ステップの紹介:2020年日本映画。重松清の同名短編小説集を山田孝之の主演で映画化したヒューマンドラマです。妻を亡くし、シングルファーザーとなった男と娘の奮闘の10年間を、彼らを取り巻く人々と共に描いていきます。
監督:飯塚健 出演者:山田孝之(武田健一)、田中里念(武田美紀(9~12歳))、白鳥玉季(武田美紀(6~8歳))、中野翠咲(武田美紀(2歳))、伊藤沙莉(ケロ先生)、川栄李奈(成瀬舞)、岩松了(榎本営業部長)、日高七海(原雪先生)、角田晃広(村松良彦)、片岡礼子(村松翠)、広末涼子(斎藤奈々恵)、余貴美子(村松美千代)、國村隼(村松明)ほか
映画「ステップ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ステップ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ステップの予告編 動画
映画「ステップ」解説
この解説記事には映画「ステップ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ステップのネタバレあらすじ:起
2009年。武田健一(山田孝之)は30歳のトップ営業マン。結婚して3年、一人娘の美紀(中野翠咲)もまだ2歳半という時に突然妻に先立たれてしまいました。
健一は亡き妻の予定がたくさん書きこまれていたカレンダーを外し、付け替えた新しいカレンダーに「再出発」と書きました。シングルファーザーとなった健一は男手ひとつでまだ幼い美紀を育てることとなりましたが、仕事が忙しいため保育園に預けることにしました。健一は美紀を保育士のケロ先生(伊藤沙莉)に託し、安心して職場に向かいました。
健一は娘のためにトップセールスマンとしてのプライドをかなぐり捨て、時短勤務が可能な総務課に異動しました。育児に対する職場の理解は得られたものの、健一はなかなか言うことを聞かない美紀の世話や家事などに大忙しの日々を送らねばなりませんでした。
クリスマスも近づき、保育園のクリスマス会には健一の義父・村松明(國村隼)と義母・美千代(余貴美子)も参加することになりました。ところが、美紀も楽しみにしているだろうと思っていた健一は、美紀の表情が暗くなり始めていたことに気付きました。
妻に先立たれた時、美紀は義父母夫妻が引き取ろうかという話があり、健一は美紀を手放すべきだったのかと苦悩しました。しかし、健一はケロ先生から、美紀は健一が仕事で不在がちになっていることに寂しさを覚えていることを知らされ、これからはより一層美紀に寄り添う時間を作ってあげようと決意しました。
ステップのネタバレあらすじ:承
2014年。美紀(白鳥玉季)は小学生になりました。そんなある日、母の日のプレゼントも兼ねて授業参観で母の似顔絵を描くことになり、健一は担任の原雪先生(日高七海)からとんでもないことを聞かされました。何と、美紀は「ママが家にいる」と発言してしまったというのです。
それからというもの、美紀は母の写真を見ながら似顔絵を描く練習を始め、その姿を見た健一は行きつけのカフェの店員・成瀬舞(川栄李奈)が亡き妻によく似ていることに気付きました。健一は妻と成瀬のイメージを重ね合わせ、美紀がより良いイメージで授業に臨めるよう手伝ってあげました。こうして美紀が描きあげた絵には天使の輪が描かれていました。
やがて美紀は小学3年生になりました。この頃から健一は上司からお見合い話を持ちかけられるようになり、まるで血の繋がった我が子のように迎え入れてくれる義父母夫妻ら親族に違和感のようなものを感じるようになっていました。美紀はお盆には死者が帰ってくると聞かされ、母が帰ってこないか探していました。
ステップのネタバレあらすじ:転
2018年。美紀(田中里念)は小学5年生になりました。健一は上司の計らいにより営業開発部へ異動となりました。義父・明は経営していた会社の内紛で築き上げた地位を追われ、不妊に悩まされていたことから美紀を引き取りたがっていた義兄の良彦(角田晃広)と翠(片岡礼子)夫妻も長年の不妊治療を打ち切るなど、確実に健一の周辺の環境は変わり始めていました。
健一はこの頃から同僚の斎藤奈々恵(広末涼子)という女性と交際を始めていました。明や良彦はすんなりと奈々恵の存在を受け入れましたが、健一はどうやって美紀と奈々恵を引き合わせようか考えていました。
やがて美紀の運動会の日が近づきました。いつもなら弁当を作ってくれるはずの義母・美千代が高熱を出してしまい、義父母夫妻はこの際だからと奈々恵に弁当作りを手伝ってもらえるよう健一に提案しました。健一は提案を受け入れ、奈々恵の家で予行練習をすることにしました。その際、健一は奈々恵が過去に死産していた過去があることを知りました。
運動会を迎え、薄々奈々恵の存在に気付いていた美紀は弁当を作ってくれたお礼として、奈々恵に会うことを受け入れました。ところが、いざ奈々恵に会った美紀は直後に体調を崩してしまい、このことをきっかけに美紀は健一と奈々恵と距離を置くようになってしまいました。
義父母夫妻は美紀を引き取る決心をし、美紀も小学校卒業を機に義父母の住む横浜に移り住むことにしました。
ステップの結末
美紀が横浜行きの意思を固めたことを知った健一は改めて娘と向き合う決心をし、再び奈々恵と美紀を引き合わせて打ち解け合わせることに成功しました。
ところが、その直後に養父の明が倒れて入院してしまいました。明は自分が弱っている姿を見せないためにも美紀の面会を拒絶し、不安に駆られた美紀は初めて奈々恵のことを「お母さん」と呼びました。美紀と奈々恵の絆は少しずつ深まり始めていたのです。
いよいよ美紀の卒業の日が近づきました。病床の明はきちんとスーツに身を固め、奈々恵に健一と美紀のことを託しました。美紀は明の死期が近いことを悟っていましたが、それでも明の言葉と意思に前を向く決意を固めた美紀は、健一や奈々恵と一緒に新たな人生に向かって歩き始めました。
以上、映画「ステップ」のあらすじと結末でした。
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