いつか、どこかでの紹介:2018年セルビア,クロアチア,モンテネグロ,マカオ,日本,マレーシア映画。クロアチアを旅する美しいマカオ人のアデラ。亡くなった恋人のスマートフォンが展示されている美術館を訪れるための旅はその後、SNSを通じて知り合ったセルビア人のアレックスと会うためにベオグラードへと続く。しかし、彼は待ち合わせ場所に来なかった。すると、今度は恋人と別れたばかりの舞台作家女性と知り合い…。リム・カーワイ監督が旅をしながらスカウトした一般人を含む、バルカン半島のさまざまな人々の生活を写したロードムービー。クロアチアやモンテネグロの美しい絶景も見どころ。
監督:リム・カーワイ 出演:アデラ・ソー/蘇嘉慧(アデラ)、カタリナ・ニンコヴ(カタリナ)、ピーター・シリカ(ペタル)、ホスニー・チャーニー(ホスニー)、マティ・ミロサヴリェヴィッチ(マティ)ほか
映画「いつか、どこかで」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「いつか、どこかで」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
いつか、どこかでの予告編 動画
映画「いつか、どこかで」解説
この解説記事には映画「いつか、どこかで」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
いつか、どこかでのネタバレあらすじ:起
クロアチアの首都ザグレブ。
マカオ生まれの若い女性アデラは「別れの美術館」へ向かいました。2年前に交通事故で恋人を亡くしたアデラは、この美術館に形見のスマートフォンを寄贈しました。
丁寧に展示してあるのを確認すると、悲しい過去に踏ん切りを付けるために、旅に出ることにしました。
アデラは、ザグレブの公園で出会った日本人サッカー選手の家族から勧められた、リエカを観光しました。
その後、インスタグラムで知り合ったアレックスに会うためにセルビアの首都ベオグラードへ向かいました。乗り合いしたペタルは、アデラを見て離れて暮らす娘たちを思い出した様子。娘たちの家へ立ち寄り、アデラほ再会に付き合わされることになりますが、父娘の会話を微笑ましげに眺めていました。
ベオグラードに着き、アレックスを待ちます。しかし、彼は待ち合わせ場所に現れませんでした。
いつか、どこかでのネタバレあらすじ:承
アデラはしばらくゲストハウス「サン・ホステル」に滞在することにしました。ベオグラードの街は素晴らしいものでしたが、疲れ切っていました。そんな彼女を心配するように宿泊中の男性客が声をかけてきました。聞けばチュニジアから来たと言います。ラッパーだという彼は頼みもしないのに、ラップをはじめました。アラビア語のラップは全く意味がわかりませんでしたが、アデラは励ましてくれた彼の気持ちに癒されました。
その夜、アデラは同室のポーランド系イギリス人のシシリアからパーティの招待を受けました。シシリアは土壇場で行けなくなってしまい、アデラはひとりで行くことに。そのパーティからの帰り道。アデラは川べりで恋人と別れ大泣きしていたロシア人女性カタリナと知り合いました。アデラはカタリナに優しく寄り添ってあげました。2人はすぐ打ち解け親しくなりました。
いつか、どこかでのネタバレあらすじ:転
アデラとカタリナは後日再び会うことにしました。
カタリナはソ連の崩壊後、家族とともに旧ユーゴのボスニアに移住してきました。しかし移住して間もなく、ボスニアで内戦が激化して父親は犠牲となり命を落としたとのこと。内戦が終息してからモンテネグロのコトルへ移り、母親は画廊を開いていました。戦争があった1999年はマカオが中国に返還された年でもありました。
ゲストハウスに戻るとチュニジア人の宿泊客がチェックアウトを済ませて出てしまった後でした。アデラは急いで後を追いかけ、名前すら知らない男にお礼を伝えます。彼はホスニーという名前でした。
カタリナの病身の母親に会いにいくために、アデラたちはモンテネグロへ向かうことにしました。
いつか、どこかでの結末
ほどなくして、モンテネグロのカタリナの実家へ着きましたが、カタリナの母親は家の中にも町中どこをさがしてもどこにも見当たりませんでした。認知症はひどくなっていました。
翌日、ソファに座っているカタリナの母親を見つけて、2人でベッドへ寝かせました。
その夜、アデラとカタリナはどちらからともなく自然な形で抱き合いました。
翌日、アデラは1人列車でベオグラードへ引き返しました。アレックスから連絡が来たのです。しかし、待ち合わせ場所に現れたのはタマラと名乗る女子大生でした。彼女によると、アレックスは持病が突然悪化して、重篤な状態に瀕しているとのこと。アデラは病院へ向かいました。
ところが、そこにいたのは1人の老人。タマラは、自分は養女でコミュニケーションのためにアレックスにSNSを勧めたと言うのです。アレックスは、コソヴォ紛争をめぐりNATO軍の空爆を受け両親を亡くしたタマラを引き取り育ててくれました。奇しくも1999年の出来事。アデラはここでも1999年という年に思いを巡らされます。
アデラは旅の最後に、ダルマチア海岸にあるクルカの滝つぼで泳ぎました。広大な自然の空気を感じながら泳ぐその表情には、吹っ切れた様子の笑みが浮かんでいました。
以上、映画「いつか、どこかで」のあらすじと結末でした。
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