TARO!MOMOTARO IN TROUBLE(タロウ モモタロウ イン トラブル)の紹介:1991年日本映画。別題は「TARO! TOKYO魔界大戦」。桃太郎伝説をモチーフに、蘇った鬼と戦う少年の勇姿を描くアクション作品。ロック・スターを夢見る太郎は、怪しい芸能事務所にスカウトされ謎の信号音を聞かされた。それ以来、太郎は信号音を聞く度にトランス状態に陥ってしまい、謎の言語を発するようになる。一方街では新興宗教団体「信輝会」が勢力を増していた。信輝会は人類以前に存在していた「鬼」を蘇らせようと暗躍する。そしてその鍵は、桃太郎の血筋である太郎が握っていたのだった。
監督:石井てるよし 出演:藤原秀樹(太郎)、三浦洋一(紀本 / TVディレクター)、竹中直人(ローカイ大佐 / 信輝会会長)、小野みゆき(恵)、谷啓(宝伝)ほか
映画「TARO! MOMOTARO IN TROUBLE」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「TARO! MOMOTARO IN TROUBLE」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「TARO! MOMOTARO IN TROUBLE」解説
この解説記事には映画「TARO! MOMOTARO IN TROUBLE」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
TARO!MOMOTARO IN TROUBLEのネタバレあらすじ:起・謎の信号音
舞台は真夏の日本、東京。ロック・スターを夢見る太郎(藤原秀樹)は、中学生を対象にしたアイドルオーディションに参加していました。マネージャーを自称する友人、美香(森山和美)の発案で、まずはアイドルとしてデビューしロックに転向するというシナリオです。
しかし太郎はオーディションに落ちてしまい、同じく落選した少年、雅之(丸典膳カイ)と親しくなりました。オーディション会場を出た太郎は、真っ赤なスーツを着た恵(小野みゆき)という女性に声をかけられます。彼女はエコープロという芸能事務所のスカウトで、デビューの手助けをしたいと言うのです。太郎は迷いますが、美香に猛反対され、その日は諦めました。
一方、街では新興宗教団体「信輝会」が勢力を増していました。アメリカ発祥とされていますが、真相は定かではありません。指導者は「聖会主」と呼ばれ、パソコンを使用した予言をしています。彼らは「心の鬼の解放」を理念としていました。若者や主婦に人気で、雅之の大学生の姉も入会者の1人です。
後日、太郎は美香に内緒で、雅之に付き合って貰い、芸能事務所エコープロへ向かいました。早速歌って欲しいとヘッドフォンを渡された太郎は、流れてくる奇妙な信号音を聞き、トランス状態に陥ります。異変を察知した雅之が太郎を連れ出そうとすると、恵から信号音の入ったカセットテープを渡されました。
TARO!MOMOTARO IN TROUBLEのネタバレあらすじ:承・不気味な異変
太郎は雅之の部屋に招かれ、そこでカセットテープを聞いてみます。するとやはりトランス状態に陥り、謎の言語を呟き始めました。すぐに正気に戻りますが、不気味なことに変わりはありません。
そんな折、ショッキングなニュースが飛び込んで来ました。太郎と同じように恵にスカウトされた少年が、投身自殺を図ったらしいのです。慌ててエコープロに行ってみましたが、既にもぬけの殻でした。
更に信輝会の信者に追われた太郎と美香はカフェに逃げ込みます。そこで美香はスプーン曲げの超能力を持っていることを明かしました。その後、雅之の家に向かうと、彼の姉が太郎の情報を信輝会に渡しています。裏口から逃げて来た雅之も合流して家から離れようとしますが、信者に囲まれてしまいました。
そこにTVディレクターの紀本(三浦洋一)が車で現れ、3人を助けます。彼はずっと信輝会を調べていました。しかし雅之が紀本をスパイかも知れないと疑ったため、車を降りることにします。
3人は太郎が操る謎の言語について調べるべく、自衛隊の解読プログラムにハッキングを仕掛けました。解読の結果、言語は古代カムラ語と判明。更に「鬼」という単語が頻出することが分かります。美香のおじである宝伝(谷啓)が鬼などの伝承に詳しいため、翌日会いに行ってみることにしました。
TARO!MOMOTARO IN TROUBLEのネタバレあらすじ:転・桃太郎の血筋
宝伝を訪ねた太郎達3人は、事情を説明して鬼について話を聞かせて貰います。宝伝は、鬼は人間より以前にこの地球上に実在していたと言い出しました。鬼退治の最たる例は桃太郎伝説ですが、実は出処がはっきりしていません。
宝伝が広げた桃太郎伝説の巻物には、七支刀を携え、鬼を退治する桃太郎の姿が描かれていました。宝伝は、「桃太郎ってのは、鬼族を諌める役目を背負った血筋の子どもを指す、総称じゃないのかな」と話します。そしておそらく、太郎もその1人なのです。
半信半疑の3人が宝伝の家を出ると、突然、信輝会が現れ美香を連れ去ってしまいました。太郎は自転車に跨り、人間とは思えない速さで車を追いかけます。しかし追いつくことは叶いませんでした。
雅之の姉が伝言係として現れ、美香は聖会主のところにいると言います。紀本からの情報によると、信輝会の幹部は建設中の本殿ビルにいるようです。怪しいのは既に完成している地下設備。太郎はバッドを携え、雅之と共に美香を救出するため本殿ビルに向かいました。
TARO!MOMOTARO IN TROUBLEの結末:鬼の復活と現代の鬼退治
1人文献を調べていた宝伝は、桃太郎の血筋を持った者は、鬼を封じる以前に鬼を蘇らせる触媒としても機能してしまうのだと気付きます。そこに恵が現れ、宝伝は襲われてしまいました。
一方、太郎と雅之は信輝会の本殿ビル地下へ侵入します。長い階段の先は古い遺跡になっており、更にその先に実験施設がありました。実は信輝会は宗教団体ではなく、国際的な犯罪組織だったのです。
太郎を待ち受けていたのは、信輝会の会長であり、鬼の復活を目論むローカイ大佐(竹中直人)でした。彼は巨大な鬼のミイラを実験に使用しています。ミイラの細胞から鬼の知識と力を得た後、自分達の思想によって世界を統一するつもりでした。
美香を人質に取られた太郎は、鬼の封印を解く古代カムラ語を唱えてしまいます。そこへ銃を持った紀本が乗り込んで来ました。紀本とローカイ大佐には、信輝会がアメリカで暗躍していた頃からの因縁があります。するとコンピュータが暴走を始め、思いがけず鬼のミイラが動き出します。
復活した鬼は恵や武装した信輝会を次々殺していきました。太郎はバットを構えて鬼と対峙しますが、バットはあっさりと曲げられてしまいます。
迫る鬼を前に、絶体絶命のピンチに陥った太郎。すると美香が曲がったバットを手に取り、目を瞑ります。青白い光が溢れ出し、美香の超能力でバットは七支刀へと姿を変えました。太郎は七支刀を鬼の頭に突き刺し、見事退治に成功します。
すると大きな揺れと共に、地下が崩れ始めました。太郎達は急いで脱出しようとします。立ちはだかるローカイ大佐を何とか紀本が退け、4人は無事地上に戻りました。
紀本はアメリカ政府の関係者だったらしく、報告に向かいます。現代の鬼退治が完遂され、この映画は終わりを迎えます。
以上、映画「TARO! MOMOTARO IN TROUBLE」のあらすじと結末でした。
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