー
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時間があった時に、出演者が豪華だけど、村上ショージさんの演技を見たことがなかったので、何気なく見始めたのだったけれど。最初、どうも村上ショージさんの演技が下手に感じて、途中で見ることを辞めようかと思ったけれど、だんだん見るうちに明かされる過去の出来事とのつながりに引き込まれ、最後まで見て感動してしまった。そして、見終わった後、立て続けにもう一度最初から、ちゃんと見直しました。村上さんの演技がわざとだったら、素晴らしい役者さんだと思いました。ぜひ、最初から真剣に見てみてください。
ベテラン詐欺師のタケとおっちょこちょいのテツ、そこに転がり込んできた2人の姉妹と姉の彼氏1人。ひょんなことから5人での生活が始まり、穏やかに過ぎて行く日々の中、不穏な出来事をきっかけに5人は大きな詐欺を働こうと動き出す。1回目見た時はテツ役の村上ショージさんの演技が上手いのか下手なのかわざとなのか全くわからなかったけど、2度3度と見るとこの表現は正解なのだと思えた。詐欺の手口も巧妙で面白いし、それぞれの人生がめちゃくちゃ細密な伏線によって最後見事に繋がる描写は素晴らしかった!!そしてショージさんの存在あってのこの感動に繋がるんだと思った。ちょっと長めの作品だけどそんな事感じさせないくらいあっという間のひと時でした。そして忘れた頃にまた見たくなる作品でもあります。