寫眞館(しゃしんかん)の紹介:2013年日本映画。ある写真館の主人と1人の女性の交流を描くアニメーション・ムービー。丘の上の写真館にひと組の夫婦がやって来た。夫妻の娘はニコリともせずカメラを睨みつけている。その後就職や結婚の度に女性は写真館を訪れるが、いつも不機嫌そうな顔をしていた。写真館の主人は何とかして彼女に笑って貰おうと奮闘する。台詞を一切入れず、ノスタルジックにかつての日本を表現した心温まるヒューマン・ドラマ。監督:なかむらたかし
映画「寫眞館」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「寫眞館」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
寫眞館の予告編 動画
映画「寫眞館」解説
この解説記事には映画「寫眞館」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
寫眞館のネタバレあらすじ:丘の上の写真館
舞台は明治末期の日本。町の丘の上には主が1人で切り盛りする「日の丸写真館」がありました。ある日、新婚らしいひと組の夫婦がやって来ます。夫人は恥ずかしがってなかなかカメラの前で顔を上げてくれません。そこで写真館の主人は庭で百合の花を摘み、夫人に手渡しました。うっとりして顔を上げた夫人の微笑みを、主人はすかさず写真におさめます。翌年、夫妻は赤ん坊を連れて写真館を訪れました。しかし赤ん坊はムスッとした顔のまま、主人がどんなにあやしても笑ってくれません。主人は仕方なくそのまま写真を撮りました。数年後、赤ん坊は少女となり、母に連れられて写真館へやって来ます。やはり笑ってくれない彼女を、主人はあの手この手で笑わせようとしました。おどけてみせたり可愛らしい人形をプレゼントしたりと奮闘しますが、どうしても少女の笑顔は撮影出来ません。
寫眞館のネタバレあらすじ:笑わない女性
数年後、女学生になった少女はいつものムスッとした顔で写真館へやって来ました。主人は百合の花を手渡しますが、彼女の母のようにはいきません。その後軍人だった彼女の父が亡くなり、関東大震災が町を襲います。何とか復旧した写真館へ、教師になった女性が教え子達を連れてやって来ました。子ども達は皆笑っていますが、女性だけはいつも通り不機嫌な顔です。数年後彼女は結婚し、男児を出産しました。夫も息子も笑顔を浮かべますが女性だけは表情を崩しません。やがて太平洋戦争が始まり、女性の息子も学徒出陣が決まります。出征前に撮影した写真には誇らしげな息子の姿と、やはり不機嫌そうな女性の姿がありました。戦争が激しくなる中町は空襲の被害を受け、女性の息子も戦死してしまいます。
寫眞館の結末:笑顔の写真
東京オリンピック開催を控えた年、女性は1人写真館へ向かいます。しかし「本日休業」の札が出ていました。中に入ってみると、すっかり年を取った主人が寝込んでいます。食事を用意してあげた女性は、ふと主人が撮り続けたたくさんの写真を見つけます。そこにはもういない母や息子の写真もありました。写真の中の人々は皆笑顔を浮かべています。起き上がった主人は女性をカメラの前に誘い、一緒に写真を撮ることにしました。笑顔の主人と微笑んだ女性の写真は他の写真と共に、日の丸写真館に飾られます。たくさんの笑顔に囲まれて、この物語は終わりを迎えます。
以上、映画寫眞館のあらすじと結末でした。
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