T.R.Y. トライの紹介:2002年日本,中国,韓国映画。原作は横溝正史ミステリ大賞を受賞した井上尚登のベストセラー小説。この映画は、日中韓の合作です。上海で暗躍する日本人ペテン師の伊沢が、中国人革命軍のために武器を手に入れようと画策する物語。ラストは想像を超えるどんでん返しの連続です。
監督:大森一樹 出演者:織田裕二(伊沢修)、黒木瞳(喜春)、邵兵(関飛虎)、孫暢敏(パク・チャイク)、楊若兮(丁愛鈴)、ピーター・ホー(肖丁)、今井雅之(東謙介)、市原隼人(陳思平)、渡辺謙(東正信)
映画「T.R.Y. トライ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「T.R.Y. トライ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「T.R.Y. トライ」解説
この解説記事には映画「T.R.Y. トライ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
TRYトライのネタバレあらすじ:起
各国の利権争いが激しい20世紀初めの上海に、姑息な手段で大金を稼ぐ日本人がいました。伊沢修という詐欺師です。ある時は、金持ちをうまく操り、馬券を買うための金をそのまま懐へ。またある時は、銃の売買に絡み、試し撃ちの際に暴発したように見せかけて、商人から金を奪ってしまいます。そうした伊沢の行動は恨みを買い、ついに暗殺組織「赤眉」の刺客に襲われる羽目に。絶体絶命のところを関飛虎という中国人革命家に救われます。関は、崩壊寸前の清国政府を倒し、民衆の手で新しい世の中を作ろうとしていました。そのためには武器が必要。伊沢の身を守る代わりに、武器を調達してほしい、と頼まれます。「報酬は上がりの3割」「危なくなったらすぐ逃げる」が信条の伊沢、関のような貧乏な熱血漢には関わりたくありません。でも、実は情にもろい一面があるのです。いったんは依頼を断るものの、ついに協力することを決意します。
TRYトライのネタバレあらすじ:承
資金もないのに武器をどこから調達するか。伊沢は、知り合いのチンピラ張が、清国の皇帝一族のひとり愛新覚羅載寧にそっくりの容姿であることに気づきました。偶然にも、張と愛新覚羅載寧は今、どちらも日本陸軍に入隊しているのです。これを利用しない手はありません。伊沢らは早速日本へ渡りました。張に愛新覚羅のフリをさせ、日本軍と交渉。「清国に」武器を流してくれるよう頼むのです。日本も中国での覇権を狙っていますから、双方に得がある話です。そして、清国のために持ち込まれた武器を、革命軍が横取りしようという筋書きです。日本陸軍の司令官、東正信は猜疑心の強い男。伊沢の施したいくつかの偽装には気がつきながらも、交渉したのが本物の愛新覚羅だと信じてしまい、最後には武器の輸出を約束します。
TRYトライのネタバレあらすじ:転
「死んじゃダメだよ」昔なじみの吉原の芸者、喜春に見送られ、日本を後にする伊沢たち。上海に戻って、東と武器が到着するのを待ちます。ところが、一連の交渉がすべて嘘だと見破った者がいました。東正信の弟、謙介です。謙介は東家から厄介者扱いされている放蕩息子。上海にいた頃に張と面識があったのです。謙介も上海へ乗り込んできて、自分にも金を儲けさせろと伊沢に迫ります。謙介の登場により、ついに伊沢の嘘が東中将にバレてしまいました。東の元に連れていかれ、暴行を受ける伊沢。でも、その後釈放されます。偽の取引は予定通り行い、その後日本軍が武器を取り返す、そして本物の清国政府と交渉する、というのが、東の描いたシナリオです。自分の指示通りに動かなければ、仲間の命はないと脅され、伊沢は困惑します。
TRYトライの結末
武器取引の直前にもかかわらず、伊沢がアジトに現れないので、裏切ったのではと騒然とする関ら革命軍。しかし、約束の場所である機関車の操車場に、伊沢はやってきました。ほっとする一同。貨車に積まれた武器と金の交換が予定通り行われたところへ、上海警察に扮した革命軍が登場。自作自演の逮捕劇で、東らを追い払います。作戦成功を喜ぶ仲間達。しかしそこへ、装甲列車で日本の軍隊がやってきて、武器を奪い返してしまいます。伊沢の裏切りを知り、悔しがる面々。ところがさらなるどんでん返しが。伊沢が密かに流した「操車場で武装蜂起あり」とのデマを信じた市民たちが、参加しようと大挙して押し寄せたのです。「司令部も乗っ取られた」と思い込んだ東ら日本軍は、今度は本当に退却していきます。武器だけでなく、大金と大勢の同志を得て、ハッピーエンドと思いきや、皆を凍り付かせる事態が更に待っていました。謙介が蒸気機関車で乗り込んできて、武器を残らず奪っていこうとするのです。関や伊沢らが必死で守ろうとしますが、暴走した列車は別の列車に激突して大破。積まれていた武器もすべてパーになってしまいました。武器は手に入れられませんでしたが、関らの顔には満足げな笑みが浮かんでいました。そして伊沢にも笑顔が。伊沢はそこで姿を消します。革命軍に残された金からは、伊沢の取り分3割、キッチリ引かれていたそうです。伊沢は今日もどこかの街で、相変わらず誰かに追い回されているようですよ。
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