しゃぼん玉の紹介:2016年日本映画。直木賞作家乃南アサのベストセラー小説を映画化した作品。犯罪を犯し、とある村に逃げてきた青年が心優しき老女や村の住人との出会いによって人生を見つめ直していく姿を描いた心温まるヒューマンドラマです。
監督:東伸児 出演者:林遣都(伊豆見翔人)、市原悦子(スマ)、藤井美菜(黒木美知)、綿引勝彦(シゲ爺)、相島一之(豊昭)ほか
映画「しゃぼん玉」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「しゃぼん玉」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
しゃぼん玉の予告編 動画
映画「しゃぼん玉」解説
この解説記事には映画「しゃぼん玉」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
しゃぼん玉のネタバレあらすじ:起
雨の降りしきる夜。貧しき青年伊豆見はトンネルの中を歩いていた女性をナイフで襲い、金を奪って逃げます。トラックの運転手を脅し車に乗り込んだ伊豆見でしたが、宮崎県の秘境椎葉村で車から投げ落とされてしまい、一夜を明かします。翌朝山道を下っていると、一台のスクーターが横転していました。スクーターを盗もうと考えていると遠くから声を掛ける老婆があります。道の脇には足を怪我した老婆スマが横たわっており、助けを求められた伊豆見は仕方なくスマを自宅に送り届けてあげることにするのでした。山の上にある家に着くと近所の老婆達が一人暮らしのスマを心配して集まってきました。老婆達は伊豆見をスマの孫と勘違いし、村の郷土料理を沢山持ち寄って振舞います。お腹がいっぱいになった伊豆見はすっかりいい気分になり昼寝をしてしまいます。
しゃぼん玉のネタバレあらすじ:承
スマは助けてもらったことを深く感謝し、伊豆見を坊と呼んで甲斐甲斐しく世話を焼き始めます。最初こそ金を盗んで逃亡しようと考えていた伊豆見でしたが、なんとなくそのまま家に居ついてしまいました。スマの手料理を食べては何をするでもなく穏やかな日々が流れていきます。ある日伊豆見が留守番をしていると、村の住人シゲ爺から仕事を手伝わないかと誘われます。山で採れたキノコや山菜、栗を村の祭りで売ろうというのです。翌朝からシゲ爺について山に入るようになりますが、体力のない伊豆見はシゲ爺に付いていくのが精一杯、毎日クタクタになって帰ってきます。それでも次第に身体を動かして労働することに生きがいを見出し始めます。シゲ爺はこれまでの伊豆見の人生を見透かすかのように、逃げてばかりの生き方は改めるべきだと助言します。
しゃぼん玉のネタバレあらすじ:転
村では毎年恒例となっている平家祭りの準備が着々と進んでいました。伊豆見は花を植え替える作業を手伝うことになり、そこで大阪から帰ってきた若い女性黒木美智と出会います。伊豆見と美知は互いに好意を抱き始めます。連絡先を交換し、祭りを一緒にまわる約束もしました。しかしその後伊豆見は美知が大阪で通り魔に遭遇していたこと、そのことが原因で心に傷を負って村へ戻ってきたことを知り、罪悪感に押しつぶされそうになります。自暴自棄になり、再び逃げだそうかと考え始めていた伊豆見は冷蔵庫の中からまとまった現金を見つけてしまいます。スマは現金を握りしめて立ちつくす伊豆見を見て、お金が目的だったのかと悲しそうな顔をします。その時家の外に車が停まる気配がしました。やってきたのは都会で暮らすスマの息子豊昭でした。金に困っている豊昭は部屋中を荒らして、スマに金を出せと迫ります。伊豆見はスマを守ろうとして豊昭と揉み合いとなり、首を絞められます。伊豆見は憎しみをむき出しにして襲い掛かってくる豊昭に幾度となく強盗を犯してきた自分の姿を重ねてしまうのでした。
しゃぼん玉の結末
シゲ爺が仲裁に入り、豊昭は渋々家を出ていきました。伊豆見は息子をきちんと育ててやることができなかったと嘆くスマの姿を見て、自分が戻ってくるまで元気でいて貰えないだろうかと懇願します。他に帰る場所のない伊豆見にとってスマの家はいつしか故郷のような場所になっていました。そして女性ばかりを狙って強盗を繰り返してきた過去を打ち明け、自首する覚悟を見せます。スマは坊がいい子だということは自分が一番よく分かっている、罪を償って戻っておいでと伊豆見の頭を優しく撫でてやるのでした。翌朝スマが持たせてくれたおにぎりを手に伊豆見はシゲ爺の車に乗り込みます。スマは去っていく伊豆見の後姿をいつまでも見送り続けるのでした。3年が経過し、刑期を終えた伊豆見が椎葉村に戻ってきます。村はちょうど平家祭りが終わった後で、伊豆見は元気に働くシゲ爺の姿を目にして安心します。夕暮れ時、伊豆見は灯りのともったスマの家へ帰っていくのでした。
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