そらのおとしもの 時計じかけの哀女神(エンジェロイド)の紹介:2011年日本映画。パンツが空飛び、舞い踊る。話題の問題作そらのおとしもの、初の劇場版。空から降ってきたエンジェロイドの少女たちと生活する桜井智樹。そんな智樹をそっと見つめる少女がいた。次第に距離を近づけていく智樹と少女。しかし少女には大いなる秘密が隠されていたのだった。
監督:柳沢テツヤ 原作:水無月すう 声優:保志総一朗(桜井智樹)、早見沙織(イカロス)、美名(見月そはら)、鈴木達央(守形英四郎)、高垣彩陽(五月田根美香子)、野水伊織(ニンフ)、大亀あすか(ダイダロス)、福原香織(アストレア)、日笠陽子(風音日和)、ほか
映画「そらのおとしもの 時計じかけの哀女神」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「そらのおとしもの 時計じかけの哀女神」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
そらのおとしもの 時計じかけの哀女神(エンジェロイド)の予告編 動画
映画「そらのおとしもの 時計じかけの哀女神」解説
この解説記事には映画「そらのおとしもの 時計じかけの哀女神」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
そらのおとしもの 時計じかけの哀女神のネタバレあらすじ:起
桜井智樹とイカロス・ニンフ・アストレアが暮らす空見町に突然脅威が襲来した。存在を忘れられ怒り狂ったヒヨコが、智樹たちに襲い掛かってきたのだ。
智樹とエンジェロイドたちは合体して対抗する。4人の力により巨大化した見月そはらは、ヒヨコに立ち向かっていく。だがその戦いの中、智樹が見つめていたのはそはらのスカートの中に見えるパンツであった。にやにやとパンツを見つめる智樹に、そはらは制裁を下すのだった。
そんな智樹たちの日常とは離れたとある場所で、エンジェロイドたちの創造主・ダイダロスは後悔していた。エンジェロイドたちに感情を与えてしまったことを。戦闘用として作ってしまったことを。感情を与えたせいで、イカロス・ニンフ・アストレアの3人のエンジェロイドに過酷な運命を強いてしまったのかもしれない。と。
そらのおとしもの 時計じかけの哀女神のネタバレあらすじ:承
はちゃめちゃな学校生活を送る桜井智樹をいつも見つめていた少女がいた。
彼女の名は風音日和。両親は2年前に他界し、日和は両親が残した畑の世話をしながら智樹と同じ学校へ通っていた。そんな彼女の畑の横を、桜井智樹は見月そはらと共に登校していく。日和は、畑の横を歩いていく智樹の姿を学校へ行く合図にしていた。
日和と智樹のクラスは隣同士。日和はいつも、楽しそうな智樹の様子を廊下から通り過ぎ様に見つめる生活を送っていた。
ある時、2クラス合同調理実習があった。日和は智樹にぶつかられ、転んでしまい、持っていた野菜を落としてしまう。落ちた野菜に気を取られた日和に対し、智樹は日和を心配し手を差し出したのだった。そして落ちた野菜を拾った智樹はグリーンピースを手に取ると、それを褒めてくれたのだ。その野菜は日和が作ったものだった。
それから日和はいつでも陰から智樹の姿を見つめていた。
新大陸発見部の守形英四郎がグライダーで飛び降りようとした時も、可愛らしい少女の転入に学校中が騒ぎになった時も、森の中の河原で新大陸発見部がカレーを食べている時も、夏祭りも、文化祭も、雪合戦も。
いつも友人たちに囲まれ、楽しそうにしている智樹を見つめていたのだ。
けれどいつも楽しそうな智樹の姿を見つめる一方で、「私に気が付くことはないのかな。」と日和は落ち込むのだった。
そんなある日、日和が畑の世話をしていたところにアストレアが現れた。お腹が空いている様子のアストレアに、日和は野菜を振舞った。おいしい野菜を食べさせてくれた日和にアストレアも懐くのだった。
そうしてしばらく過ぎたある調理実習の日。日和は「おいしそう。」と笑顔を見せるアストレアとイカロスにクッキーを振舞った。その時アストレアは、イカロスがスイカ好きだということを話し出す。日和が畑に詳しいことを知るアストレアは、イカロスに「風音さんに作り方教えてもらったらどうですか?」と提案するのだった。それにイカロスも嬉しそうに「よろしくお願いします。」と頭を下げた。するとその時、「イカロス、そのクッキー俺の分も。」と智樹が割り込んできた。喜ぶ日和だったが既にクッキーはアストレアのお腹の中。それでも智樹が自分を見て笑ってくれたことに日和は喜びを感じるのだった。
ある日、日和が商店街を歩いていた時の事だった。偶然出会ったそはらとイカロスにアイスを食べようと誘われた。そはらと初めてきちんと話をし、改めて智樹の人柄を知った日和の中に、勇気が湧きあがった。
そして日和は新大陸発見部に入部する決意をし、入部届を持って部室の扉を開けるのだった。
そらのおとしもの 時計じかけの哀女神のネタバレあらすじ:転
新大陸発見部に入部することにした日和。部員が一人増えたことで中規模の部活になれると、日和は大歓迎される。しかし智樹はそれを快く思っていなかった。中規模の部活になると、より部の実績が必要になる為、幽霊部員ではいられなくなってしまうのだ。
智樹の家で部の活動内容を教えてもらっている日和を見て、智樹はあることを思いつく。
それは日和に入部テストと称して無理難題を押し付けることだった。無理難題の入部テストをふっかけ、日和に入部を諦めさせようとしたのだ。
しかし日和は、パンツの匂いを嗅ぐことも、女風呂の覗きも、白いスクール水着を身に着けることも、ナース服・巫女服を着ることも、アイスを食べることもすべてクリアしてしまう。そして最後のテストである、パンツの乗った寿司をも食べようとし、遂に智樹の良心が痛み、入部を認めた。
そんな智樹の行動は、そはら・守形・五月田根に見つかっていた。日和に非道の限りを尽くした智樹に対し、3人は鉄拳制裁をお見舞いするのだった。
その帰り道、日和は智樹に家まで送ってもらっていた。どうして入部しようと思ったのかと智樹に聞かれた日和は、智樹を寄り道に誘う。そうして日和が案内したのは、町が一望できる高台だった。
「空見町が大好きなんです。」と言う日和に、智樹も自分もこの町とこの場所が好きなんだと打ち明けるのだった。
それから毎日新大陸発見部に来るようになった日和に、智樹は無理難題を吹っかけ続けていた。しかしその日々はとても楽しいもので、日和の笑顔は輝いているのだった。
そらのおとしもの 時計じかけの哀女神の結末
日和とイカロスは、スイカの育て方を教えるという約束を果たすため二人で出かけることにした。
ファミリーレストランでスイカの育て方を教える中、剪定の話になった。
「剪定って何ですか。」と問うイカロスに対し、「おいしいスイカを作るために、育ちの悪い物や形の悪いものをあらかじめ捨ててしまうことです。」と答えた日和だったが、「私も剪定って嫌いなんです。」とそう続けた。「さみしいですよね。スイカだって一人ぼっちにされちゃうなんて」と、寂しそうに言う日和にイカロスはこくこくと頷いた。そんなイカロスの姿に、日和は嬉しそうにイカロスの手を握るのだった。
その頃、智樹の家ではそはらとニンフ、アストレアの三人が新大陸発見部の皆で撮影した写真を見ていた。
そんな中、ふとそはらが「付き合ってるんじゃないかな。ともちゃんと日和ちゃん。」と言い出した。そはらの言葉にニンフとアストレアも心当たりがある様子だった。しかしニンフは美人の日和が、何故智樹を好きになるのかと疑問を持つ。そんなところに五月田根が現れ、「弱みを握られているんじゃないかしら。」と三人をけしかけるのだった。それを真に受けた三人は、帰宅途中だった智樹を見つけ問い詰め始めた。そこは日和の畑の前であった。
その時日和は畑の世話をしていた。智樹の姿に咄嗟に隠れるも、問い詰められる智樹の様子とニンフの発した「ひよりと付き合ってるんでしょ。」の言葉に思わず飛び出してしまうのだった。
誤解が解けほっとする皆だったが、日和はその中で自分の泥だらけの格好を気にしていた。智樹に嫌われてしまうと恐れる日和だったが、智樹は日和の姿を気にすることもなく、見事に育った日和のグリーンピースを褒めたのだ。そしてそんな智樹を改めて好きだと自覚した日和は、咄嗟に「あなたのことが好きです。」と告白するのだった。
翌日、智樹は動揺していた。
今まで全くモテたことのない智樹は日和に告白されたのは夢ではないかと疑っていたのだ。そして現実を確かめる為にイカロスに思いっきり殴ってもらっても覚めないことに、さらに動揺するのだった。
その一方、ニンフとイカロスは悲し気な表情を浮かべていた。そしてニンフは「こっちの日和と付き合うのは良くないわ。」と呟くのだった。
昨日のあの後、告白した日和は「あの場所で待っている。」と言い残し去っていった。その時に落とした髪飾りを智樹は拾い上げた。
日和は返事を聞くため、町が一望できる高台へと向かっていた。
道を渡ろうとした日和だったが、そこにトラックが突っ込んでくるのだった。
日和にトラックが突っ込んだ瞬間、智樹の家にいたニンフもそれを感じ取っていた。日和はトラックに轢かれ死んでしまったのだ。そして「日和が死んだら目が覚めちゃう。日和が消えちゃう。」と焦りを見せるのだった。
その頃、智樹やそはら、日和を知る人たちは謎の頭痛に襲われた。守形は咄嗟にシナプス人の眠るドームに逃げ込んだ。そこで日和そっくりなシナプス人が目覚める姿を目にするのだった。
高台にいる智樹を、イカロスとニンフは迎えに来ていた。二人の姿に驚く智樹はまだ日和のことを完全には忘れていないようだった。そんな智樹の姿にニンフは「日和、今日は来られないんだって。」と嘘をついてしまうのだった。
翌日、日和のことを皆に尋ねる智樹だったが、そはら、守形、五月田根の3人は日和のことをすっかり忘れていた。疑問に思いつつも、以前に撮った写真を確認しようとする。しかしその写真からも日和の姿は消えていたのだった。しかし智樹の手には日和の髪飾りが残っていた。
その頃、日和とそっくりのシナプス人はもう一度同じ夢を見せてと望んでいた。
ケースにしがみつき、涙を零すその姿にミ―ノースは薄い笑いを見せた。そしてそんな彼女に「方法が無いこともない。」と告げるのだった。
智樹は消えた日和の姿を探し始めた。
町中どこを探してもいない日和に、遂に智樹は何かを知っている様子のイカロスとニンフを問い詰める。
話そうとするイカロスを止めたニンフは、問い詰める智樹とイカロスの間に割って入り涙を浮かべた。そして「この事実を知った人間にはデリートが効かなくなる。そしたら智樹気づいちゃう。智樹の側にいる非現実は日和だけじゃない。」と言ってしまうのだった。
その言葉を聞いた途端、激しい頭痛に襲われた智樹は倒れ込んでしまった。寝かせた智樹の側で、日和のことを忘れない智樹に戸惑いつつも、このままでは智樹の身体に良くないとイカロス・ニンフ・アストレアの三人は悩んでいた。
その時空見町に何かが近づいてくるのを感じ取った。
急いでその何かの元へと向かう三人の目の前に現れたのは、日和だった。
笑顔を見せた日和だったが、日和を連れてきた謎の物体は突如日和に取りつくとその体を捕まえてしまった。
そして日和の姿が徐々に変形していった。
シナプス人であったはずの日和は、エンジェロイドに改造されていたのだ。改造したのはミ―ノースであった。日和をエンジェロイド タイプZ(ゼータ)へと改造したミ―ノースは、思い通りにならないものを壊してしまうようにZに命令していたのだ。
皆のことを忘れ、大好きだった空見町を次々に攻撃し、イカロスたちをも攻撃してくる日和に、ニンフは日和を壊すことを決断する。日和を壊すため攻撃を仕掛けたニンフを止めたのはイカロスだった。日和が傷つけば智樹が悲しむ。と。
けれどニンフは、日和の破壊を自分が背負おうとしていた。それを止めたのは智樹だった。
ニンフを止め、「風音、絶対助けるから。」と告げた智樹は、助けに来た守形と共にどこかへと向かっていった。
一方智樹の為の時間を稼ぐため、イカロス・ニンフ・アストレアの三人は協力してZへと戦いを挑む。
日和を操る背中のユニットを破壊することにした三人は協力してZへと向かっていく。しかしZの力は圧倒的だった。ニンフよりも高度なハッキング能力を持ち、時間を操ることによりアストレアの攻撃も防ぐZ。何とかユニットを破壊したものの、日和は元には戻らなかい。しかも日和には時限装置システムが取り付けられていた。それが爆発すれば町が吹っ飛んでしまうのだ。
イカロスは次元爆発を防ぐため、イージスに日和を閉じ込めた。そしてイカロスは日和に呼びかけ、「大丈夫。」と日和をそっと抱きしめるのだった。
イカロスが日和ごと消え去る覚悟をしたその時、智樹がグライダーで現れた。
智樹は日和と運命を共にしようとしたイカロスを叱り、日和に向き直った。
そして日和へと話しかけると、「返さなくっちゃな。」と日和の髪飾りを差し出した。
それにはっとした日和はぽろぽろと涙を零し始めた。日和の意識が蘇ったのだ。しかし、まだ完全に開放されたわけではなかった。日和の時限装置は日和自身には止めることが出来ないのだ。
日和は智樹とイカロスを爆発に巻き込まないためにイカロスをハッキングして操ると、智樹へ口づけを送り空高く飛び立った。
日和は昔を思い出していた。幼い頃智樹と初めて出会った日のことを。そこで智樹が見せてくれた町を好きになったのだと。
そして日和は笑顔を浮かべながら爆発して消えてしまったのだった。
日和を助けられなかったことに智樹は涙した。だからこそ、初めて自分の事を好きだと言ってくれた日和のことを、決して忘れないと決意するのだった。
以上、映画「そらのおとしもの 時計じかけの哀女神(エンジェロイド)」のあらすじと結末でした。
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