劇場版「SERVAMP サーヴァンプ」Alice in the Gardenの紹介:2018年日本映画。月刊コミックジーンで連載中の「SERVAMP-サーヴァンプ-」。2016年夏にテレビアニメ化され、本作は登場人物の一人、有栖院御園に焦点を当てた初の劇場版となる。サーヴァンプとは、サーヴァント(下僕)ヴァンパイア(吸血鬼)の略。名前と何か物を一つ与えてくれたイヴ(主人)と契約し、その血と引き換えに命令をきく存在である。彼らは“怠惰”・“傲慢”・“嫉妬”・“憤怒”・“強欲”・“暴食”・“色欲”の七人兄弟だが、そこに“憂鬱”の真祖を名乗る椿が登場し、戦いを仕掛けてきた。この映画はその戦いがひとまず終わった後の物語である。
監督:中野英明 声優:寺島拓篤(城田真昼)、梶 裕貴(クロ)、下野 紘(有栖院御園)、堀江一眞(スノウリリイ)、柿原徹也(有栖院御国)、津田健次郎(ジェジェ)ほか
映画「劇場版 SERVAMP サーヴァンプ Alice in the Garden」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「劇場版 SERVAMP サーヴァンプ Alice in the Garden」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
劇場版「SERVAMP サーヴァンプ」Alice in the Gardenの予告編 動画
映画「劇場版 SERVAMP サーヴァンプ Alice in the Garden」解説
この解説記事には映画「劇場版 SERVAMP サーヴァンプ Alice in the Garden」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
劇場版「SERVAMP サーヴァンプ」Alice in the Gardenのネタバレあらすじ:起
雪の降る日。屋敷の入口から中庭を見つめる幼い日の有栖院御園。そこには、のちに御園のサーヴァンプとなる“色欲”の姿がありました。
真夏なのに大雪が降る異常気象の日。主人公の真昼は、みんなで集まってこの現象が吸血鬼たちの戦いの影響なのかを調べるため、仲間の御園に電話をします。しかし有栖院家の跡取り息子である御園は、父親から「外は危険だ」と外出禁止を言い渡されていて出かけることができません。御園は昔家を出ていった兄の御国が脱出に使っていた裏門の鍵を探すため、彼が使っていた部屋に向かいますが、あいまいな記憶を思い出そうとした瞬間、自身のサーヴァンプである“色欲”のスノウリリイによって記憶を操作され気を失ってしまいます。「ごめんなさい」、なぜが辛そうに謝るスノウリリイ。
翌朝まだ雪は降り続いており、目覚めた御園は使用人たちに学校を休むように言われます。何となく真昼に連絡しなければ、と思い携帯電話を探す御園にスノウリリイは、「修理に出したじゃないですか」と告げるのでした。
劇場版「SERVAMP サーヴァンプ」Alice in the Gardenのネタバレあらすじ:承
真昼とクロが、旅館を営んでいる鉄の家にやってくると、そこには鉄と“傲慢”のヒュー、リヒトと“強欲”のロウレスもいました。なぜか現れた御園の兄、御国とそのサーヴァンプ“嫉妬”のジェジェをおいて、真昼たちは連絡の取れなくなった御園に会うため有栖院家に向かいます。先の椿たちとの戦いで契約の品を壊されてしまったロウレスは、力の素であるジン(灰塵)が身体から放出され力が出ない状態になってしまったため、一行は雪道を歩くのを諦めバスで有栖院家に。その門前で追い返されそうになる真昼たちでしたが、使用人洞堂の機転により屋敷の中に通されます。しかし御園の父、御門は御園に会わせてはくれず、やはり屋敷から追い出されてしまうのですが、ここでも洞堂の計らいで庭の小さな小屋にかくまってもらうことになりました。
一方その頃御園は屋敷の廊下で、呼びかけを無視して歩くスノウリリイのあとを追いかけていました。すると父や使用人たち、そしてスノウリリイが御園について話している部屋の前に。実は追いかけていたスノウリリイは、椿の手下のサブクラス(下位吸血鬼)オトギリによって操られた人形だったのです。そこで御園は修理に出されているはずの携帯電話を見つけ、父やスノウリリイたちが自分に何かを隠していることに気づいてしまうのです。
劇場版「SERVAMP サーヴァンプ」Alice in the Gardenのネタバレあらすじ:転
オトギリの攻撃によって混乱に陥る有栖院家。騒ぎを聞きつけ真昼たちも小屋から抜け出します。雪の降る中庭でスノウリリイは、イヴとサーヴァンプの絆を断ち切ろうとするオトギリの策略で御園の信頼を失い、契約の品である懐中時計を破壊されてしまいます。ジンを放出させながら、悪と善の間をさまようスノウリリイ。その暴走に御園が取り込まれてしまい、御園を救うため真昼とクロ、リヒトとロウレスまでもがスノウリリイの中に飛び込んでいきました。スノウリリイの中には彼の一部である“色欲”の少女がいて、御園はスノウリリィの記憶=消された自分の記憶と向き合うことになります。実は御園は父が浮気をしてできた子供であること、御園を育ててくれた母は「生まれてきた子供に罪はない」と御園に愛情を注いだが、父が御園の実母と手紙のやり取りを続けていたことを知り、嫉妬心から彼女を殺してしまったこと。更に次第に精神を病んでいった母は御園までも殺そうとしたため、御国がそれを阻止するために母を殺したという事実。有栖院家の人々は、御園が自分の存在を否定しないよう、すべての事実を隠し、そして御国は“嫉妬”のサーヴァンプを連れて家から出ていったということを御園は知るのでした。
劇場版「SERVAMP サーヴァンプ」Alice in the Gardenの結末
「何のために生まれてきたのか」「自分さえいなければ」と自身を責める御園でしたが、父に送られてきていた実母からの手紙を読み、いかに自分が愛されていたか、自分の存在がどれだけ母を幸せにしていたかを感じ、父やスノウリリイに対するわだかまりも消えていきました。スノウリリイ自身も、“色欲”の自分は御園に拒絶されるのではないかという不安からすべてを隠してきたものの、ようやくその恐怖から解放され、御園に向き合うことができるようになったのです。守られるだけではなく、他人を守れる存在になるべく成長した御園は改めて時計を贈り、スノウリリイと再び契約するのでした。
父御門と再びチェスをしながら話す御園は、もう以前の御園ではありません。初めて父に勝利し、そして父は言います。「御国に会ったら伝えてほしい。帰ってこないかと。ちゃんと話しをしようと」
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