SCOOP!スクープの紹介:2016年日本映画。フリーカメラマンとして働く都城静の前に突如ある少女が現れた。静の狙う獲物を前にまるで恋人にでも質問するかのようにインタビューを続ける少女。もちろん静の仕事は失敗。その少女は担当編集者が送り込んだ新人記者だった。副編集長の定子に激怒する静。しかし彼は横川にこの少女、野火の教育係を任せられる。SCOOP!の原作は1985年に製作された映画「盗写1/250秒」。
監督:大根仁 出演:福山雅治(都城静)、二階堂ふみ(行川野火)、吉田羊(横川定子)、滝藤賢一(馬場)、リリー・フランキー(チャラ源)、斎藤工(小田部新造)、ほか
映画「SCOOP!スクープ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「SCOOP!スクープ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
SCOOP!スクープの予告編 動画
映画「SCOOP!スクープ」解説
この解説記事には映画「SCOOP!スクープ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
SCOOP!スクープのネタバレあらすじ:新人
映画は静(福山雅治)とある女のカーセックスシーンから始まる。とあるバーに入りカウンターに腰かけた静は店の奥で騒ぐ男に目を向ける。そして鞄に忍ばせたカメラを向けシャッターを押そうとした。
しかし静がシャッターを押す寸前にカメラを遮るように一人の少女(二階堂ふみ)が男の前に立ちふさがる。その少女は悠長にイカツイその男に質問を始めた。もちろんその男は激怒、少女は逃げるように店を後にした。
自分の仕事を邪魔され失敗に終わり、店の外でタバコを吸っている静。先ほどの男が騒ぎながらどこかへ去って行くのを横目で見ていた。そんな静のすぐ後ろのごみ箱に目を向けると、さっきの少女の服がはみ出している。先ほどの少女が身を隠すようにゴミ箱の中に隠れていたのだ。
仕事を請け負っている編集部に戻るや否や静は大声で副編集長横川(吉田羊)を呼びつける。彼の怒りは現場にきたあの少女のことだった。少女の名は行川野火。彼女は新しくこの編集部に入った新人記者だった。
SCOOP!スクープのネタバレあらすじ:教育係
横川は単刀直入に静に伝えた。新人の教育のためしばらく静と行動を共にさせると。怒る静を金の話で納得させた横川。それを聞いた静は何も言わず野火を連れ編集部を後にした。
記者として週刊誌SCOOPの編集部へとやってきた野火。まだ若い彼女はパパラッチなどするつもりは無かった。そんな彼女に何の説明もなくひたすら車の中で外の様子を伺う静。彼はこの街のことを熟知しているのか、行く所行く所で様々な有名人と遭遇した。
そして日も変わった深夜のこと、家に帰りたいと思う野火の願いは通じず突如静はカメラを構えた。その先には野火も良く知る有名人の男女の姿。彼らは次々とある店の扉をくぐっていった。そしてその扉から一人の男性が姿を現す。彼はチャラ源(リリー・フランキー)と呼ばれている静の仲間だった。
その男と二、三挨拶を交わした静と野火はカップルを装い店へと足を踏み入れた。
SCOOP!スクープのネタバレあらすじ:初仕事
二人が座った席からは先ほどの有名人の男女数人がよく見える。静はいつもの方法で撮影に臨むも決定的なものを写すまでには至らなかった。そんな時一組の男女が肩を抱きながら暗いカーテンのかかった奥の席へと移った。それをチャンスと考えた静は野火に自身のスマホを持たせ写真を取ってくるように言う。
そして静は一足先に店を出て行った。それが野火の初仕事となった。野火の撮ったその写真はSCOOPに載せられた。そして休む暇もなく次のターゲットを言い渡される。それはある議員と有名キャスターの不倫の写真を撮る、というものだった。しかし相手は国会議員。二人の密会する場所の特定は出来ても決定的な写真を撮るのは難しかった。
そこで静が考えたのは昔ながらのある方法。それは二人の泊まる部屋の向かいで花火を上げるというものだった。作戦は成功、不倫している2人はホテルの窓からその花火を眺めるのだった。その現場の写真はテレビでも取り上げられるほどのものとなる。
それを機に二人は次から次へとスクープを撮った。そして週刊誌SCOOPの発行部数は30万部に近づくほどみるみる上がっていった。
SCOOP!スクープのネタバレあらすじ:不可能
快進撃を続ける二人にこれまでとはうって変わってある殺人事件の話が舞い込んでくる。4人の女性を殺した殺人犯の現場検証。そこで現在の殺人犯の顔を写真に納めろ、それが横川からの指示だった。作戦は練った。しかしこれほどの事件の犯人を警察もみすみす公開してくれるはずもない。二人はそれを現場検証当日に目の当たりにする。
現場となるその場所は容疑者の姿を見せないようビニールシートで覆われていた。さらに車から降りる容疑者にもシートが被せられマスコミが見れるのは容疑者の足元だけだった。静の元パートナーだった馬場(滝藤賢一)にも協力してもらい、なんとか殺人犯の顔をとらえようとするもあと一歩のところで失敗。静は諦めきれなかった。
そして野火にカメラを託しシャッターから手を離さないよう伝え彼は自ら容疑者の元へと駆けて行った。静の登場で騒然となる現場、そしてその瞬間は静が警察に取り押さえられた時に訪れた。
野火はその決定的瞬間を捉えることに成功。その時のSCOOPは35万部という記録的な発行部数となった。編集部はいつものアルペンという店を貸し切ってお祝いの打ち上げをするのだった。
SCOOP!スクープのネタバレあらすじ:事件
いつしか静かと野火は仕事仲間の関係を越えようとしていた。そしてある夜二人はついに関係を結ぶ。野火にとってとても幸せな瞬間だった。しかしその瞬間も崩れ去ってしまう。静の元に電話が入った。それは彼と長い付き合いの友人チャラ源からだった。
その時のチャラ源は様子が違った。いつもおかしかったがその日はまるで狂っているようだった。話に脈絡がなく状況がつかめない。そんな彼の声の向こうで銃声が響いた。そこではすでにチャラ源の発砲によって死んでいる人間が2人いた。静はすぐにチャラ源のいる場所へと向かった。
警察へ通報したほうがいいと言う野火にも耳を貸さなかった。静にはチャラ源に大きな借りがあった。だから彼の大変な時には自分が向かうのだと、それは野火の目には友情を越えたものに見えた。そして車に野火を残し静はチャラ源の元へと向かう。
しかし野火は黙って待っていることは出来なかった。静の置いていったカメラを手に野火は彼の後を追った。
SCOOP!スクープのネタバレあらすじ:声
静を追う野火の目の前に警官の死体が横たわっていた。チャラ源が撃ったものだった。警官を含め三人を殺したチャラ源は既に報道され警察が後を追っていた。チャラ源は自分の娘を人質に静と共に街を徘徊していた。
静は彼を落ち着かせるため片時も離れず彼の指示に従いチャラ源の写真を撮りつづけた。三人が高架下へと着いた時チャラ源は娘の手を放した。その隙に静は娘を周りを囲む警官達に預けた。事件は収束へと向かっているように見えた。
しかしチャラ源の視線が一人のカメラマンを捉えた。静ではなく二人の目の前にいたカメラマン、野火だった。その存在に怒りを露わにしたチャラ源は手に持つ拳銃を振り回した。それを抑える静。その光景を覗く一つのレンズ。野火には静の声が聞こえた。シャッターを押せ、と。
野火がシャッターを押すその瞬間、一つの銃声が響いた。その瞬間チャラ源は警官達に押さえつけられた。
SCOOP!スクープの結末:一枚
横川の元に静が死んだと電話が入る。静は死んでしまった。高架下のコンクリートの壁に力なく倒れる静。野火はゆっくりと近づきその手に握るカメラをそっと取った。SCOOPには野火の撮ったその決定的な写真が載せられた。
その写真を載せるかどうかで一悶着あったものの、命を懸けたカメラマンとしてそのスクープを飾った。静の残したカメラにはぼけて使いものにならないチャラ源の写真、そして最後の一枚には野火の写真が残されていた。それは静が撮った野火の寝顔。結局二人の関係は一回きりになってしまった。
野火は記者をやめることはなかった。新たな編集長の横川の元、新しいパートナーと共にスクープを求め街を駆け回っていた。お守りとして彼女は静の小さなカメラを見に付けるようになるのだった。
以上、映画SCOOP!スクープのネタバレあらすじと結末でした。
主人公が亡くなってしまう!というのが衝撃的な映画でした。ちょっとコメディタッチな映画なのかな?と思ってみていたので、まさかパパラッチが題材の映画でこんなに死人が出るとは…という感じです。
1番印象に残ったのはリリーフランキーの怪演ともいえる名演技。もう後半は彼に引き込まれまくり、釘づけでした。大根監督の作品にはいつも出られているようですが、チャラチャラ業界人といった役どころの印象が強かったので、同じ「チャラ」でも今回のチャラ源の役は違ったリリーさんが味わえて最高でした。
何かメッセージ的なものを感じたかというと、なかったのですが、でも面白かったです。